URLの正規化とは?SEOへの影響や設定とチェック方法について解説。

テクニカルSEO

Webサイトの運営において、URLの正規化はSEO対策の基本的な施策の一つですが、その重要性は見落とされがちです。URLを正規化することで、重複コンテンツを解消し、検索エンジンからの評価を集中させることができ、大幅なアクセス向上に繋がる可能性があります。

URLの正規化が特に役立つのは、類似コンテンツや同一コンテンツが複数のURLで存在する場合です。このような状況は、検索エンジンから重複コンテンツとみなされ、サイト全体の評価が分散してしまう原因となります。

URLの正規化を行うことで、検索エンジンに対してどのURLを評価すべきかを明確に示し、評価を一元化できます。これにより、重複コンテンツの問題を解消し、SEO効果を最大限に引き出すことができます。SEOにおける具体的な影響としては、以下のような点が挙げられます。

ただ、URL正規化はコーディングの知識やサーバーの知識が必要になります。しっかり専門的な知識がないと、実行に移すことができません。そこで、この記事では、URLの正規化の効果や前提知識について解説しつつ、実行するための手順や、URL正規化が必要になるケースについて解説していきます。

この記事でわかること
  • URL正規化とは何か?
  • URL正規化がなぜ重要なのか?
  • URLが正規化を実施するケース
  • URLを正規化する手順
  • Google Search Consoleを使った正規化の確認方法

URLの正規化は、WebサイトのSEOパフォーマンスを向上させるために重要な施策です。この記事を参考に、正しいURL正規化を行い、Webサイトの潜在能力を引き出しましょう。

山口耀平(Yamaguchi Yohei)

株式会社検索順位の海賊CEO。日本マーケティング学会会員。SEO歴5年のSEOコンサルタント。自身のアフィリエイトサイトをグロースさせた経験から、現在は企業のSEM支援を行っている。具体的には、オウンドメディア運用代行、SEO戦略立案、記事制作代行などを実施している。
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URLの正規化とは?

URLの正規化とは、同じコンテンツが複数のURLで存在する場合に、検索エンジンに対して「このURLを正規のURLとして扱ってください」と明示する作業のことです。

大前提として検索エンジンは、基本的に重複コンテンツを嫌います。Webサイトを運営していると、類似コンテンツや全く同じコンテンツが複数のURLで表示されてしまう「重複コンテンツ」の問題に直面することがよくあります。

このような状況は、検索エンジンの評価を下げる要因となるため、SEO対策としてURLの正規化が必要になります。URLの正規化は、主に以下の2つの方法で実施できます。

これらを、適切に設定することで重複コンテンツを効率的に解消することができます。

URLを正規化することによるSEOへの影響

URLの正規化は、SEO(検索エンジン最適化)にとって、以下のようなプラスの影響をもたらします。

影響①|クロール効率の向上

重複コンテンツが存在すると、検索エンジンのクローラーは同じ内容のページを何度もクロールすることになり、無駄なリソースを消費してしまいます。

特に大規模サイトではURLの数が尋常じゃない量になるので、クローラーが回り切ることができません。いわゆるクロールバジェットを無駄に消費してしまう状況になります。

そこでURLの正規化を行うことで、クローラーは正規URLのみをクロールすれば良くなるため、クロール効率が向上し、より多くのページを効率的にクロールできるようになります。

クローラーが限られた時間内に、より多くの重要なページをクロールできるようになることで、Webサイト全体のインデックスが促進され、検索結果での露出が増加する可能性があります。

影響②|リンクジュースの集中

リンクジュースとは、被リンクから得られる評価のことです。被リンクが多いページほど、多くのリンクジュースを獲得し、検索順位が上がりやすくなります。

しかし、重複コンテンツが存在すると、リンクジュースが複数のURLに分散されてしまい、SEO効果が薄れてしまいます。

URLの正規化を行うことで、被リンクを正規URLに集中させ、SEO効果を最大化することができます。例えば、複数のURLで同じコンテンツが公開されている場合、それぞれのURLに被リンクが分散してしまいます。正規化を行うことで、被リンクを正規URLに集約し、そのページの評価を高めることができます。

影響③|被リンクの効果の最大化

被リンクは、SEOにおいて最も重要なランキング要因の一つです。しかし、重複コンテンツが存在すると、被リンクが複数のURLに分散されてしまい、SEO効果が薄れてしまう可能性があります。

