SEO記事における「目次」の設置は、読者の利便性向上において、非常に重要な役割を果たします。
特に、検索経由で訪問したユーザーは、自身の疑問や課題に対する回答を素早く得たいというニーズを持っており、その情報をすぐに見つけられない場合、離脱に繋がりやすくなります。そうした背景の中で、目次は「どこに・どんな情報が・どの順で掲載されているのか」を視覚的に提示し、ユーザーの行動導線を整理する有効な仕組みです。
また、目次の存在はGoogleのクローラーにとっても有益であり、コンテンツ構造を正確に把握する手がかりとなります。目次が整っている記事では、検索結果にジャンプリンクが表示されることもあり、クリック率(CTR)の向上にも貢献します。
つまり、目次は単なる装飾ではなく、SEOの成果を左右する構造的要素といえます。
- SEO記事における目次の具体的な効果
- 良い目次を設計するための実践的ポイント
- 目次を設置しない方が良いケースの判断基準
- WordPressで使える目次プラグインの比較
SEO記事に目次はぶっちゃけどっちでも良い
SEOに強い記事を制作するうえで、「目次」の設置は非常に重要です。ここで言う目次とは、ページ内の各見出しに対して内部リンクを設定したリストのことを指します。
以下の写真のように、ユーザーは読みたい箇所をクリックするだけで、スクロールせずに該当セクションへ一瞬で遷移できます。このような目次は、主にプラグインなどを用いて実装されることが一般的です。

目次を設置することで、読者が必要な情報にすぐアクセスできるようになるだけでなく、Googleにとってもコンテンツ構造が把握しやすくなり、インデックス効率の向上が期待できます。
さらに、検索結果に目次リンク(ジャンプリンク)が表示されることで、クリック率(CTR)が高まる可能性もあります。
SEO記事の目次から得られる効果
SEO記事に目次を導入することで、検索順位やユーザー体験の向上に直結する複数の効果が得られます。特に長文・構成が複雑な記事においては、目次がもたらす効果は単なる利便性にとどまりません。
以下のようなメリットが確認されています。
- ユーザーの直帰率が低下する
- Googleのクローリング効率が上がる
- 検索結果の表示される可能性がある
これらのメリットをより具体的に理解するために、各効果を個別に解説していきます。
効果①|ユーザビリティーが向上する
目次を設置することによる最大のメリットにはユーザービリティーの改善が挙げられます。特に検索ユーザーは「必要な情報にすぐたどり着きたい」というニーズを持っています。目次があることで、記事全体をスクロールせずとも目的の情報にジャンプできるため、満足度が向上します。
実際、Web上の多くの調査で「読みやすさ」や「構造化された情報提供」が記事への評価を大きく左右することがわかっています。実際に、Ahrefsの公式ブログでも以下のように述べられています。
もし検索者があなたのコンテンツを読みづらく、理解しづらいと感じたら、おそらく離脱するでしょう。これは、低い滞在時間、ページ滞在時間、高い直帰率のようなネガティブなユーザーエクスペリエンスシグナルにつながり、あなたのページが優れた結果ではないというシグナルをGoogleに送る可能性があります。
引用元:Flesch Reading Ease: SEOは重要か?|Ahrefs公式ブログ
ユーザーが迷子にならずに情報を取得できる導線を設計することは、UX向上にも繋がり、結果としてページ滞在時間の増加や離脱率の低下をもたらします。さらに、スマートフォンユーザーにとってはスクロールの煩雑さが大きなストレス要因になるため、目次があることで可読性が大きく改善される可能性が高いと言えるでしょう。
目次設置は単なるデザイン上の装飾ではなく、「読者が快適に情報へアクセスできる導線」を担う重要な要素です。
効果②|クローラビリティーが上昇する
SEOにおける技術的な観点から見ても、目次は非常に有効です。Googleのクローラーは、ページ内のリンク構造や見出し構造をもとにコンテンツの主題を理解しようとします。このとき、目次がHTMLリンク付きで実装されていれば、クローラーは目次からコンテンツ構造を即座に把握することが可能になります。
その結果、インデックスの正確性やスピードが向上し、SEO評価にも好影響を与えると考えられています。また、内部リンク自体が多ければ多いほどアクセス数が多くなるため、正直置いて損はないと言えるでしょう。
実際に、海外の調査(ZYPPY SEO)によると、内部リンクをサイト内に設置した数とアクセス数に強い相関関係があることがわかっています。

