【2025年】検索順位別のクリック率(CTR)|SEOへの影響と順位の改善方法を解説。

検索順位とクリック率(CTR)には密接な関係があり、CTRを改善することでアクセス数を大幅に伸ばすことができます。
しかし、直近で登場した AI Overviews(AIO) によって、検索結果全体のクリック率は大幅に低下しています。

実際のデータを見てみると(下表参照)、検索結果で1位を獲得してもCTRは 約3.9% にとどまり、10位では わずか0.5% 程度しかクリックされていません。AI Overviews登場前には1位のCTRが 約40% だったことを踏まえると、その下落幅は非常に大きいことがわかります。

Google検索順位AIO登場後(%)
Organic 1位3.9
Organic 2位3.68
Organic 3位2.79
Organic 4位2.48
Organic 5位2.21
Organic 6位1.76
Organic 7位1.31
Organic 8位0.83
Organic 9位0.56
Organic 10位0.50
引用元: Google Organic SERP CTR Curve

この記事では、検索順位別の平均クリック率やクリック率の計算方法、クリック率に影響を与える様々な要因を解説します。 さらに、クリック率を改善するための具体的な方法もご紹介します。

この記事を読むことで、以下のことが理解できます。

この記事でわかること
  • 検索順位とクリック率の関係性
  • クリック率の計算方法
  • クリック率に影響を与える要因
  • クリック率を改善するための具体的な方法

SEO担当者として、クリック率を向上させるための戦略を立て、検索順位だけでなく、実際のクリック数も向上させましょう。

プロフィール
この記事を書いた人
山口耀平(Yamaguchi Yohei)

株式会社検索順位の海賊CEO。日本マーケティング学会会員。プライム上場企業の大規模サイト運用に従事した後、自身のアフィリエイトサイトを収益化・成長させた経験を活かして独立。現在はSEOコンサルタントとして、法人向けにSEO戦略の立案から実行支援まで一貫して対応している。被リンク構築支援やSEO記事制作代行など、実務に根ざした施策にも幅広く対応。

プロフィールの詳細はこちら

山口耀平(Yamaguchi Yohei)をフォローする

※この記事は、当コラムのコンテンツ制作・編集ポリシーに沿って制作されています。

SEOでのクリック率(CTR)の計算方法

クリック率(CTR)は、以下の計算式で求められます。検索結果への表示回数はSEOツールでいうところの「検索ボリューム」に当たるものです。また、サーチコンソールでは「表示回数」のところに当たります。

クリック率(CTR) = (クリック数 ÷検索結果の表示回数) × 100

上記の計算式のイメージをより具体化させるために、あるキーワードで検索結果1位に表示されたウェブサイトが1000回表示され、100回クリックされた場合を考えてみましょう。この場合の、クリック率は10%になります。

クリック率(CTR) = (100 ÷ 1000) × 100 = 10%

クリック率は、検索順位が上がることでも向上しますが、タイトルやメタディスクリプションなどの要素を最適化することでも向上させることができます。

検索順位別の平均クリック率(CTR)

AI Overview登場前と後でのCTRの変化

検索結果におけるクリック率(CTR)は、AI Overview(AIO)の登場によって大きく変化しました。従来は検索上位に表示されるほどCTRが高く、1位では約40%ものクリック率を誇っていましたが、AIO導入後はその構造が大きく崩れています。

実際のデータを比較すると、AIO登場後の1位CTRは 39.8% → 3.9% と約10分の1まで低下しています。2位以下も軒並み減少しており、3位で 10.2% → 2.79%、5位で 5.1% → 2.21% と、ほぼすべての順位でクリック率が大幅に下落していることがわかります(下表参照)。

Google検索順位AIO登場後(%)AIO登場前(%)ポイント差分(%)
Organic 1位3.939.8-35.9
Organic 2位3.6818.7-15.02
Organic 3位2.7910.2-7.41
Organic 4位2.487.2-4.72
Organic 5位2.215.1-2.89
Organic 6位1.764.4-2.64
Organic 7位1.313.0-1.69
Organic 8位0.832.1-1.27
Organic 9位0.561.9-1.34
Organic 10位0.501.6-1.10
※12024 comparison of Google organic clickthrough rates (SEO CTR) by ranking position
2 Google Organic SERP CTR Curve