そこで、URLの正規化を行うことで、被リンクを正規URLに集中させ、SEO効果を最大化することができます。

例えば、複数のURLで同じコンテンツが公開されている場合、それぞれのURLに被リンクが分散してしまいますが、正規化を行うことで、被リンクを正規URLに集約し、そのページの評価を高めることができます。

URLを正規化する二つの方法

URLを正規化する方法には、主に301リダイレクトとcanonicalタグの2つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、状況に合わせて適切な方法を選びましょう。

方法①|301リダイレクト

301リダイレクトは、正規URL以外のURLにアクセスがあった場合、自動的に正規URLに転送する方法です。この方法では、ユーザーは旧URLにアクセスしても、新しいURLに自動的に転送されるため、リンク切れの心配がありません。

また、301リダイレクトは、検索エンジンに対しても「このURLは恒久的に移動しました」という情報を伝えるため、旧URLのSEO評価を新しいURLに引き継ぐことができます。

例えば、WebサイトをリニューアルしてURL構造を変更した場合や、HTTPからHTTPSに移行した場合などに、301リダイレクトが有効です。

301リダイレクトを設定するには、.htaccessファイルに記述する方法や、WordPressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)のプラグインを利用する方法があります。

方法②|canonicalタグ

canonicalタグは、正規URL以外のページのHTMLヘッダーに、<link rel="canonical" href="[正規URL]"> というタグを設置する方法です。この方法では、ユーザーは旧URLにもアクセスできますが、検索エンジンは正規URLのみを評価します。

301リダイレクトとは異なり、ユーザーを新しいURLに転送しないため、ユーザー体験を損なうことなく正規化を行うことができます。例えば、以下のような場合にcanonicalタグが有効です。

  • パラメータによってURLが変化するページ
  • 同じコンテンツを複数のカテゴリで表示している場合

canonicalタグは、HTMLの知識があれば簡単に設置することができます。

URLが正規化を実施するケース

URLの正規化が必要なケースは様々です。ここでは、代表的な7つのケースを紹介します。

ケース①|wwwの有無

https://www.example.com/https://example.com/ のように、wwwの有無で同じコンテンツにアクセスできる場合、検索エンジンはこれらを別々のページとして認識してしまいます。

ドメインを購入すると、通常「www」を含むサブドメインも一緒に取得できるようになっています。これは、Webサイトの運用における利便性や、過去の慣習的な理由からきています。

この場合、どちらかを正規URLとして統一する必要があります。一般的には、SEOの観点から、wwwありのURLを正規URLとするのが推奨されています。

wwwありとwwwなしが同一のサイトである時は、必ず正規化の設定をしておきましょう。
Googleに関して言えば、wwwあり・なしを正規化していなくてもコンテンツが同じならば、同じサイトとして認識してくれる場合も多いのですが、100%とは言えません。

引用元:wwwあり/wwwなし、どちらを使用するか?|海外SEO情報ブログ

ケース②|index.htmlの有無

https://www.example.com/index.htmlhttps://www.example.com/ のように、index.htmlの有無で同じコンテンツにアクセスできる場合、検索エンジンがこれらを別々のページとして認識してしまう可能性があります。

一般的には、index.html を省略した https://www.example.com/ を正規URLとして設定することが多いです。これは、ユーザーにとってシンプルで覚えやすいURLであること、そして検索エンジンにとってもクロールしやすいURLであることが理由です。

ただし、Googleのジョン・ミューラー氏によると、index.html が付いた URL を Google が発見したときは index.html を取り除き “/“(スラッシュ)で終わる URL として自動的に処理するとのことなので、必ずしもindex.htmlの有無への対応が必要なわけではありません。あくまで、念のため対応しておくと良いでしょう。

この動画を開いた先で述べられています。

ケース③|HTTPとHTTPS

http://www.example.com/https://www.example.com/ のように、HTTPとHTTPSで同じコンテンツにアクセスできる場合、セキュリティの観点からも、HTTPSを正規URLとして統一することが推奨されます。

Webサイトを初めて作成した際、多くのサーバーはデフォルトでHTTP接続に設定されています。そのため、特に設定を変更しない限り、WebサイトはHTTPでアクセスされることになります。

