検索エンジンにはYahoo!!やGoogle、Beingなど様々な種類があります。検索エンジンの歴史は、一言でディレクトリ型のYahoo!から始まり、ロボット型のGoogleが覇権を握り現在に至るシンプルな流れです。
これらの流れを知ることはSEOマーケターにとって、必ず押さえておかなければならないことです。
そこで、この記事では現在の検索エンジンやSEOがどのような変遷を辿って今に至るのかについて解説していきます。また、検索エンジンとは何かについては別の記事も参照ください。
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検索エンジンの歴史の全体観
検索エンジンが誕生した1987年以降、様々な検索エンジンが開発されました。この検索エンジンの歴史を大きく分けて以下の4つに分類されできると著者は考えています。それは下記の通りです。
検索エンジンは当初、一部の専門家が使うツールとして誕生しました。しかし、1990年代にディレクトリ型Yahoo!が検索エンジン市場を席捲する事になります。その後、ロボット型検索エンジンが次第に主流になっていきます。
こうした中で、精度の高い検索アルゴリズムを持つGoogleをはじめとしたロボット型検索エンジンが勝ち残る時代へと移行していきます。結果、検索精度の高いGoogleのアルゴリズムが市場を席捲して現在に至ります。では上記についてより詳細に解説していきます。
検索エンジンの歴史の流れ
検索エンジンの歴史は大きく分けて4つに分けることができると述べてきました。
これらの時代の流れについて下記では詳細に解説して行きます。
時代①|検索エンジンのない時代〜誕生まで(1990年):Achie
世界で最初の検索エンジンはArchie (アーチー) と言われています。1987年にコンピューターサイエンス学部をインターネットに接続する目的で、マギル大学の大学院生によって作成されました。
当初は、大学内のローカルツールとして使われていましたが、徐々に機能が追加されインターネット全体にアクセスすることができるインターネットツールへと進化しました。
Archieは、1990 年代初頭を通じてモントリオールのインターネットトラフィックのほぼ 50 パーセントを占めていました。しかし、あくまで一部の専門家や研究者が使うニッチなもので商業レベルに達する事はありませんでした。
時代②|ディレクトリ型検索の時代(1994年):Yahoo!
一部の専門家が使う検索エンジンというツールを、一般の人によって使われるようになり始めたのが1994年頃の事です。そして、ディレクトリ型という仕組みを採用したYahoo!がGoogleの登場に至るまで覇権を握るようになります。
ディレクトリ型検索エンジンとは?
ディレクトリー型検索エンジンとは、運営側が「人の目」でサイトを閲覧してインデックス・カテゴリー分類をする形式の検索エンジンです。
Webサイトを、ジャンルに応じてカテゴリに分類・収録している点が特徴です。また、当時は検索アルゴリズムもなく、品質維持のために一定の基準を設けて人間の目による審査が行われていました。人間膨大な量のサイトをシコシコカテゴリー訳をしていたのです。
Yahoo!が主流の時代
ディレクトリ検索エンジンの先駆がYahoo!です。1994年にスタンフォード大学の学生ジェリー・ヤンとデビッド・ファイロによって開発されました。
Yahoo!は検索エンジンとして、初めて一般的に利用されるきっかけとなりました。その後、Yahoo!は、ユーザー数を増やし続けポータルサイト化を始め、ニュース配信、ネットオークションなどのサービスを提供開始しました。そのため、Yahoo!のUI/UXは非常に複雑なものになっています。
また、ディレクトリー型検索エンジンが日本に上陸したのはYahoo! JAPANで1996年の出来事でした。ですので、アメリカでもそうですがこの時期は日本でもYahoo!が独走状態でした。
時代③|ロボット型検索エンジンの誕生(1998年):Google
ディレクトリ型検索エンジンが2000年頃まで主流でしたが、1998年にGoogleが登場してからロボット型検索エンジンが主流となり始めます。その理由として、1990年代後半からインターネットの利用者が爆発的に増えるようになったからです。
これにより、ディレクトリ型のように人力でネット上にある情報をさばく事が不可能になったからです。そしてこの時期にはYahoo!の陳腐化が進みユーザーが次第に離れていきました。
ロボット型検索エンジンとは?
