LP(ランディングページ)制作の費用相場｜内訳や依頼先別に解説。

LP（ランディングページ）制作の費用相場は、依頼先や制作内容によって10万円台から200万円超まで大きく変動します。なお、弊社が実際にお引き受けする案件では、30万円〜50万円程度のご依頼が最も多くなっております。

そのため、相場を正確に把握していないと、成果に見合わない過剰な出費や、品質不足による機会損失を招くおそれがあります。特に中小企業やスタートアップでは、適切なコスト配分が成果に直結するため、各工程の費用構造やコストを左右する要素の理解が欠かせません。

本記事では、LP制作にかかる費用の全体像を依頼先・工程別に整理した上で、費用を抑えるための方法や注意点についても解説します。

【依頼先別】LP（ランディングページ）制作の費用相場

LP制作にかかる費用は、依頼先によって大きく異なります。主な依頼先としては、大手制作会社・中堅制作会社・フリーランスが挙げられます。それぞれに特徴があり、費用もサービス内容も異なります。

まずは以下の表で、依頼先ごとの費用相場の目安を比較してみましょう。

依頼先	費用相場	特徴
大手制作会社	500,000〜2,000,000円	実績・品質が高く、ブランディングや戦略設計も対応
中堅制作会社	300,000〜800,000円	柔軟な対応が可能で、コストパフォーマンスに優れる
フリーランス	100,000〜500,000円	費用は安いが品質や対応力に個人差がある

依頼先①｜大手制作会社

大手制作会社にLP制作を依頼する場合、費用は500,000円〜2,000,000円が一般的です。

品質や戦略性を重視したLPが必要な場合、大手の制作会社は最も安心できる選択肢です。ブランド戦略の設計や、SEO・広告施策と連動した構成提案まで対応してくれることが多く、全体設計から実装・運用までワンストップで任せられます。

ただし、高額な費用がかかるうえ、納期も長くなる傾向があります。また、担当者とのやり取りに階層が発生し、意思疎通のスピードがやや遅くなるケースもあります。

そのため、以下のようなケースで大手制作会社は適しています。

コストとスピードよりも、「成果が出るクリエイティブ品質」を求める場合に有効な選択肢です。

依頼先②｜中堅制作会社

中堅制作会社にLP制作を依頼する場合の費用は、300,000円〜800,000円が相場です。

この価格帯では、ある程度のクオリティを確保しつつ、柔軟な対応やスピード感を期待できます。大手ほどの体制ではないものの、LP制作の実績が豊富な企業が多く、ヒアリングやディレクション、デザインなども一貫して対応できる体制を整えているのが一般的です。

特に以下のようなケースに向いています。

大手と比べると、戦略設計やブランド構築の支援にやや弱い場合がありますが、要件が明確であれば問題にはなりません。むしろ、マーケティング担当者がいる企業にとっては、無駄のない制作体制が魅力となります。

コストを抑えながら、一定以上の品質を担保したいときに、最もバランスが良い選択肢と言えます。

依頼先③｜個人・フリーランス

フリーランスに依頼する場合、費用相場は100,000円〜500,000円です。

費用を抑えたい場合に最も選ばれやすいのが、個人またはフリーランスの制作者です。制作会社に比べて人件費や運営コストが少ないため、同等のクオリティでも費用が安く抑えられる可能性があります。

一方で、スキルや対応力には大きな差があります。ヒアリング力やマーケティング視点、進行管理の能力などは個々に異なるため、実績やポートフォリオを十分に確認することが重要です。

特に適しているケースは以下のとおりです。

ただし、複数人の確認が必要な企業案件や、構成から提案してほしいケースでは力不足になることもあります。その場合はディレクション業務を別で発注するか、複数人チームを組んでいるフリーランスに依頼することが推奨されます。

LP（ランディングページ）制作の費用内訳

LP制作にかかる費用は、単なる「制作費」ではなく、複数の工程や役割に分かれています。それぞれの工程に対して明確に費用が発生するため、内訳を理解しておくことで無駄な出費を抑えたり、見積もりの妥当性を判断することができます。

