パーマリンク(Permanent Link)とは、Webサイトの各ページに割り当てられる固有のURLのことです。記事ページや固定ページなど、それぞれのコンテンツに一つずつ存在し、そのページに直接アクセスするためのリンクとして機能します。
ただ、一つ注意して欲しいのが別にパーマリンクをいじいじしたところで、
検索順位にダイレクトにインパクトを与えることはない
ということです。ただ、SEO対策はこうした小さな積み重ねが身を結ぶ性質の施策です。ですので、「念の為」にパーマリンクを最適化するという意識を持つことが重要です。
WordPressでは、初期設定では「?p=123」のような数字ベースのパーマリンクになっています。しかし、このままではSEOに効果的なURLとは言えません。
パーマリンクは、検索エンジンがページの内容を理解する手掛かりの一つであり、ユーザーがURLを見ただけでページの内容を把握できるものでなければなりません。
パーマリンクの前提知識
パーマリンクとは?
パーマリンク(Permanent Link)または固定リンクとは、Webサイトの記事やページに割り当てられた固有のURLのことです。各記事やページにユニークなパーマリンクが割り当てられ、原則として一度設定すると変更されません。ブログ記事の共有やSEO対策、ユーザビリティ向上など、さまざまな用途で利用されます。
パーマリンクは、ブログやWebサイトを構築するCMS(コンテンツ管理システム)で自由に設定できることが多く、SEO対策やユーザビリティを考慮して、分かりやすく、覚えやすいパーマリンクを設定することが重要です。
ただし、パーマリンクを変更すると、以前のURLにアクセスできなくなる可能性があり、SEOにも影響があるため、慎重に変更する必要があります。
パーマリンクはユーザーとクローラーを意識して設定すべき
パーマリンクのおすすめの決め方とルール
SEOに強く、ユーザーにもわかりやすいパーマリンクを作成するために、以下の5つのルールを意識しましょう。
ルール①|短くシンプルにする
パーマリンクは、短くシンプルなものが好ましいです。長すぎるURLは、ユーザーにとって覚えにくく、SNSでの共有やURLのコピー&ペースト時に不便です。
例えば、「/how-to-optimize-your-website-for-search-engines/」よりも「/seo-optimization/」の方がシンプルで覚えやすいでしょう。
また、検索エンジンにとっても、短いURLの方がクロールしやすく、インデックスしやすいというメリットがあります。
ルール②|ページ内容に合致したわかりやすい文字列にする
パーマリンクは、ページの内容を的確に表すわかりやすい文字列にしましょう。これにより、ユーザーはURLを見ただけでページの内容を把握できますし、検索エンジンもページを適切に評価しやすくなります。
クローラーやユーザーにとって、意味の構造がわかりやすくなっており、URLを見ただけで内容を推測できるようなシンプルなURL構造となっていることが重要です。具体的には以下のURLは参考になります。これは、コラムの中のパーマリンクの書き方に関するページであることが理解できるでしょう。
https://search-engine-pirates.co.jp/column/how-to-write-permalinks/
このページは、今あなたが読んでいる記事のURLです。この記事は、パーマリンクの設定方法の記事なので、「how-to-write-permalinks」という文字列にしてあります。
ルール③|ハイフン(-)を使用する
単語の区切りにはハイフン(-)を使用しましょう。アンダーバー(_)やスペースは使用せず、ハイフンで統一することで、URLがスッキリと見やすくなります。
例えば、「SEO対策 初心者向け」という記事であれば、「/seo-taisaku-beginner/」のようにハイフンで単語を区切りましょう。これは、Googleの検索セントラルでもハイフンを使うことを推奨しています。
URL では、ハイフンを使用して単語を区切ることを検討してください。それにより、ユーザーや検索エンジンが URL のコンセプトを理解しやすくなります。URL にはアンダースコア(
引用元:Google における URL 構造のベスト プラクティス|Googe検索セントラル_
)ではなくハイフン(-
)を使用することをおすすめします。