効果③|検索結果の表示されクリック率が上昇する
SEO記事に目次を設置すると、その構造がGoogleに正しく認識され、検索結果のスニペット(リッチリザルト)として目次リンクが表示される可能性があります。これは「ジャンプリンク」とも呼ばれ、検索ユーザーが検索結果ページ上で、記事内の特定の見出しへ直接アクセスできるようになります(スクリーンショット参照)。

ジャンプリンクが表示されると、通常のタイトル・ディスクリプションだけの表示よりも視認性が高まり、検索結果上での占有スペースも拡大するため、クリック率(CTR)の向上が期待できます。特に、構造が明確でユーザーの検索意図に即した目次を設定している記事では、この効果がより顕著に現れます。
なお、ジャンプリンクの表示はGoogleのアルゴリズムによって自動的に判断されるため、確実に表示されるわけではありませんが、HTMLのhタグ構造と目次リンクの整備によって、その可能性を高めることができます。
良い目次にするためのポイント
目次をただ設置するだけでは、SEOやユーザー体験の向上にはつながりません。効果を最大化するには、「構造的にわかりやすく」「読み手の導線を整えた」目次を設計することが重要です。
良い目次には以下の4つのポイントがあります。
- 記事の全体像を一目で把握できる構成になっている
- h3の粒度まで深掘りして表示されている
- 情報の階層関係が明確になっている
- 各見出しに内部リンクでジャンプできる
それぞれのポイントを詳しく解説します。
ポイント①|記事の全体像を把握できる構成になっている
良質な目次は、記事を開いた瞬間に「この記事で何がわかるのか」を俯瞰できる構成になっています。特にSEO記事では、検索ユーザーの疑問や課題に対する回答が明確に並んでいることが求められます。
たとえば、「SEO効果とは?」という見出しがあるなら、その下に以下のように具体的な効果について羅列されていることが重要です。
- 効果①|XXXXXXX
- 効果②|XXXXXXX
- 効果③|XXXXXXX
このような構成が整っていないと、読者は情報の所在がつかみにくくなり、ストレスを感じて離脱につながる恐れがあります。
また、見出しタイトルも曖昧な表現ではなく、具体的かつ簡潔であることが求められます。たとえば「これについて」「その理由」など抽象的な見出しは避け、見出しを読むだけで内容がイメージできるような表現を心がけましょう。
ポイント②|h3やh4の粒度まで深掘りしてみれる
SEO記事における目次では、h2見出しだけでなくh3見出しまで含めることで、情報へのアクセス性が飛躍的に向上します。読者は単に大見出しだけではなく、細分化された情報を求めて記事を訪れるケースも多いためです(もちろん、記事内容によってはそうでない場合もあります)。

たとえば、「目次を設置しない方が良いケース」というh2見出しの下に、具体的なパターンを示すh3見出しが並んでいれば、読者は自分の求める情報をピンポイントで見つけやすくなります。
こうした細かい情報の粒度を事前に可視化しておくことは、読者のストレスを軽減し、ページからの離脱防止にもつながります。
ポイント③|情報の階層がわかるようになっている
目次におけるもう一つの重要なポイントは、「情報の階層構造」が視覚的に明確であることです。特にSEO記事では、読者がどの情報がメインで、どの情報が補足なのかを瞬時に判断できる設計が求められます。
たとえば、h2からh4までが適切にインデントされていれば、情報の階層構造をひと目で把握しやすくなります。実際、以下の写真のように、見出しの階層が下がるごとに段階的にインデントされていれば、読者は情報の構造を直感的に理解できるようになります。
このように、視覚的なインデントによって構造の違いが明確になることで、ユーザーの読みやすさや記事全体のナビゲーション性が大きく向上します。