Googleはロボット型検索エンジンに分類されます。ロボット型検索エンジンは、インターネットにあるサイトをロボットがデータ収集(クロール)しています。そして、ユーザーの検索したキーワードに対して適切なデータを検索結果に表示する仕組みになっています。]
また、SEO業界では、こうしたロボットがクロールして評価をして回るのがロボット型検索エンジンの特徴です。この評価をつかさどる仕組みの事をアルゴリズムと呼称します。
Googleが主流の時代
ディレクトリー型検索エンジンYahoo!が隆盛を誇っていた1997年。我々に馴染みの深いGoogle(当初は”BackRub”という名前だった)が生まれました。
ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって開発されました。Yahoo!!がポータルサイト化が進んだのに対して圧倒的にシンプルなUI/UXが特徴です。
このシンプルである理由にあるのが、あくまでGoogleは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにする」事が理念だからです。そのため、Yahoo!のように複雑なUIにする必要がなかったのです。
時代④|Google一強の時代へ(2001年~現在)
ローンチされて以降、Googleのユーザー数は増え続け大躍進を遂げていました。こうした中で米Yahoo!の検索エンジンのアルゴリズムにGoogleが2000年に採用せざるをえなくなります。
この動きに対して、Googleの躍進に危機感を募らせた米Yahoo!は、2004年にロボット型検索エンジンを独自技術Yahoo! Search Technology (YST)を開発して再度独自のアルゴリズムに切り替えます。
しかし、Googleの検索エンジンの精度の高さには勝つことができず2009年に検索エンジンの開発から撤退しました。そして、2010年になってYahooはGoogleの検索アルゴリズムを導入しました。そして、表面はYahoo!でも中身はGoogleが動かしているという現在の形に落ち着きました。
上記のグラフのように2009年以降ずっとGoogleが首位を守り抜いています。
Googleが勝ち残った理由
Googleが結果的に検索エンジン業界で派遣を握った理由として下記の3点が想定されます。
それぞれ詳細に解説してきます。
理由①|革新的なアルゴリズム
Googleが登場した当初、インターネット上の情報を検索する手段は限られており、その精度も必ずしも高くありませんでした。GoogleはPageRankアルゴリズムを導入しました。
これは、Webページの重要性を判断するために、ページ間のリンク構造を分析するものです。この革新的な技術により、Googleはより関連性が高く、信頼性のある検索結果を提供することができ、他の検索エンジンと差別化されました。
理由②|ユーザー体験への焦点
Googleは、シンプルで直感的なインターフェースと、速いページ読み込み速度に重点を置くことで、ユーザー体験を最優先しました。
他の検索エンジンが広告や余計な機能で画面を clutteredしていた時代に、Googleのミニマリストなデザインは多くのユーザーに好まれました。結果として、Googleを使うことが習慣になり、多くの人々にとっての標準的な検索ツールへと成長しました。
理由③|継続的な改善と拡張
Googleは検索エンジンとしての地位を確立した後も、検索アルゴリズムの定期的な更新と改善を続けています。
これにより、検索結果の質を維持し、最新のウェブトレンドやユーザーの振る舞いの変化に適応しています。さらに、
- Googleマップ
- Googleニュース
- Google画像検索
などの関連サービスの導入によって、ユーザーが求める情報をさらに幅広く提供し、Googleのエコシステム内での滞在時間を延ばしました。
まとめ
この記事では、検索エンジンの歴史について解説してきました。大きく分けて以下のような流れで検索エンジンが変化して、現在のGoogle一強となっています。
- 検索エンジンの誕生:1987年
- ディレクトリ型検索エンジンの時代:1994年~1998年
- ロボット型検索エンジンの時代:1998年~2001年
- Google一強の時代:2001年~現在
結果、Googleが一強となった背景には、やはり検索精度の高さが群を抜いていた事にあるでしょう。それゆえに、SEO対策をする際には当面はGoogleを念頭に置く事が重要でしょう。