このデータから、AI Overviewの導入により、従来オーガニック検索で得られていたクリックの多くがAIO領域に吸収されていることがわかります。特に情報系キーワードではユーザーがAI要約内で完結するケースが増え、「ゼロクリック検索(Zero-Click Search)」の比率が急増しています。

今後は、「AI要約に取り上げられる設計」や「ブランド検索の強化」 といったAIO時代特有のCTR最適化が求められます。従来の順位獲得だけでは流入数を維持できないため、検索意図に応じた構造化データやトピック設計が重要になるでしょう。

AI Overview登場前の平均クリック率推移(年間)|1位のクリック率は上昇傾向

検索結果におけるクリック率(CTR)は、これまでの数年間で徐々に変化してきました。特に2019年以降、「強調スニペット(Featured Snippet)」の導入によって、1位が占めるクリック率の割合は上昇傾向にありました。以下のグラフからもわかる通り、2015年時点で約30%だった1位のCTRは、2024年には 40.31% に達しており、検索ユーザーが上位結果に集中する構造が強まっていました。

一方で、2位以下の順位におけるクリック率は年々減少傾向にあります。特に4位・5位など下位になるほどCTRの下落幅が大きく、検索結果内でクリックが「上位集中化」していたことが確認できます。

これは、Googleが検索結果内に強調スニペットやナレッジパネルを表示するようになり、ユーザーが1位付近の情報だけで満足して離脱する傾向が強まったためと考えられます。

引用元:Google Organic SERP CTR Curveを元に作成

しかし、2025年以降に登場した AI Overview(AIO) の影響により、この「1位集中構造」すらも崩れ始めています。AI要約が検索画面上部を占拠することで、従来上位表示サイトが得ていたクリックをAIOが吸収し、CTR全体が低下しているのが現状です。したがって、「AI Overviewの導入によってクリック率の減少は避けられない」 と言えるでしょう。

AIOを除く検索順位毎のクリック率の変動要因

検索結果におけるクリック率は、様々な要因によって変動します。クリック率を理解し、改善につなげるためには、これらの要因を把握することが重要です。主なクリック率の変動要因は以下の通りです。

要因説明
検索意図の種類検索者がどのような情報を求めているかによってクリック率は変動します。
クエリの競合度合い競合が多いキーワードではクリック率が分散される傾向があります。
クエリの検索ニーズの明確さ検索ニーズが明確なキーワードほどクリック率は高くなる傾向があります。
クエリのテーマテーマによっては特定のサイトへのクリックが集中しやすい場合があります。
SERPsの表示形式画像や動画などリッチスニペットの有無によってクリック率は変動します。
検索順位の高低検索順位が高いほどクリック率も高くなる傾向があります。

要因①|クエリの種類

クエリの種類は、検索結果のクリック率に大きく影響します。検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンに入力する単語やフレーズの組み合わせのことです。例えば、「東京 天気」「美味しいラーメン レシピ」などが検索クエリにあたります。

「知りたい」Knowクエリでは、ユーザーは情報収集を目的とするため、複数の検索結果を比較検討し、クリック率は低くなる傾向があります。一方で、「行きたい」Goクエリや「買いたい」Buyクエリでは、ユーザーは特定のWebサイトや商品へのアクセスを目的としているため、クリック率は高くなる傾向があります。「やりたい」Doクエリでは、具体的な手順や方法を知りたいという意図があり、クリック率は中程度となります。

クエリの種類ユーザーの検索意図クリック率の傾向
Knowクエリ情報収集低い
Goクエリ特定のWebサイトや場所へのアクセス高い
Doクエリ具体的な手順や方法を知りたい中程度
Buyクエリ特定の商品を購入したい高い

このように、クエリの種類によってユーザーの検索意図が異なり、クリック率も大きく変動します。例えば、購買型(Commercial)のクエリは上位表示されるほどクリック率が高くなるのに対して、Knowクエリ(Informational)は、クリック率が分散する傾向があります。

▼関連記事
検索クエリとは?|キーワードとの違いや調べ方と分析方法を解説。

要因②|クエリの競合度合い

クエリの競合度合いとは、そのキーワードで検索した際に、検索結果に表示されるウェブサイトの数や質のことを指します。

競合度合いが高いキーワードでは、クリック率が分散される傾向があります。例えば、「SEO」といったキーワードは、競合が多く、クリック率が分散されやすいです。

一方、競合度合いが低いキーワードでは、クリック率が高くなる傾向があります。例えば、「SEO 業者 依頼方法」といったキーワードは、競合が少なく、クリック率が高くなりやすいです。

