戦略企画設計書は、オウンドメディア運用の羅針盤です。
しかし現実には、ビジネスマンは日々のマルチタスクに追われ、いざメディア業務に取り掛かろうとすると「そもそもの方針は何だったっけ?」と立ち止まってしまう場面が少なくありません。そのまま曖昧な状態で進めると、場当たり的な運用になり、中長期的には成果を出せずに命取りとなる可能性があります。
私自身、これまで50以上のオウンドメディアを運用してきましたが、戦略や企画設計書を持たず場当たり的に進めたサイトはことごとく伸び悩みました。一方で、設計書を基盤に据えたサイトは安定的に成果を積み上げられています。
そこで本記事では、こちらのオウンドメディアの企画書テンプレートをもとに、オウンドメディアにおける戦略企画設計書の重要性を解説しつつ、実際にどのように作成していけばよいのかを具体的にご紹介します。
※一点ご了承いただきたいのがこちらはあくまで最低限の内容で、サイトの状況や目標次第でカスタマイズして活用する必要がある点ご了承ください。
- 企画設計書を事前に作成する重要性
- 押さえるべき必須項目と構成例
- 実践的な作成手順と注意点
- 成果につなげるためのポイント
オウンドメディアの企画設計書を事前に作成する重要性
オウンドメディアの企画設計書は、施策を計画的かつ効率的に進め、成果を出すための土台です。方針を明確にすることで日々の運用がブレず、上司や関係者を説得する際の根拠にもなります。
設計書を用意せず場当たり的に進めると成果が出にくくなるため、事前の作成が欠かせません。
- 戦略の軸を明確にできる
- 関係者間の共通理解を作れる
- 成果測定と改善がしやすくなる
- 無駄なコストや手戻りを防げる
重要性①|戦略の軸を明確にできる
企画設計書を作る最大の意味のひとつは、戦略の軸を明確にできることです。オウンドメディアは記事制作や被リンク獲得、リライト、内部リンク調整、UI/UX改善などやることが多岐にわたります。
だからこそ、日々の業務に追われると目の前の作業に引っ張られ、気づけば目的から外れた施策に時間を割ってしまうことも少なくありません。
戦略の軸を企画設計書として明文化しておけば、「誰に・何を・どんな成果をどうやって届けるのか」を常に振り返ることができます。その結果、場当たり的な運用を避け、ブレない意思決定と効率的な施策展開が可能になります。
重要性②|関係者間の共通理解を作れる
オウンドメディアも立派なビジネス施策の一つであり、部署や立場の違う人たちの利害が絡み合って進みます。しかも成果が出るまでに時間がかかるため、上司や経営層から「CVも出てないのに、なんのためにやってるんだ?」と突っ込まれるのはよくある話です。最悪の場合「もうやめろ」と言われかねません。
そこで役に立つのが企画設計書です。事前に目的や方針を整理し、関係者へ説明しておけば共通認識が生まれます。そうしておけば、短期的な成果が見えなくても社内の理解を得やすく、腰を据えて運用を続けられるのです。
だからこそ、企画設計書は最初に必ず作っておくべきものです。
重要性③|成果測定と改善がしやすくなる
企画設計書を残しておくと、うまく成果が出ていないときに「どこがズレているのか」を振り返りやすくなります。初期に立てた戦略や方針が明文化されていれば、当時の前提と現在の状況を比較でき、過去と現在の差分がはっきり見えるからです。
特にKPI(記事数・UU数・LP到達率など)やKGI(リード獲得数・売上など)を設計段階で設定しておくと、単なる感覚ではなく数値で進捗を評価できます。たとえば「記事数は計画通り増えているが、CVが伸びていない」とわかれば、戦略そのもの(ターゲットやCTA設計)を見直すべきか、施策レベル(導線や記事改善)を修正すべきかが解像度高く判断できるようになります。
つまり企画設計書は、KPIやKGIを軸に測定と改善のPDCAを回す基準として機能するのです。
重要性④|無駄なコストや手戻りを防げる
企画設計書がない状態で進行すると、途中で方向転換が必要になった際に膨大な修正が発生します。これは制作費や工数を圧迫し、納期遅延の原因となります。
事前に全体像と優先順位を明確化すれば、不要な工程を削減でき、外部委託時の見積もり精度も向上します。特に限られた予算で運用する場合、初期段階での詳細な設計はコスト管理の要となります。
また、手戻りを防ぐことは関係者の負担軽減にもつながり、結果的に施策の質を保ちやすくなります。効率的な進行を目指すなら、想定外の変更を最小限に抑える企画設計が欠かせません。
オウンドメディアの企画設計書で押さえるべき項目
企画設計書は、ただ戦略を書き出すだけでなく、必要な情報を網羅的に整理することが重要です。項目が不足すると、運営開始後に追加調査や方針変更が発生し、手戻りが増えます。逆に、必要な項目を最初に揃えておけば、実行フェーズのスピードと精度が高まります。主に以下の内容を押さえるべきです。
- 与件整理(事業背景・課題・リソース条件の明確化)
- ターゲット設定・カスタマージャーニー(誰に・どんなタイミングで価値を届けるか)
- 競合調査・分析(差別化ポイントの把握)
- 目標設定とシミュレーション(KGI/KPIの数値化と達成シナリオ)
- コンテンツ戦略(テーマ設計・トピッククラスター・記事構成)
- 導線設計(記事→LP→CVの動線、CTA配置方針)
- ロードマップ(施策のスケジュール・フェーズ設計)
- 運用体制・役割分担(社内外のリソース・ワークフロー)
- リスク管理(想定課題と対応策)
また、ここで話す内容についてはテンプレートをダウンロードした上でお読みいただけると、理解がよりスムーズになるかと思います。ぜひこちらからダウンロードください。
項目①|与件整理(事業背景・課題・リソース条件の明確化)
与件整理は、オウンドメディアを立ち上げる際に最初に取り組むべき重要なフェーズです。
事業としてなぜオウンドメディアが必要なのかという背景を整理し、自社のドメインやSEOの現状課題を可視化し、さらにリソースや予算などの制約条件を明記することで、戦略の前提を社内全体で共有できます。
これを曖昧にしたまま走り出すと「なぜこの施策をやるのか」が揺らぎ、計画倒れや社内からの批判につながりやすくなります。
背景|オウンドメディアを開始する理由