一方で、h2とh3が同じレイヤーでデザインされていると、ユーザーは情報の粒度を判別しづらく、目次の構造が不明瞭になることで混乱を招く可能性があります。特にスマートフォンなどのモバイル環境では、目次の視認性がそのままユーザビリティに直結するため、階層構造が見えにくい目次は離脱率を高める要因となり得ます。
ポイント④|内部リンクで該当箇所の見出しに飛べる
目次がユーザーにとって実際に役立つものとして機能するためには、各項目が該当する見出しへ正しくリンクされていることが前提です。単に情報を羅列しただけの目次では、ユーザーの利便性は大きく損なわれてしまいます。
このとき重要になるのが、HTMLのアンカーリンク(<a href="#見出しID">
)の活用です。目次の各項目が、記事本文内の該当見出しへスムーズにジャンプできるよう設計されていれば、ユーザーは読みたい内容に直接アクセスでき、無駄なスクロールや探索の手間を省くことができます。
たとえば、以下のように目次側に見出しID(#toc15
)を設定します。
<a href="#toc15">狙いたいキーワードの検索結果上位10位をピックアップ</a>
そして、遷移先となる見出し側に同じID(id="toc15"
)を付与することで、リンクが機能します。
<h4 class="wp-block-heading">
<span id="toc15">狙いたいキーワードの検索結果上位10位をピックアップ</span>
</h4>
WordPressを利用している場合は、目次生成プラグインを導入すれば、こうしたリンク設定を自動化できます。また、手動でリンクを設定する方法も比較的容易であるため、どのCMSを使用していても、目次リンクの実装は決して難しくありません。
SEO記事に目次が置くべきではないケース
SEO対策において目次の設置は基本的に推奨されますが、すべての記事において一律に導入すべきというわけではありません。特定の条件下では、かえってユーザー体験を損なったり、情報構造を不自然に見せてしまう場合があります。
ここでは、目次をあえて「設置しない方がよい」主なケースを紹介します。
- 見出し数が2つ以下で、構造化の必要がない記事
- スマートフォン表示で目次が画面を圧迫するケース
- 上記以外では、基本的に目次を設置した方が望ましい
これらのケースごとに、理由と注意点を解説していきます。
ケース①|見出し数が2つ以下の場合
記事全体に含まれる見出し数が2つ以下の場合、目次の設置は逆効果となる可能性があります。理由はシンプルで、「構造として目次を表示するほどの情報量がない」からです。
このような記事に無理に目次を設置すると、読者にとっては冗長な印象を与えかねません。特にファーストビューに目次が配置されていると、本文にたどり着くまでに一手間かかってしまい、UXを損ねる原因になります。
また、Googleのクローラーにとっても、構造に対して過剰なマークアップが存在していると、内容の信頼性や自然さに疑問を持たれるリスクもあります。したがって、ミニマムな情報しか含まれていない記事に関しては、目次を表示しない判断が賢明です。
目次の導入は「情報の整理が必要な記事」に限って行うのがベストです。
ケース②|スマホ表示で目次が煩雑になる
スマートフォン環境では、画面幅が狭いため、目次の存在が視認性や可読性に悪影響を及ぼすことがあります。特にh2・h3の階層が深い記事では、目次自体が長大化し、読者のスクロール操作に負荷を与えてしまうことがあります。
また、ページの読み込み速度やデザインバランスにも影響するため、モバイルフレンドリーを意識した目次設計が必要になります。目次が長すぎる場合は、「折りたたみ表示」や「ドロップダウン形式」に切り替えるなどの工夫が求められます。
場合によっては、スマホ表示では目次を非表示にするCSSの設定を行い、PC表示のみで目次を見せるといった対処も有効です。読みやすさを最優先するという基本方針を守り、ユーザーの閲覧環境に応じた柔軟な設計を行いましょう。
SEO記事に目次を設置するのにおすすめのプラグイン
WordPressでSEO記事を作成している場合、目次を簡単に設置できる専用プラグインの活用が有効です。これらのプラグインを利用すれば、見出し構造に応じた目次を自動生成でき、HTMLやCSSの知識がなくても質の高い記事設計が可能になります。
以下では、初心者〜中級者にも扱いやすい定番プラグインを紹介します。
- 『Table of Contents Plus』
- 『Easy Table of Contents』
- 『Rich Table of Contents』
それぞれの特徴とおすすめの利用シーンを解説します。
おすすめ①|Table of Contents Plus