HTTPSでアクセスできるようにするには、SSL証明書という電子証明書をWebサーバーにインストールする必要があります。Googleは、HTTPSをランキングシグナルの一つとして使用しているため、HTTPS化はSEOにも有利に働きます。

セキュリティは Google の最優先事項です。Google は、デフォルトでの強力な HTTPS 暗号化など、業界をリードするセキュリティを Google サービスに導入することに力を注いできました。つまり、ユーザーが Google 検索、Gmail、Google ドライブなどを使用する際、自動的に Google への安全な接続が確立していることになります。(中略)誰もがウェブを安全に利用できるよう、すべてのウェブサイトの所有者に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えているため、今後このウェイトは大きくする予定です。

引用元:ランキング シグナルとしての HTTPS|GOogle検索セントラル

ケース④|大文字と小文字

URLは大文字と小文字を区別するため、https://www.example.com/pagehttps://www.example.com/PAGE は異なるURLとして扱われます。

ただし、Googleのジョン・ミューラー氏によると、URLの大文字と小文字の違いは、検索順位に直接影響を与えることはないとのことです。しかし、それでもどちらか一方を正規URLとして統一しておくことを推奨しています。一般的には、小文字のURLを正規URLとするのが良いでしょう。

URLの大文字・小文字が違っていたり / があったりなかったりしていても、同じコンテンツを表示している場合は、検索エンジン側で同一視しようと試みる。
たいていの場合はうまく処理できるのだが、必ずしもうまくいくとは限らない。

引用元:Are URLS case sensitive?|Google Search Central Youtbe Channel

ケース⑤|パラメータの有無

https://www.example.com/product?id=123https://www.example.com/product のように、パラメータの有無で同じコンテンツにアクセスできる場合、検索エンジンはこれらを別々のページとして認識してしまいます。

この場合、パラメータがないURLを正規URLとして統一することが一般的です。ただし、パラメータによってコンテンツの内容が変わる場合は、それぞれのURLを正規URLとして扱い、canonicalタグなどで正規ページを指定する必要があります。

ケース⑥|スラッシュの有無

https://www.example.com/category/https://www.example.com/category のように、スラッシュの有無で同じコンテンツにアクセスできる場合も、検索エンジンは別々のページとして認識してしまいます。

この場合も、どちらかを正規URLとして統一する必要があります。一般的には、スラッシュありのURLを正規URLとするのが推奨されています。

検索エンジンに関する技術的な観点からは、これら 2 つの URL バージョンに異なるコンテンツを含めることは可能です。しかし、ユーザーにとっては、この構成は著しく混乱をもたらすものです。(中略)このような理由から、末尾にスラッシュが付いている URL と付いていない URL で同じコンテンツを表示するのが一般的です。よくある例としては、次のようなディレクトリ構成になっているサイトが挙げられます。

引用元:URL 末尾のスラッシュについて|Google検索セントラル

ケース⑦|携帯電話用ページとPC用ページ

https://www.example.com/https://m.example.com/ のように、PC用ページと携帯電話用ページが別々に存在する場合、検索エンジンはこれらを別々のページとして認識してしまいます。

この場合、レスポンシブデザインを採用している場合は正規化の必要はありませんが、そうでない場合は、各デバイスに適したページを正規URLとして設定し、リダイレクトすることをおすすめします。

現状GoogleはデスクトップPCとスマートフォンを区別せず同等に扱います。
スマートフォン用の検索結果も用意していません。
共に、ウェブクローラのGooglebotがクローリングします。

引用元:スマートフォン用ページに振り分けるときはrel=”canonical”を設定する|海外SEO情報ブログ

例えば、PC用ページを正規URLとする場合は、携帯電話用ページからPC用ページへの301リダイレクトを設定します。重複コンテンツは、検索エンジンからの評価を下げる要因の一つです。そこで重要になるのが、URLの正規化です。

URLを正規化する手順

URLの正規化は、以下の5つのステップで行います。

STEP①|正規URLの決定

同じコンテンツに複数のURLが存在する場合は、その中から正規URLを1つ決定する必要があります。正規URLは、検索エンジンに優先的にインデックスさせたいURLです。