まず押さえるべきは「なぜオウンドメディアを始めるのか」です。広告依存からの脱却、自社流入チャネルの拡大、ブランディング強化、営業や採用効率の改善など、背景は事業目的と直結しているはずです。
ここを曖昧にすると、施策の評価基準がブレて「結局なぜやっているのか」が問われた時に答えられません。背景を設計書に明示しておくことで、関係者の理解と納得を得やすくなります。
課題|SEO的観点で解決すべき観点

次に重要なのは、自社のSEO的な課題を具体的に整理することです。
たとえば、「ドメインパワーが競合より弱い」「被リンク数が圧倒的に不足している」「主要KWで10位以内に入れていない」「既存ページのUXが古く滞在率が低い」などです。
これを明確にしておくことで「課題を解決するための施策」と「今すぐやる必要がない施策」を切り分けられます。課題の棚卸しは企画設計書の中核になります。
あるべき姿

オウンドメディアの企画設計における「あるべき姿」とは、定性的な整理にとどまらず、成果に直結する状態を明確に描いておくことです。
具体的には、以下のようなイメージです。
- オーガニック検索から月10件以上の商談リードが安定的に発生している
- サービスページが継続的にCVを生み出している、主要キーワードで競合と遜色ない順位を維持できている
単に「アクセスが増えた」ではなく、リード数やCVRといったKPIが改善され、事業にインパクトを与えるレベルまで到達している状態を指します。
こうした成果を想定した「あるべき姿」を企画設計書に明記しておくことで、施策の方向性が常に成果起点で判断できるようになります。
解決策

この「あるべき姿」を実現するためには、企画設計書に背景・課題・制約条件を定量的に整理しておくことが欠かせません。
たとえば「被リンク数:自社120/競合500」「主要KW:10位圏内の獲得率20%」といった具体的な数値を明文化することで、戦略立案時に現実的な打ち手を検討できます。
また、実際の運用フェーズで成果が伸び悩んだ際にも「当初の仮説と現状の差分」を検証しやすくなり、改善の解像度が高まります。与件整理や制約条件の記述は単なる準備ではなく、中長期で成果を出すための“土台”であり、改善サイクルを回すためのリファレンスとして機能します。
制約条件|リソース・予算・スケジュール

施策を実行する上で必ず立ちはだかるのが制約条件です。たとえば、専任担当者の工数が週10時間しか取れない、外注予算が月30万円に限られている、6か月以内に一定の成果を示す必要がある——こうした条件を事前に定義しておくことで、現実的に実行可能な計画を描けます。
一方で、制約条件を無視すると、後から「人が足りない」「予算が足りない」といった理由で施策が止まり、成果が出ないまま終わるリスクが高まります。また、大手企業や古いサイトを持つ企業では、部署ごとに運用が分断されており、コンテンツやUI改善など手を入れられない領域が存在するケースも少なくありません。
こうしたリスクや制約は一定の経験がないと見落とされがちですが、初めて取り組む場合であっても、可能な限り懸念される事項を事前に洗い出しておくことが重要です。
項目③|ターゲット・カスタマージャーニー