ルール④|キーワードを含める
パーマリンクに、ページの内容を表すキーワードを含めることは、めちゃくちゃ重要かというとそうでもありません。ただ、入れておいて損はないので入れるようにしましょう。検索エンジンは、パーマリンクに含まれるキーワードを参考に、ページの内容を判断します。
例えば、「SEO対策」というキーワードで上位表示を狙いたい場合は、「/seo-taisaku/」のようなパーマリンクにすることで、検索エンジンにSEO対策に関するページであることを伝えることができます。
ただし、キーワードの詰め込みすぎは逆効果になるため、注意が必要です。
ルール⑤|アルファベットを使用する(日本語は使用しない)
日本語のパーマリンクは、文字化けやURLエンコードの問題が発生する可能性があるため、避けるのが無難です。パーマリンクには、半角英数字とハイフンを使用するようにしましょう。
例えば、「SEO対策」という記事のパーマリンクを日本語で設定すると、「/%E3%82%BB%E3%82%AA%E5%AF%BE%E7%AD%96/」のように複雑な文字列になってしまいます。こうした文字列は、ユーザーにとってURLの内容を推測しにくいので避けるのが無難です。
ただ、Googe的にはエンコードされたURL自体は問題ないとしているので、もしエンコードしたパーマリンクが発生してもそこまで問題視する必要性はありません。あくまで、ユーザー的に読みにくいよね、という話です。
予約されていない ASCII 文字はエンコードされない形式のまま残る可能性があります。また、ASCII に含まれない文字は、UTF-8 でエンコードする必要があります。
引用元:Google における URL 構造のベスト プラクティス|Googe検索セントラル
ルール⑥|階層構造を意識する
パーマリンクを適切に設定することで得られるSEO効果
パーマリンクは、SEO対策において重要な要素の一つです。適切なパーマリンクを設定することで、検索エンジンからの評価を高め、Webサイトへのアクセス数を増やすことができるでしょう。ここでは、パーマリンクがSEOに与える3つの影響について解説します。
影響①|クローラーが理解しやすくなる
パーマリンクに含まれるキーワードや単語は、クローラーがページの内容を理解する手掛かりとなります。例えば、「/best-seo-tools」というパーマリンクは、「SEOツール」に関するページであることを示唆し、検索エンジンが適切なキーワードでインデックスするのに役立ちます。
また、パーマリンクが階層構造になっている場合(例:/category/subcategory/post-name/
)、検索エンジンはWebサイト全体の構造を理解しやすくなります。これにより、関連性の高いページ同士が適切にグループ化され、検索結果での表示順位にも良い影響を与える可能性があります。
数千以上の URL を含むようなサイトの場合は、サイトの構造が Google によるクロールとインデックス登録の動作に影響を与えます。特にディレクトリ(フォルダ)を使って類似のトピックをまとめていると、各ディレクトリ内の URL が変更される頻度を Google が学習しやすくなります。
引用元:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド|Google検索セントラル
さらに、パーマリンクが短く、シンプルで、意味のある単語で構成されている場合、検索エンジンはページの内容をより正確に把握できます。逆に、ランダムな文字列や数字だけのパーマリンクは、検索エンジンにとって理解しにくく、SEO上不利になる可能性があります。
影響②|クリック率(CTR)への影響
最適化されたパーマリンクは、ユーザーがクリックしやすくなります。短く、分かりやすく、キーワードを含むパーマリンクは、クリック率の向上に繋がります。
例えば、「/best-seo-tools」というパーマリンクは、「?p=123」といった数字だけのパーマリンクよりも、ユーザーにとって魅力的に映り、クリックされやすくなります。SNSなどでシェアされた際に、最適化されたパーマリンクが貼れていれば、それだけクリックしてもらいやすくなります。
また、パーマリンクにキーワードが含まれている場合、ユーザーは検索結果を見ただけでページの内容を推測できるため、興味を引かれやすくなります。
影響③|ソーシャルメディアで共有されやすくなる