要因③|クエリの検索ニーズの明確さ

クエリの検索ニーズが明確な場合、クリック率は高くなる傾向があります。例えば、「SEO対策」よりも「SEO対策 業者 依頼 方法」といったキーワードは、検索ニーズが明確になります。この場合、検索意図が明確な方が1位と2位のクリック率に差が小さくなる傾向があります。

引用元:Google Organic SERP CTR Curveを元に作成

この理由として想定されるのが、検索意図が明確であればあるほどニーズに応える記事が少なくなるため、ユーザーが色々な記事をクリックすることに起因すると考えられます。そこで、

要因④|クエリのテーマ

クエリのテーマによっても、クリック率は変動します。

例えば、経済系の場合は1位にクリック率が集中する傾向があります。対して、ショッピング系のクエリは分散する傾向があります。

一方、エンタメや趣味など、ライトなテーマでは、クリック率が分散される傾向があります。例えば、「面白い映画」といったキーワードでは、ランキングサイトやレビューサイトなど、様々なウェブサイトがクリックされる可能性があります。

要因⑤|検索結果(SERPs)の表示形式

SERPs(Search Engine Results Pages)の表示形式によっても、クリック率は変動します。例えば、画像検索結果や動画検索結果では、画像や動画のサムネイルが表示されるため、クリック率が高くなる傾向があります。

引用元:Google Organic SERP CTR Curveを元に作成

ローカル検索結果やニュース検索結果など、特定の検索結果に特化した表示形式でも、クリック率が変動します。例えば、飲食店を探す場合は、ローカル検索結果に表示される地図や店舗情報がクリックされやすくなります。

また、先ほど数字を出したクリック率の推移では2020年頃から1位のクリック率が30%代から40%にまで上昇しました。これは「強調スニペット」機能が実装されたことによります。今後も、検索結果の表示形式の変更は見込まれるためクリック率は変わり続けるでしょう。

要因⑥|検索順位の高低

検索順位が高いほど、クリック率も高くなる傾向があります。これは、冒頭で紹介したクリック率の表からも明らかでしょう。

AIO時代に求められる新しいCTR最適化の考え方

AI Overview(AIO)は、検索エンジンが「ユーザーの質問に即答できるページ」を優先的に引用する仕組みで動いています。
そのため今後は、AIに引用されやすい構造ユーザーにクリックされやすい情報設計の両方を意識したページ構成が不可欠です。
以下では、AIO時代におけるCTR最適化の3つの重要施策を紹介します。

AIO時代に求められる新しいCTR最適化の考え方
  • 方法①|構造化データの活用でAIに理解されやすくする
  • 方法②ブランド指名検索の強化

方法①|構造化データの活用でAIに理解されやすくする

AIOはWebページの構造を解析し、明確な質問と回答の関係を持つ情報を好んで引用します。そのため、構造化データ(Schema.org) の活用はこれまで以上に重要です。FAQ構造化データ、HowToスキーマ、Articleスキーマなどを正しく設定することで、Googleがページ内容を正確に理解しやすくなり、AI Overview内での引用確率を高めることができます。

また、HTML構造の明確化も欠かせません。h2・h3などの見出し階層を整理し、各セクションに具体的な回答を記述することで、AIがページを情報単位で把握しやすくなります。

さらに、一問一答形式のコンテンツ(例:「Q:〜とは?」「A:〜です。」)や、ステップ形式のHowToコンテンツはAIにとって理解しやすく、引用されやすい傾向にあります。つまり、「AIが要約しやすい情報構造=人間にとっても読みやすい情報構造」であり、CTR最適化とUX改善を同時に実現できるのです。

方法②ブランド指名検索の強化

AIO時代においてCTRを維持するためには、ブランド力の強化がこれまで以上に重要になります。なぜなら、AI Overviewによる要約がユーザーの検索意図を満たしてしまうため、情報としての差別化が難しくなるからです。その中でクリックされるのは、「どこが発信している情報か」を信頼できるブランドや専門家サイトです。

具体的には、SNS運用・オウンドメディア・動画・広告を組み合わせ、ブランドの露出を増やすことで指名検索(ブランド名検索)を増加させましょう。指名検索が増えるとGoogleはそのブランドを「信頼性の高い情報源」と判断しやすくなり、AI Overviewやナレッジパネルに取り上げられる可能性も高まります。