ターゲット設定は、オウンドメディア施策の成否を左右します。誰に向けて情報を発信するのかが曖昧だと、コンテンツの切り口や訴求方法が統一されず、成果につながりにくくなります。可能であればペルソナまでしっかり洗い出すようにしましょう。
まずは年齢、性別、職業、関心分野などの基本属性を明確にし、次に情報収集から購買までの行動プロセスを「カスタマージャーニー」として可視化します。これにより、各段階で必要なコンテンツやCTAの設計が容易になります。特にBtoB領域では、意思決定までの期間が長いため、検討フェーズごとに異なる情報ニーズを満たす設計が必要です。
また、複数のペルソナが存在する場合は、それぞれに合わせたジャーニーを描くことが望ましいです。ターゲット像と行動フローが明確になれば、コンテンツのテーマ選定や配信順序にも一貫性が生まれます。結果として、コンバージョン率やリードの質向上につながります。設計後は定期的に市場や顧客行動の変化を反映させる更新も欠かせません。
>>【SEO】オウンドメディア戦略の肝”カスタマージャーニー設計”の方法を解説。
項目④|ロードマップ

ロードマップは、施策をいつ、どの順序で実行するかを示す工程表です。これを作らずに進めると、重要度の低い施策に時間やリソースを費やしてしまい、成果が出るまでの期間が延びるリスクがあります。
ロードマップは施策の順序と優先度を明確にするために必要です。例えば「フェーズ① サービスページ整備 → フェーズ② 被リンク施策 → フェーズ③ コンテンツ拡張 → フェーズ④ CVR改善」といった形で段階的に進めると、着実に成果に近づけます。
各フェーズにKPIを紐づければ、進捗管理が容易になり、チーム全体で共通のゴールを意識できます。企画設計書にロードマップを落とし込むことで、社内説明にも説得力が増し、運用の一体感が生まれます。
項目⑤|目標・シミュレーション

目標設定とシミュレーションは、施策の方向性と成果予測を明確化するプロセスです。目標はKGI(最終成果指標)とKPI(中間成果指標)に分け、数値と期限を伴って設定します。
これにより、進捗管理が容易になり、達成度を客観的に評価できます。シミュレーションでは、想定流入数、コンバージョン率、単価などを基に売上やリード数を予測します。この予測値は予算策定やリソース配分の基礎データとして活用可能です。さらに、複数パターンを想定しておくことで、市場変動や競合動向に応じた柔軟な戦略転換ができます。
また、可能であれば獲得単価(CPA)や投資回収期間(ROI)の見込みも計算しておくことが望ましいです。数値に基づく計画は、関係者への説得力を高め、意思決定を後押しします。実行段階では、予測値と実績値を定期的に比較し、乖離があれば即座に施策修正を行うことが重要です。
項目⑥|競合調査・分析
| 獲得キーワード観点 | 被リンク観点 |
|---|---|
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競合調査・分析は、自社の立ち位置を把握し、差別化戦略を立てるための基礎作業です。調査の範囲は、被リンク状況、獲得キーワード、ポジショニングマップなど多岐にわたります。
被リンク分析では、競合がどのようなサイトからリンクを得ているかを調べ、質・量の両面から比較します。獲得キーワード分析では、検索上位を占めるテーマや流入経路を特定し、自社の不足領域や攻めどころを見極めます。ポジショニングマップは、自社と競合を縦軸・横軸の指標で可視化し、市場内での位置づけを直感的に把握できます。
これらの情報を統合すれば、勝てる領域に集中投資する戦略が立てられます。また、競合の弱点や未開拓のテーマを特定することは、効率的なコンテンツ企画にも直結します。調査は一度きりではなく、定期的な更新が不可欠です。市場環境の変化を捉えた継続的な分析が、オウンドメディアの競争力を高めます。
オウンドメディアの企画設計書を作成する手順