パーマリンクは、ソーシャルメディアでページを共有する際に使用されます。短く覚えやすいパーマリンクは、ユーザーが共有しやすく、結果としてWebサイトへの流入増加に繋がります。
例えば、「/seo-tips-for-beginners/」というパーマリンクは、「/2023/07/02/seo-tips-for-beginners/」という日付を含む長いパーマリンクよりも、SNSで共有されやすくなります。
また、パーマリンクにキーワードが含まれている場合、ユーザーはSNSでのシェアを見ただけでページの内容を理解できるため、クリック率の向上にも繋がります。
WordPressでのパーマリンク設定手順
WordPressでのパーマリンク設定は、以下の3ステップで簡単にできます。
STEP①|WordPressの管理画面にログイン
まずは、WordPressの管理画面にログインします。
ログインURLは、通常、https://[あなたのサイトのURL]/wp-admin/
となります。
STEP②|「設定」→「パーマリンク設定」
WordPressの管理画面にログインしたら、左側のメニューから「設定」→「パーマリンク設定」を選択します。
STEP③|「共通設定」>「パーマリンク構造」で設定をする
パーマリンク設定画面では、「共通設定」と「オプション」の2つの項目があります。今回は、「共通設定」でパーマリンクの構造を設定します。
WordPressでは、デフォルトで以下の6つのパーマリンク構造が用意されています。
オプション | パーマリンクの例 | SEO効果 | 説明 |
---|---|---|---|
基本 | https://example.com/?p=123 | × | 数字のみで構成されており、SEO効果は期待できません。 |
日付と投稿名 | https://example.com/2023/07/03/sample-post/ | △ | 投稿日と投稿名で構成されています。SEO効果はあまり期待できませんが、時系列で記事を管理したい場合に便利です。 |
月と投稿名 | https://example.com/2023/07/sample-post/ | △ | 投稿の月と投稿名で構成されています。SEO効果はあまり期待できませんが、月別に記事を管理したい場合に便利です。 |
数字ベース | https://example.com/archives/123 | × | 数字のみで構成されており、SEO効果は期待できません。 |
投稿名 | https://example.com/sample-post/ | ◎ | 投稿名のみで構成されており、SEOに最も効果的な構造です。 |
カスタム構造 | https://example.com/%postname%/ | ◎ | 自分でパーマリンクの構造をカスタマイズできます。 |
SEOに最も効果的なのは、「投稿名」または「カスタム構造」です。「投稿名」を選択すると、記事のタイトルがそのままパーマリンクになります。「カスタム構造」を選択すると、以下のタグを使って自由にパーマリンクをカスタマイズできます。
タグ | 意味 |
---|---|
%postname% | 投稿のスラッグ(URLの一部) |
%year% | 投稿年 |
%monthnum% | 投稿月(数字) |
%day% | 投稿日 |
%hour% | 投稿時間 |
%minute% | 投稿分 |
%second% | 投稿秒 |
%post_id% | 投稿ID |
%category% | カテゴリスラッグ |
%tag% | タグスラッグ |
%author% | 著者名 |
例えば、「/%category%/%postname%/」と設定すると、カテゴリと投稿名を含むパーマリンクになります。パーマリンク構造を設定したら、「変更を保存」ボタンをクリックして設定を完了します。
パーマリンクは、Webサイトの各ページに割り当てられる固有のURLのこと。適切に設定することで、検索エンジン最適化(SEO)の効果を高め、ユーザーにとっても分かりやすいURL構造にすることができます。
この記事では、パーマリンクの基本的な知識から、WordPressでの設定方法、SEOに効果的な決め方まで詳しく解説します。
パーマリンク構造を変更することで起こるリスク