費目	費用相場	備考
企画・構成（ワイヤーフレーム）	30,000〜100,000円	コンセプト設計やページ構成の策定
ディレクション費	30,000〜150,000円	制作全体の進行・品質管理
ライティング費	20,000〜100,000円	セールスコピーや構成に基づく原稿作成
デザイン費	50,000〜200,000円	ビジュアル制作・トーン設計
画像・素材制作費	10,000〜100,000円	イラスト・写真撮影・バナー制作など
フォーム実装費	10,000〜50,000円	問い合わせ・資料請求・CVフォーム等の設置
コーディング費	30,000〜150,000円	HTML/CSS/JSなどのマークアップ対応
修正対応費	10,000〜50,000円	デザイン・原稿・機能の修正対応
サーバー・ドメイン費	5,000〜30,000円／年	保守費を除く、初期取得・年間管理費用
CMS連携・運用設計費	30,000〜150,000円	WordPress等との連携、運用マニュアル作成など

これらの費目を把握しておくことで、見積書の内容に対する理解が深まり、コスト削減や発注判断がしやすくなります。

費目①｜企画・ワイヤーフレーム（構成）費

LP制作において最初に発生するのが、企画・構成費です。相場は30,000〜100,000円程度です。

この工程では、LPの目的やターゲットを定義し、訴求軸やコンテンツ配置を整理します。ワイヤーフレームと呼ばれる構成図を作成し、それに基づいて後続のデザインやライティングが進みます。いわば「設計図」にあたる重要な工程です。

ワイヤーフレーム（構成）作成費が高くなる主な要因は以下のとおりです。

逆に、明確な要件がクライアント側ですでに決まっているケースでは、コストを抑えやすくなります。

構成を軽視してしまうと、デザインや文章が目的とズレてしまい、結果的にコンバージョン率が下がる恐れがあります。安く抑えたい場合でも、戦略的な構成設計は省略しないよう注意が必要です。

費目②｜ディレクション費

ディレクション費の相場は30,000〜150,000円です。これはLP制作の進行管理や品質管理を担う「ディレクター」の工数に対する報酬です。

ディレクターは、各専門職（ライター、デザイナー、コーダーなど）との橋渡し役として、プロジェクト全体の完成度を高めるために重要な役割を果たします。主な業務は以下の通りです。

特にチーム体制で進める制作会社においては、この役割が不可欠です。ディレクターが不在、あるいは不十分な場合、制作物のクオリティがブレたり納期が遅れたりするリスクが高まります。

ただし、フリーランスや小規模な依頼の場合には、制作者本人がディレクションを兼任するケースもあります。この場合、明確にディレクション費が見積に現れないこともありますが、実際は料金に含まれているケースがほとんどです。品質と納期を担保するためにも、適切なディレクション費の投下は欠かせません。

費目④｜デザイン費

デザイン費の相場は50,000〜200,000円です。LPのデザインは、視認性や訴求力に直結する重要な要素であり、単に「見た目の美しさ」だけでなく「成果を生む導線設計」を含んでいます。

費用が上下する要因としては、以下の点が挙げられます。

特に、ブランドのトンマナを重視する企業や、複数の訴求ポイントを組み込むLPの場合、デザインへの要求水準が高くなるため、費用も上がる傾向があります。

一方で、テンプレートベースで構成が決まっている場合や、要素数が少ないLPでは、10万円以下に抑えることも可能です。

費目⑤｜画像・素材制作費

画像・素材制作費の相場は10,000〜100,000円です。これは写真撮影、イラスト制作、アイコン設計、バナー画像など、ビジュアル要素を個別に作成する際に発生する費用です。

画像やイラストは、情報の理解を促進し、ユーザーの直感的な判断をサポートする効果があります。特に商材の魅力や操作イメージを視覚的に伝えるためには、高品質な素材が必要です。