オウンドメディアの企画設計書は、順序立てて作成することで精度が高まり、実行段階での迷いが減ります。手順を飛ばすと、戦略の一貫性が失われたり、改善施策が場当たり的になりやすくなります。以下の6ステップを押さえることで、効率的かつ成果につながる設計書を作ることが可能です。
- ユーザー・競合調査
- 課題(As Is)とあるべき姿(To Be)を明確にする
- ターゲットを明確にする
- 優先度に合わせてロードマップを構築する
- シミュレーションに基づきKGIとKPIを明確にする
- 予算感を割り出す
STEP①|ユーザー・競合調査
戦略が机上の空論に終わらないためには、競合調査とユーザーが必要です。そのためには、最低でも競合の以下の点をしっかり洗い出すようにしましょう。
- 被リンク数や質
- 検索上位のキーワード
- 内部状況
- UI/UX
その上で、競合と自社のギャップを洗い出す必要性があります。その上で、自社が持っている強み等を言語化するようにしましょう。
この調査を通じて、設定した目標が現実的かどうかの検証も可能です。調査結果は戦略の根拠となるため、企画設計書に数値や具体的な比較データを盛り込みましょう。
STEP②|課題(As Is)とあるべき姿(To Be)を明確にする
競合調査が完了したら、次に行うべきは自社ドメインの現状把握です。検索順位を獲得するために、自社サイトがSEOの観点でどのような状態にあるのかを正確に明確化する必要があります。
そのうえで、理想状態である「To Be」を数値と期間を伴って設定します。例えば「6か月以内に月間10,000UUを達成する」「問い合わせ件数を現状の2倍にする」といった具体的なゴールです。
現状(As Is)と理想(To Be)の差分を把握すれば、必要な施策の種類や優先順位が明確になります。目標が曖昧なままでは施策がブレやすく、改善活動も後手に回ります。初期段階でのAs Is/To Be整理は、戦略の骨格を固めるために不可欠なプロセスです。
STEP③|ターゲットを明確にする
誰に向けて情報を届けるのかを明確にしなければ、キーワード選定や導線設計も定まりません。ターゲットは年齢層、職業、興味関心、情報収集の行動パターンなどを具体的に設定する必要があります。可能であれば、既存顧客や見込み顧客へのインタビューを実施し、実態に基づいた情報を収集しましょう。
さらに、そのターゲットが認知から購買に至るまでの流れをカスタマージャーニーとして可視化します。これにより、各段階で必要なコンテンツやCTAが明確になり、読者の心理に沿った施策展開が可能になります。ただし、自身の想像だけで作成するのでは不十分です。必ずユーザーインタビューや調査を通じて、リアリティのあるジャーニーを設計することが求められます。
また、複数のターゲット層が存在する場合は、優先順位をつけてメインのペルソナから設計を始めるのが望ましいです。的確なターゲット設定は、成果の最大化に直結します。
STEP④|優先度に合わせてロードマップを構築する
実行施策を整理したら、優先順位をつけて実行順序を決定します。影響度と実行可能性の2軸で評価すると、短期的な成果と長期的な成長のバランスが取りやすくなります。
ロードマップには施策の実行時期、担当者、期限を明記し、進行状況を共有できる状態にします。また、外部環境の変化に対応できるよう、一定の調整余地を残すことも重要です。
計画を見える化することで、関係者の共通理解と進行管理がスムーズになります。
STEP⑤|シミュレーションに基づきKGIとKPIを明確にする
施策の方向性を数値で裏付けるために、シミュレーションを行います。想定流入数、コンバージョン率、単価などのデータを組み合わせ、売上やリード獲得数を予測します。
この予測値をもとにKGIとKPIを設定し、進捗管理の基準とします。複数パターンを想定すれば、外部要因による変化にも柔軟に対応できます。予測と実績の差を継続的に分析し、施策を微調整する仕組みを持つことが成果向上につながります。
STEP⑥|予算感を割り出す
最後に、施策ごとの費用を見積もり、年間または四半期単位での予算を策定します。広告費、人件費、制作費、ツール利用料などを細分化し、固定費と変動費を明確にします。
予算は上限だけでなく、最低限必要な投資額も設定すると、施策中断のリスクを減らせます。また、費用対効果(ROI)や回収期間を事前に試算することで、経営層や関係者への説明が容易になります。
予算策定は単なる数字合わせではなく、戦略の実行可能性を担保する重要な工程です。
オウンドメディアの企画設計書を作成する際のポイント
設計書は、項目を埋めるだけでは成果につながりません。競合との差別化や実現性を担保し、事業ゴールへ直結させるためには、作成時の着眼点が重要です。以下の4つのポイントを押さえることで、戦略の質と実行力が格段に向上します。