パーマリンク構造を変更する際は、注意すべき点がいくつかあります。安易な変更は、WebサイトのSEO評価やユーザー体験に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に進める必要があります。
注意点①|SEO評価が失われる可能性がある
パーマリンクは、検索エンジンがページを認識し、評価する際の重要な要素の一つです。パーマリンクを変更すると、以前のURLで蓄積されたSEO評価がリセットされ、検索順位が下がる可能性があります。
特に、既に多くの被リンクを獲得しているページや、検索結果で上位表示されているページのパーマリンクを変更する場合は、注意が必要です。SEO評価が失われると、検索エンジンからのトラフィックが減少する可能性があり、Webサイト全体のアクセス数にも影響を及ぼす可能性があります。
また、パーマリンクの変更は、検索エンジンにWebサイトの構造が変わったと認識させる可能性があります。これにより、検索エンジンがWebサイト全体を再クロールし、インデックスし直す必要が生じるため、一時的に検索順位が不安定になることもあります。
注意点②|リンク切れを起こしてしまう
パーマリンクを変更すると、以前のURLにアクセスできなくなり、リンク切れが発生します。これは、ユーザー体験を損なうだけでなく、SEO評価にも悪影響を及ぼします。
例えば、他のWebサイトやSNSから自社サイトの記事にリンクが張られている場合、パーマリンクを変更すると、それらのリンクがすべて無効になってしまいます。これにより、被リンクからのトラフィックが失われるだけでなく、検索エンジンからの評価も下がる可能性があります。
また、サイト内の内部リンクも同様に、パーマリンクの変更によってリンク切れが発生します。これにより、ユーザーは目的のページにたどり着けなくなり、サイト全体の回遊性が低下する可能性があります。
パーマリンクを変更したら必ずリダイレクトをかける
パーマリンク構造を変更する際は、必ずリダイレクト設定を行いましょう。リダイレクトとは、古いURLにアクセスがあった際に、自動的に新しいURLに転送する仕組みのことです。
実際にパーマリンク構造をリダイレクトなしで変更してしまうと「新しいURLの評価はゼロからのスタート」になってしまいます。
リダイレクト無しだと、古い URL の評価を引き継ぐことができないので、新しい URL の評価はゼロからのスタートになります。
引用元:サイト移転時の推奨事項:リダイレクトの解説|Takanoプラチナ プロダクト エキスパート|Search Consoleヘルプ
そこでパーマリンク変更する際に、リダイレクトを設定することで以下のような効果を獲得することができます。
- SEO評価の引き継ぎ:以前のURLで蓄積されたSEO評価を新しいURLに引き継ぐことができます。
- ユーザー体験の維持:リンク切れを防ぎ、ユーザーを適切なページに誘導することができます。
- 被リンクの維持:他のWebサイトからの被リンクを有効活用できます。
WordPressでは、パーマリンク設定を変更すると、自動的にリダイレクトされる場合もありますが、すべてのケースで自動リダイレクトされるとは限りません。特に、カスタム構造でパーマリンクを設定している場合は、手動でリダイレクト設定を行う必要があります。
リダイレクト設定には、.htaccessファイルの編集やリダイレクトプラグインの利用など、いくつかの方法があります。
まとめ
この記事では、パーマリンクとは何か、SEOに効果的なパーマリンクの決め方、WordPressでの設定方法、そしてパーマリンク変更に伴うリスクと注意点について解説しました。
パーマリンクは、WebサイトのSEO対策において重要な要素の一つです。適切なパーマリンクを設定することで、検索エンジンからの評価を高め、Webサイトへのアクセス数を増やすことができます。
WordPressでのパーマリンク設定は非常に簡単ですが、一度設定すると変更が難しいため、慎重に検討する必要があります。特に、サイト公開後や記事公開後の変更は、SEO評価に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
パーマリンクを変更する際は、必ずリダイレクト設定を行い、以前のURLで蓄積されたSEO評価を引き継ぎ、ユーザー体験を損なわないようにしましょう。
この記事で紹介した内容を参考に、SEOに強く、ユーザーにもわかりやすいパーマリンクを設定し、Webサイトの集客力を高めていきましょう。