費用が変動する主なポイントは以下の通りです。

既存のフリー素材や写真を活用する場合、コストは抑えられますが、他社とデザインが被りやすくなるリスクがあります。また、サービス紹介図やUI説明図などは、デザイナーではなく「情報設計」ができるディレクターや編集者が関与することで、より効果的な成果物になります。

費目⑥｜フォーム実装費

フォーム実装費の相場は10,000〜50,000円です。LPでコンバージョンを獲得するには、フォームの設置が欠かせません。資料請求・お問い合わせ・予約・申込など、LPの目的に応じたアクションを促す最後の接点がフォームです。

実装費用は以下の要素で上下します。

フォームは、CVに最も直結する要素です。費用の大小にかかわらず、機能性とユーザー目線の両立を意識した設計が求められます。

費目⑦｜コーディング費

コーディング費の相場は30,000〜150,000円です。コーディングとは、完成したデザインをWeb上で正しく表示させるためのHTML・CSS・JavaScriptなどの実装作業を指します。

この工程は、ユーザーが実際に目にする「動くページ」を形にするために必要不可欠です。コーディングの精度が低いと、デザインの意図が崩れたり、表示崩れや読み込み速度の遅延が発生する原因となります。

費用が変動する主な要因は以下の通りです。

特にアニメーションやパララックス効果など、動的な表現を用いたLPは実装が複雑になるため、コーディング費が高くなる傾向にあります。

一方、テンプレートを流用したり、極めてシンプルなLPであれば、実装工数が減る分、費用を抑えることが可能です。ただし、CMSとの連携やSEOを考慮した構造設計が含まれる場合は、その分工数が加算されます。

費目⑧｜修正対応費

修正対応費の相場は10,000〜50,000円です。これは、制作工程の中で発生するデザインや文章、機能面の微調整や要望変更に対応するための費用です。

初期見積もりには「初回納品まで」の工程が含まれていても、追加修正や方向転換が生じる場合には別途費用がかかることがあります。特に、以下のようなケースで修正対応費が発生します。

一般的な契約では、初稿納品後に2回までの修正が基本料金に含まれることが多いです。しかし、3回目以降や大幅な改修となると、追加料金が発生することもあります。

フリーランスや小規模事業者に依頼する場合、修正回数の制限や料金体系が明確でないこともあり、事前の確認が重要です。トラブルを防ぐためにも、修正対応の条件は契約時点で合意しておくべきです。

費目⑨｜サーバー・ドメイン費

サーバー・ドメイン費の相場は年間5,000〜30,000円程度です。この費用はLPをWeb上に公開・運用するために必要なインフラコストです。

サーバーはWebページのデータを保存し、インターネット上に配信するための場所です。一方、ドメインは「example.com」のようなURL（住所）に該当します。これらは通常、レンタル契約や購入という形で導入します。

LP単体であれば、月額1,000円未満の共用サーバーでも問題なく運用可能ですが、アクセス数が多い場合やセキュリティを重視する場合は、専用サーバーやクラウド型（AWSなど）を検討することもあります。

また、ドメインは取得する文字列や種類（.jp、.com、.co.jpなど）によって価格が変わるため、事前に確認が必要です。

費目⑩｜CMS連携・運用設計費

CMS連携・運用設計費の相場は30,000〜150,000円です。この工程では、WordPressなどのコンテンツ管理システム（CMS）にLPを組み込み、更新・管理・計測などの運用しやすい状態を整えます。

一時的に使用するLPであれば静的HTMLでも問題ありませんが、継続的な改善やABテスト、コンテンツ差し替えを行う場合、CMS連携によって運用負荷を大きく削減できます。

費用が上下する主な要素は以下の通りです。

特に、計測ツール（GA4、GTMなど）やCVポイントの設定、UI上で編集できるパーツ設計などを求められる場合、専門的な知見が必要になるため、費用は高くなりがちです。

ただ、運用しやすいLPにすることは、長期的な費用対効果の最大化につながります。初期構築時に多少コストをかけても、その後の改善や保守で得られる利益を考えれば、十分に見合う投資といえるでしょう。