- 競合調査は徹底的にやり込む
- 事業上の課題を解決する企画にする
- KGIやKPIを明確にして計測体制も構築する
- コンテンツ制作が実現できる企画戦略を構築する
ポイント①|競合調査は徹底的にやり込む
競合調査は、市場での立ち位置を把握し、勝てる戦略を見極めるための出発点です。ポイントは、ビジネス上の競合だけでなく、特定キーワードで上位表示している検索結果上の競合(SERP競合)をしっかり洗い出すことです。
単に順位だけを見るのではなく、コンテンツの構成、検索意図との一致度、情報の網羅性を比較することで差分が明確になります。
被リンクについても、数ではなく「質」に注目します。参照ドメインの業界関連性、アンカーテキストの分布、リンクの設置箇所や獲得方法などを分析することで、競合がどのように評価を高めているかが見えてきます。また、自社に不足しているテーマや未開拓の領域を発見できれば、効率的に差別化が可能です。
調査結果は必ず数値や事例として設計書に盛り込み、戦略の根拠とします。As Is/To Beを定量的に整理することで、施策の優先順位も明確になります。なお、競合環境は常に変化するため、調査は初期段階で終わらせず、四半期単位での更新を推奨します。
ポイント②|事業上の課題を解決する企画にする
オウンドメディアは単なる集客チャネルではなく、事業課題の解決策であるべきです。売上低迷、商談獲得数不足、ブランド認知の遅れなど、企業が直面する課題を起点に企画を構築します
課題と施策が直結していないと、成果が出ても事業インパクトは限定的です。与件整理で抽出した課題を再確認し、優先度の高い問題から順に解決できる戦略を設計しましょう。
実行可能性を高めるため、施策には必要なリソースや予算も同時に記載します。事業ゴールと直結する企画こそが、経営層からの理解と投資を得やすくなります。
ポイント③|KGIやKPIを明確にして計測体制も構築する
成果を定量的に評価するには、KGIとKPIを初期段階で定義し、その算出ロジックを明確にしておくことが欠かせません。例えば「CV数=セッション数×CVR」と置けば、目標CV数が決まっている時点で必要なセッション数を逆算できます。さらに、そのセッション数を獲得するために必要な記事数も導けます。
具体的には、検索ボリュームを起点にインプレッションを算出し、想定CTRを掛け合わせてセッション数を見積もります。そのうえで1記事あたりの獲得可能キーワード数やGoogle以外の流入割合を加味し、現実的な流入量を計算します。記事公開後の流入は時間経過で徐々に増えるため、過去施策のデータをもとに係数を設定し、月次のセッション増加をシミュレーションします。
こうした数値モデルを設計書に明記しておくと、施策が感覚頼りになるのを防ぎ、改善の精度を高められます。レポート体制やダッシュボードとあわせて運用すれば、関係者全員が根拠ある数字を基に意思決定できるようになります。
ポイント④|コンテンツ制作が実現できる企画戦略を構築する
どれほど魅力的な戦略でも、実際にコンテンツを制作・運用できなければ意味がありません。制作体制、スケジュール、予算、外部パートナー活用の可否など、現実的な運営リソースを前提に企画を組み立てます。
理想だけを追求すると、途中で更新頻度が落ち、成果が停滞する危険があります。実行可能性を高めるためには、内部・外部の役割分担を明確にし、優先度の高いコンテンツから着手することが重要です。
継続性のある制作フローが確立されれば、戦略の持続力が向上します。
まとめ
オウンドメディアの企画設計書は、単なる事前資料ではなく、戦略の方向性・実行性・成果最大化を支える中核的なツールです。戦略の軸を明確にし、関係者間の共通認識を作り、成果測定と改善の仕組みを組み込み、無駄なコストや手戻りを防ぐためには欠かせません。
特に、与件整理やターゲット・カスタマージャーニーの明確化、ロードマップ構築、目標とシミュレーション、競合調査・分析といった項目を網羅することが、戦略の精度を高めます。さらに、手順を守って作成し、競合調査の徹底、事業課題解決との紐づけ、計測体制の構築、実現可能なコンテンツ戦略の策定という4つのポイントを押さえることで、成果につながる運営基盤が整います。
企画設計書は作って終わりではなく、運用状況や市場環境の変化に応じて定期的に見直し、改善することが重要です。もし自社内での作成に不安がある場合は、第三者視点でのレビューやプロによる設計サポートを活用するのも効果的です。
貴社の現状と目標に即したオウンドメディアの企画設計について、詳細なフォーマットや作成支援をご希望であれば、お気軽にご相談ください。