『Table of Contents Plus(TOC+)』は、目次作成プラグインの中でも最も広く使われている定番のツールです。シンプルな設定と安定性に定評があり、多くのSEOライターやオウンドメディア運営者に選ばれています。

このプラグインの主な特徴は以下の通りです。
機能・特徴 | 内容 |
---|---|
自動挿入機能 | h1〜h6の見出しから自動で目次を生成 |
表示位置の選択 | 冒頭・見出し上・手動挿入など柔軟に対応 |
デザインカスタマイズ性 | 枠線・背景色・フォントなどを自由に調整可能 |
アンカーリンク生成 | 各見出しにジャンプするリンクを自動生成 |
特に、デザインや表示位置を細かく調整したい場合には非常に便利です。一方で、国内開発のプラグインではないため、
おすすめ②|Easy Table of Contents

『Easy Table of Contents』は、TOC+と似た機能を持ちながら、より直感的なUIで操作できるのが特長です。WordPress初心者でも設定に迷わず、手軽に目次を導入できます。

このプラグインの魅力は、細かい表示条件の設定ができる点です。たとえば、特定の投稿タイプのみに目次を表示させたり、指定したhタグの範囲だけを目次に含めたりする設定が可能です。
機能・特徴 | 内容 |
---|---|
投稿タイプごとの制御 | 投稿・固定ページ・カスタム投稿タイプ別にON/OFF可能 |
スムーススクロール対応 | クリック時にスムーズに該当見出しへ移動 |
折りたたみ表示機能 | モバイル対応で目次をコンパクトに表示 |
日本語対応 | インターフェースが日本語表記でわかりやすい |
スマホ表示にも最適化されているため、モバイルユーザーが多いサイトとの相性も良好です。
おすすめ③|Rich Table of Contents

『Rich Table of Contents(RTOC)』は、日本国内で開発された目次プラグインで、デザイン性と操作性の両方を重視したい方におすすめです。特に、ブロックエディタ(Gutenberg)との親和性が高く、直感的にデザインをカスタマイズできる点が魅力です。

主な特長は以下の通りです。
機能・特徴 | 内容 |
---|---|
デザインテンプレート | 複数のスタイルテンプレートから選択可能 |
カラーやフォントの自由度 | 管理画面上でデザインをリアルタイム調整 |
ショートコード対応 | 必要な場所に自由に目次を設置できる |
日本語環境に最適化 | 表記や操作性が完全に日本語に対応 |
ビジュアルを重視した記事制作に取り組んでいる場合や、差別化されたデザインが求められるメディアに向いています。
まとめ
SEO記事における目次の設置は、ユーザビリティーとクローラビリティーの両方を改善する、非常に効果的な施策です。特に情報量が多く、構造が複雑な記事では、目次の有無が読者の満足度や検索順位に大きな影響を与えます。
本文で紹介したとおり、目次には以下のような具体的な効果があります。
- 読者が知りたい情報にすぐたどり着けるようになる
- ページの構造をGoogleが正確に理解しやすくなる
- 検索結果でのクリック率が向上しやすくなる
ただし、すべての記事に目次を設置すればよいわけではなく、「見出しが極端に少ない」「モバイル表示で煩雑になる」ような場合は注意が必要です。そのようなケースでは目次を非表示にするか、折りたたみ表示にするなどの工夫が求められます。
また、WordPressを使用している場合は、目次作成用のプラグインを活用することで、手軽かつ高機能な目次設置が可能です。『Table of Contents Plus』や『Easy Table of Contents』など、用途に応じて最適なものを選びましょう。
SEO記事で目次を活用しきれていないと感じている方へ。
あなたが運営するメディアにおいて、目次は正しく設計され、活用されていますか?もし不安がある場合は、記事構成やUX設計を見直す絶好のタイミングです。
目次設計も含めたSEO全体の改善をご検討中であれば、ぜひ一度ご相談ください。