LP（ランディングページ）制作費用に影響を与える主な要素

LP制作の費用は、依頼先や内訳だけでなく、いくつかの要素によっても変動します。ここでは、費用に大きく影響する主な4つの要素を取り上げ、それぞれがどのように制作コストに関係するのかを解説します。

これらの要素を理解することで、自社に必要な仕様と無駄なコストの境界を明確にし、適切な発注判断が可能になります。

要素①｜構成・ページ設計の複雑さ

LPのページ構成が複雑になるほど、制作にかかるコストは上がります。特に以下のような要素がある場合、費用への影響は大きくなります。

• スクロールが長い（情報量が多い）
• 訴求ポイントが複数ある（サービスA・Bなど）
• 検証やA/Bテストを前提とした構成になっている

構成が複雑であれば、ワイヤーフレームやライティング、デザインの工数も比例して増えるため、各工程の単価が積み重なります。

ただし、複雑＝悪ではありません。BtoB向けや高単価商材では、ユーザーの意思決定に必要な情報をきちんと配置することがコンバージョンに直結します。重要なのは、構成の複雑さが「成果に必要かどうか」で判断することです。

要素②｜デザインのクオリティ・自由度

デザインの完成度や表現の自由度は、LP制作費に直結する要素の一つです。具体的には、以下のような条件によって費用が大きく変動します。

• オリジナルデザインかテンプレート利用か
• アニメーションや動きのある要素の有無
• ブランドトーンやガイドラインの厳格さ

例えば、テンプレートをベースに色や画像を差し替える程度であれば、デザイン費は5万円前後に抑えることも可能です。しかし、ブランドの世界観を重視したオリジナルデザイン、あるいはユーザーの視線誘導を細かく設計したものになると、20万円を超えることもあります。

また、アニメーションやパララックスなどの動的演出は、見た目のインパクトを高める一方で、コーディング工数やブラウザ最適化の手間が増えるため、費用が加算されます。

クオリティを高めすぎても費用対効果が悪くなる恐れがあるため、「目的達成に必要な範囲」でデザインの自由度を設定することが重要です。

要素③｜システム要件・機能の有無

LPにどのような機能を搭載するかによっても、制作費は大きく変動します。特に以下のようなシステム要件がある場合、費用に影響を与えます。

• フォームのカスタマイズ（ステップ式・リアルタイムバリデーションなど）
• 外部サービスとの連携（MAツール、CRM、予約システム等）
• 多言語対応、ログイン制限、API連携などの特殊要件

単純なLPであれば、静的なHTMLと問い合わせフォームの設置のみで完結できますが、業務フローに連動した機能を求める場合、エンジニアによる個別開発やテストが必要となり、費用も10万円以上跳ね上がるケースがあります。

また、こうした機能実装には、開発側だけでなく、運用側の知見も必要になります。設計ミスがあれば、導入後のデータ収集やCV計測に支障が出ることもあるため、要件定義を曖昧にせず、設計段階で十分にすり合わせておくことが重要です。

要素④｜納期・運用体制

納期と運用体制も、LP制作費を左右する重要な要素です。特に、以下のような条件が重なると、追加費用が発生する可能性があります。

• タイトな納期（1週間以内など）
• 夜間・休日対応が必要
• 多数の関係者による承認プロセス

通常、LP制作には2〜4週間程度が一般的なスケジュールです。これより短い納期での対応を依頼する場合、制作側はスケジュールを調整する必要があり、特急対応費やリソース確保のための加算が発生することがあります。

また、発注者側の体制によっても費用に影響があります。たとえば、クライアント企業内で承認フローが複雑だったり、修正指示が複数部署から都度発生する場合、ディレクションや修正対応の工数が増えるため、その分のコストが上乗せされることがあります。