正規URLを選ぶ際のポイントは、以下の3点です。

例えば、以下のようなケースで、URLが同じコンテンツを表示する場合、https://www.example.com/page.html を正規URLとして選択するのが良いでしょう。

https://www.example.com/page.html

Example Domain
Example Domain

STEP②|リダイレクト設定

正規URL以外のURLにアクセスがあった場合、自動的に正規URLに転送する必要があります。これを行うのが301リダイレクトです。301リダイレクトは、検索エンジンに対して「このURLは恒久的に移動しました」という情報を伝えるため、旧URLのSEO評価を新しいURLに引き継ぐことができます。

301リダイレクトを設定するには、.htaccessファイルに記述する方法や、WordPressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)のプラグインを利用する方法があります。例えば、Apacheサーバーで.htaccessファイルに記述する場合、以下のように記述します。

Redirect 301 /old-page.html /new-page.html

STEP③|内部リンクの修正

正規化を行う際は、サイト内の内部リンクも修正する必要があります。すべての内部リンクが正規URLにリンクするように修正することで、検索エンジンが正規URLを正しく認識し、評価することができます。

内部リンクの修正漏れがあると、重複コンテンツとみなされる可能性があるため、注意が必要です。

STEP④|canonicalタグの利用 (301リダイレクトが難しい場合)

301リダイレクトが技術的に難しい場合や、ページの内容が完全に同じではないが非常に似ている場合は、canonicalタグを使用することもできます。

canonicalタグは、<head>タグ内に、<link rel="canonical" href="[正規URL]"> のように記述します。このタグは、検索エンジンに対して「このページは正規URLではありません」と伝えるためのタグです。

<link rel="canonical" href="[正規URL]">

ただし、canonicalタグは301リダイレクトよりも優先度が低いため、可能な限り301リダイレクトを使用することをおすすめします。

STEP⑤|設定後の確認

正規化設定を行った後は、実際にリダイレクトが正しく動作しているかを確認しましょう。確認方法はいくつかありますが、Google Search ConsoleのURL検査ツールや、リダイレクトチェッカーツールなどが便利です。

Google Search ConsoleのURL検査ツールでは、「カバレッジ」セクションで「ページのインデックス登録」を確認し、「ユーザーが指定した正規URL」と「Googleが選択した正規URL」が一致しているかを確認できます。

また、リダイレクトチェッカーツールでは、旧URLを入力することで、リダイレクト先やステータスコードを確認できます。これらのツールを使って、正規化が正しく行われているかを確認し、必要に応じて修正を行いましょう。

URLを正規化できたか確認・チェックする方法

URLの正規化設定を行った後、正しく設定できているかを確認する必要があります。 ここでは、Google Search Consoleを用いた確認方法をご紹介します。

STEP①|Google Search Consoleにログイン

まず、Google Search Consoleにログインします。

Google Search Consoleは、Googleが提供する無料のツールで、Webサイトの検索パフォーマンスや問題点などを確認することができます。

STEP②|上部の検索バーに確認したいURLを入力し、「URL検査」を実行

Google Search Consoleの画面上部にある検索バーに、正規化を行ったURLを入力します。

URLを入力したら、Enterキーを押すか、右側の虫眼鏡アイコンをクリックして、「URL検査」を実行します。

STEP③|「カバレッジ」セクションで、「ページのインデックス登録」を確認

URL検査の結果ページが表示されたら、「カバレッジ」セクションで、「ページのインデックス登録」を確認します。ここでは、以下の内容を確認することができます。

  • URLがGoogleにインデックスされているかどうか
  • インデックスされている場合、どのURLが正規URLとして認識されているか

STEP④|「ユーザーが指定した正規URL」と「Googleが選択した正規URL」が一致しているか確認する

「ページのインデックス登録」の項目に、「ユーザーが指定した正規URL」と「Googleが選択した正規URL」が表示されます。

この2つのURLが一致していれば、正規化が正しく行われていることを意味します。一方、2つのURLが一致していない場合は、正規化が正しく行われていない可能性があります。

例えば、以下のような原因が考えられます。

  • canonicalタグが正しく設定されていない
  • 301リダイレクトが正しく設定されていない
  • robots.txtファイルで正規URLがブロックされている

冷静に、上記の原因に対して対処をして正規化を進めていきましょう。

まとめ

この記事では、URLの正規化とは何か、SEOへの効果、具体的な設定方法、そして正規化できているかの確認方法について解説しました。

URLの正規化は、SEO対策において非常に重要な作業です。この記事で紹介した内容を参考に、適切な正規化を行い、WebサイトのSEO効果を高めていきましょう。

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