また、クリック行動も「見覚えのあるブランドだからクリックする」という心理的信頼に基づいて発生するため、AIOによるゼロクリック化への耐性を高める効果もあります。ブランド想起を高めるためには、記事のタイトルやメタディスクリプション、構造化データにもブランド名を明示的に含めることが効果的です。

旧来通りのSEOにおけるクリック率の改善方法も依然として効果的

検索結果に表示されるあなたのWebサイトの情報が魅力的であれば、クリック率は向上します。 クリック率を改善することで、Webサイトへの流入を増やし、SEO全体の成果を高めることができます。

クリック率を改善するための具体的な方法を以下に紹介します。

方法①|titleタグの変更【最も効果あり】

titleタグは、検索結果に表示されるWebサイトのタイトルです。 titleタグは、検索結果に表示されるWebサイトのタイトルであり、クリック率に最も大きな影響を与える要素の一つです。

titleタグを最適化することで、クリック率を大幅に向上させることができます。 例えば、キーワードを含める、魅力的なタイトルにする、文字数を適切に調整するなどの工夫が有効です。

方法②|meta descriptionの改善

meta descriptionは、検索結果に表示されるWebサイトの説明文です。 meta descriptionは、検索結果に表示されるWebサイトの説明文であり、クリック率に影響を与える要素の一つです。

meta descriptionを最適化することで、クリック率を向上させることができます。 例えば、キーワードを含める、魅力的な説明文にする、文字数を適切に調整するなどの工夫が有効です。

▼関連記事
【例文付き】Meta discription(メタディスクリプション)とは?SEOへの効果や文字数や書き方を解説。

方法③|SERPsに表示されるURLの最適化

SERPsに表示されるURLは、検索結果に表示されるWebサイトのURLです。 SERPsに表示されるURLは、検索結果に表示されるWebサイトのURLであり、クリック率に影響を与える要素の一つです。

SERPsに表示されるURLを最適化することで、クリック率を向上させることができます。 例えば、キーワードを含める、短いURLにする、わかりやすいURLにするなどの工夫が有効です。

方法④|ニーズメットしたコンテンツ制作

検索意図とニーズに合致したコンテンツを作成することで、クリック率は向上します。

検索意図とニーズに合致したコンテンツを作成することで、ユーザーの満足度を高めることができます。結果として検索順位が上昇し、クリック率を向上させることができます。

例えば、ユーザーが求めている情報を網羅的に提供する、専門性の高い情報を提供する、読みやすい文章で情報を提供するなどの工夫が有効です。

まとめ|AIO時代におけるクリック率最適化の本質

検索順位とクリック率(CTR)は本来、比例関係にあります。上位表示を達成すれば流入数は自然に増加し、SEOの成果を実感できる――これが従来の検索構造でした。

しかし、AI Overviews(AIO)の登場によってその関係は大きく崩れました。かつて1位で約40%を占めていたCTRは、現在ではわずか3〜4%前後まで低下しています。これは、検索結果ページ内でユーザーがAI要約を閲覧しただけで満足し、クリック行動を起こさなくなった「ゼロクリック検索」が増えたためです。

とはいえ、CTRの低下は避けられないものの、「AIに理解される構造」と「人がクリックしたくなる設計」を両立させることで依然として改善の余地があります。AIO時代におけるCTR最適化の本質は、単なる順位争いではなく、ユーザーの意思決定を設計することにあります。

具体的には以下のようなアプローチが鍵になります。

  • 構造化データや明確な見出し設計によってAIに引用される確率を高める
  • ブランド指名検索を増やし、AIを介さず直接訪問される導線を作る
  • タイトル・メタディスクリプションで「クリックする理由」を明示する
  • 検索意図と完全に一致するコンテンツを提供し、満足度を最大化する

これらの施策を組み合わせることで、AIが支配する検索環境下でも「人に選ばれるコンテンツ」を実現できます。AIOによってSEOの目的は“順位獲得”から“クリックされるための設計”へと移行しました。これからのSEO担当者に求められるのは、変化する検索体験に合わせて柔軟に戦略を再構築し、AIと共存しながらクリック率を取り戻す設計力です。

タイトルとURLをコピーしました