一方で、発注側が要件や構成、素材を事前に明確に準備できていれば、無駄なやり取りを省けるため、費用も抑えやすくなります。

LP（ランディングページ）制作の費用を抑えるための方法

LP制作には多くの工程と専門的な技術が関わるため、費用がかさみやすい傾向があります。ただし、目的や条件に応じて工夫すれば、品質をある程度保ちつつ費用を抑えることも可能です。

以下に、代表的な費用削減の手法を紹介します。

いずれもコストは抑えやすいものの、品質や安定性には一定のリスクも伴うため、選択肢ごとの特徴を理解して使い分けることが重要です。

方法①｜テンプレート型制作

テンプレート型制作とは、あらかじめ用意されたデザインや構成のフォーマットをベースに、テキストや画像を差し替えて作成する方法です。相場は50,000円〜150,000円ほどで、オリジナル制作と比べて大幅にコストを抑えることができます。

この手法のメリットは以下の通りです。

一方で、テンプレートの枠内でしかカスタマイズができないため、ブランド独自性や細かい表現に制約が生じます。競合他社とデザインが類似する可能性もあり、差別化しにくい点には注意が必要です。

CVを重視するLPではテンプレートの限界もあるため、シンプルなキャンペーンや仮説検証用のLPなど、用途を絞って活用するのが効果的です。

方法②｜フリーランスに発注

フリーランスへの発注は、LP制作費を抑える代表的な手段です。費用相場は100,000〜300,000円程度で、制作会社に依頼する場合と比べて、約30〜50％程度安くなることがあります。

フリーランスに依頼する主なメリットは以下の通りです。

特に構成がシンプルなLPや、訴求軸が明確な場合には、フリーランスのスキルで十分に対応可能です。専業のLP制作者であれば、企画からデザイン、コーディングまで一貫して依頼できる場合もあります。

ただし、フリーランスの選定では、必ず「過去実績の確認」「契約条件の明示」「納期の合意」を徹底しましょう。信頼できるパートナーであれば、長期的なコスト削減にもつながります。

方法③｜ノーコードツールで自作

ノーコードツールを使って自作する方法は、外注コストをゼロにできるため、最も費用を抑えられる選択肢です。代表的なツールには『STUDIO』『ペライチ』『Wix』などがあり、月額1,000〜3,000円ほどで利用可能です。

この方法の主な利点は以下の通りです。

ノーコードツールはドラッグ＆ドロップ操作でページを構築できるため、専門的なスキルがなくてもLPを作成できます。また、公開やドメイン設定もツール内で完結するため、スピーディに運用を開始できます。

一方で、以下のようなデメリットも存在します。

デメリット	カバーする方法
デザインや構成がテンプレ依存になる	テンプレ選定の段階で訴求との親和性を重視する
表現や機能に限界がある	必要に応じてHTMLブロックや外部埋め込みを活用する
SEO対策が弱い場合がある	最低限の構造（hタグ、alt属性、ページタイトル）を確認

LPの目的が仮説検証や広告流入テストである場合、自作でも十分な効果が期待できます。工数を自社で確保できるなら、初期施策としては非常に有効な手段です。

方法④｜クラウドソーシングで分割発注

クラウドソーシングを活用して、各工程を分割して発注する方法も、LP制作費を抑える手段として有効です。プラットフォームには『Lancers』や『CrowdWorks』などがあり、構成、ライティング、デザイン、コーディングをそれぞれ別の専門家に発注できます。

この方法の利点は以下の通りです。

たとえば、構成とライティングは社内で行い、デザインとコーディングだけ外注すれば、費用は全体の約30〜50％削減できることもあります。

デメリット	カバー策
工程間の連携ミスや認識齟齬が起こりやすい	事前にディレクション用の仕様書や構成資料を明確に作成する
品質が不均一になるリスクがある	ポートフォリオや実績、評価レビューを基に発注先を厳選する
スケジュールや納品管理に手間がかかる	ガントチャート等で全体進行を可視化し、進行管理者を立てることが理想

一括依頼と比べてマネジメントコストは増えますが、予算を抑えたい企業やスタートアップにとっては、有効な選択肢になり得ます。特に過去にLP制作経験があり、必要なパーツだけを最適化したいケースに向いています。

LP（ランディングページ）制作で費用を抑える際に捨ててはならないポイント

費用を抑えてLPを制作することは可能ですが、削ってはいけないポイントを見誤ると、成果につながらないどころか、逆効果となるケースもあります。費用対効果を最大化するには、次の3点だけは確実に担保する必要があります。

これらはLPの成否を分ける中核であり、どれか一つでも欠けると、どれだけ安価に制作しても本来の目的である「コンバージョンの獲得」にはつながりません。

ポイント①｜明確な訴求（ベネフィット）の打ち出し

LPは第一印象がすべてです。伝えるべき訴求が曖昧なままデザインやテキストに落とし込むと、訪問者はすぐに離脱してしまいます。特にファーストビューで「誰に・何を・なぜ提供するのか」が明確でないLPは、いくらデザインが洗練されていても成果が出ません。

訴求を明確にするためには、以下のような準備が必要です。

費用を抑える場合でも、訴求軸の整理には必ず時間と労力をかけるべきです。むしろ予算が限られている時こそ、「何を伝えるべきか」を研ぎ澄ますことが成果への近道になります。

ポイント②｜スマホ対応（レスポンシブデザイン）

スマートフォンからのアクセスは、業界や商材によっては全体の70％以上を占めることもあります。レスポンシブデザインに対応していないLPは、ユーザーが見づらく操作性が悪いため、直帰率が高くなり、コンバージョン率が大幅に低下します。

スマホ対応を確実に行うためには、以下の点が重要です。

特に、PC用デザインをそのまま縮小しただけのLPは、スマホでの視認性や操作性が著しく低下するため、避けるべきです。レスポンシブ設計に対応することで、SEO評価にも好影響を与えることができます。

費用を抑えるためにスマホ対応を削ることは、短期的なコスト削減以上の機会損失につながるため、必ず優先度を高く設定すべきです。

ポイント③｜ユーザー導線（CVまでの流れ）

LPの最終的な目的は、ユーザーに「行動」を促すことです。そのためには、ページ内の構成や情報配置を、ユーザー心理の流れに沿って設計する必要があります。導線設計が不十分だと、いくら訴求力のあるコピーやデザインがあっても、CV（コンバージョン）にはつながりません。

効果的な導線設計のためには、以下の要素が重要です。

例えば、ベネフィットを提示する前に価格だけを強調したLPは、ユーザーの不安を煽ってしまい離脱を招く可能性があります。逆に、メリットを段階的に伝え、最後に行動ボタンを配置する構成にすれば、自然にCVへ導くことができます。

導線は“視線の流れ”と“感情の流れ”を踏まえた設計が求められます。コスト削減の過程でこの設計が手抜きになると、LP全体の効果が著しく落ちてしまうため、どの制作方式を選んでも最優先で意識すべきポイントです。

まとめ

LP（ランディングページ）制作にかかる費用は、依頼先の選定、制作工程、求める機能やデザイン水準によって大きく異なります。相場を把握し、内訳ごとの費用構造を理解することで、無駄な出費を抑えながら成果につながるLPを制作することが可能です。

費用を抑えるためには、テンプレート活用や分割発注、ノーコードツールの導入など複数の選択肢がありますが、削ってはならない要素――訴求の明確さ、スマホ対応、CV導線の設計――を見誤らないことが極めて重要です。これらの要素は、制作費以上のリターンを生むLPの中核を担う部分です。

LP制作において「費用対効果」を最大化するためには、価格だけでなく成果に直結するポイントへの理解と優先順位づけが欠かせません。予算の範囲でどこに注力すべきか、判断に迷う場合は、制作会社やコンサルタントと事前に相談しながら設計を進めることをおすすめします。

費用で妥協するのではなく、目的に沿って最適な選択肢を取ること――それが成功するLP制作の第一歩です。