オウンドメディアやポータルサイトなど、多くのコンテンツを必要とするメディアを運用していると、どうしても発生するのがリンク切れです。
リンク切れは、訪問したユーザーの満足度を下げ、離脱の原因になります。特に、検索エンジンの評価基準は常に変化しており、リンク切れへの対応は、サイトの価値を維持・向上させる上で不可欠と言えるでしょう。
ただし、後述しますが、Google公式も言及しているように、リンク切れによるSEOへの直接的なマイナス影響は軽微なものになります。そのため、「ユーザーの役に立つ」リンク切れのみを優先的に修正するようにしましょう。
また、修正する際にはリンク切れの原因についてまずは特定する必要があります。多くの場合、原因としては以下の3つに絞られます。
- 原因①|リンク先のデータが削除されている
- 原因②|URLの設定にミスがある
- 原因③|サーバー側の問題が発生している
この記事では、リンク切れの基礎知識から、SEOへの影響、そして実務で使えるチェックツールまで、Web担当者や経営者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
リンク切れとは?
リンク切れ(デッドリンク)とは、Webサイト上のリンクをクリックした際に、目的のページにアクセスできない状態を指します。
例えば、ネットサーフィン中に興味深い記事を見つけてリンクをクリックしたのに、ページが表示されず「404 Not Found」というエラーメッセージが出てしまった経験はありませんか?それがリンク切れです。
リンク切れが発生すると、ユーザーは求めていた情報にたどり着けず、不満を抱き、サイトから離脱してしまう可能性があります。 さらに、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも悪影響を及ぼす可能性があります。検索エンジンは、リンク切れが多いサイトを質の低いサイトと判断し、検索順位を下げる可能性があります。
リンク切れが発生する原因は?
リンク切れが発生する原因は様々ですが、大きく3つのカテゴリーに分けられます。それが以下の3つです。
原因①|リンク先のデータが削除されている
Webサイトの更新やリニューアルに伴い、ページが削除されることがあります。例えば、古いブログ記事が削除されたり、販売終了した商品のページが削除されたりすることがあります。
また、Webサイトのリニューアルに伴い、ページのURLが変更されることもあります。このような場合、削除されたページやURLが変更されたページへのリンクは全てリンク切れとなります。
原因②|URLの設定にミスがある
リンクを作成する際に、URLの入力ミスやタイプミスがあるとリンク切れが発生します。特に、手動でリンクを作成する場合や、複雑なURLを持つページへのリンクを作成する場合に起こりやすいです。
よくあるミスとしては、URLの末尾に余計なスペースが入っていたり、大文字と小文字が混在していたり、ファイル名や拡張子が間違っていたりすることがあります。
原因③|サーバー側の問題が発生している
Webサーバーのメンテナンスや障害、一時的な負荷集中などにより、リンク先のページが一時的にアクセスできない場合があります。例えば、Webサーバーの定期メンテナンス中や、予想外のアクセス集中によるサーバーダウン、ネットワーク障害による通信エラーなどが原因でリンク切れが発生することがあります。この場合、リンク切れは一時的なものであり、サーバー側の問題が解消されれば復旧します。
リンク切れは、ユーザー体験を損ない、SEOにも悪影響を与える可能性があります。そのため、定期的にWebサイトをチェックし、リンク切れを発見したら速やかに修正することが重要です。
【Google公式】リンク切れによるSEOへの影響
リンク切れは、SEO(検索エンジン最適化)にも悪影響を及ぼす可能性があります。
影響①|他のページへの影響は軽微となる
リンク切れは、基本的にはリンク切れが発生したページ、もしくはリンク切れを起こしているページからのみ評価されます。そのため、他のページへの影響は軽微であると言われています。
実際にGoogleのアナリストGary Illyes(ゲイリー・イリース)氏は以下のように述べています。
ユーザーにとって役立つと思われる壊れた外部リンクは修正すべきだ。でもサイトがマンモス、いやブロントサウルス並みに巨大化したら、すべてのリンクを修正するのは不可能だ。
引用元:English Google SEO office-hours from June 2024|Google Search Central
実際に、鈴木謙一も海外SEO情報ブログにて、このイリースの発言から以下のように推察しています。
引用元:外部サイトへのリンク切れは修正すべきか? SEOへの悪影響は?|海外SEO情報ブログ
- 規模が大きいサイトではすべて修正するのは難しいので、完璧を目指す必要はない
- リンク切れが理由で検索エンジンの評価が下がることはない
ただし、リンク切れが大量に発生している場合や、ユーザーにとって特に重要なページへのリンクが切れている場合は、サイト全体の評価に影響する可能性があります。他の施策の優先度との兼ね合いから、対応を判断するようにしましょう。
影響②|ユーザー体験が損なわれるなら検索順位は下落する
リンク切れが発生したページは、ユーザー体験が損なわれる可能性が高いため、GOogleからの評価が落ちる可能性があると言えるでしょう。鈴木謙一も、「ユーザー体験の改善」を目的としたリンク切れを優先して修正することを勧めています、
引用元:外部サイトへのリンク切れは修正すべきか? SEOへの悪影響は?|海外SEO情報ブログ
- アクセス数が多いページのリンク切れを優先して修正する
- これはユーザー体験の改善のため
特に内部リンクの場合は、関連するコンテンツへの誘導を促す重要な役割を果たしているため、可能な限り優先的に修正するようにしましょう。これは、内部リンクがユーザー体験の向上において非常に重要な要素であるためです。
リンク切れを一括でチェックするツール
リンク切れは、手動でチェックすることも可能ですが、時間がかかる上に、見落としが発生する可能性があります。そこで、リンク切れを一括でチェックできるツールを活用すると良いでしょう。
数多くのツールが存在しますが、今回は特に無料で利用できる代表的な2つのツールを紹介します。
ツール①|Check My Links:Chrome拡張機能
Check My Linksは、Google Chromeの拡張機能として提供されているリンク切れチェックツールです。
使い方は非常にシンプルで、チェックしたいページを開いてCheck My Linksのアイコンをクリックするだけです。すると、ページ内のリンクを自動的にチェックし、リンク切れがあればハイライト表示してくれます。
機能・特徴 | Check My Links |
---|---|
主な用途 | Chrome拡張機能 |
価格 | 無料 |
インストール | 簡単 |
チェック対象 | 現在表示中のページ |
チェックできるリンク | 内部リンク・外部リンク |
自動チェック | 不可 |
通知機能 | 不可 |
大規模サイトへの対応 | 時間がかかる場合あり |
その他 | リンク切れをハイライト表示 |
ツール②|Broken Link Checker:Wordpressプラグイン
Broken Link Checkerは、WordPressのプラグインとして提供されているリンク切れチェックツールです。
WordPressで構築されたWebサイトであれば、Broken Link Checkerをインストールするだけで、サイト内のリンク切れを自動的にチェックしてくれます。
機能・特徴 | Broken Link Checker |
---|---|
主な用途 | WordPressプラグイン |
価格 | 無料 |
インストール | 簡単 |
チェック対象 | WordPressサイト全体 |
チェックできるリンク | 内部リンク |
自動チェック | 可能 |
通知機能 | メール通知 |
大規模サイトへの対応 | 時間がかかる場合あり |
その他 | – |
まとめ
リンク切れ(デッドリンク)とは、Webサイト上のリンクをクリックしても目的のページにアクセスできない状態のことです。リンク切れは、ユーザーの不満やサイト離脱を招くだけでなく、SEOにも悪影響を及ぼします。
リンク切れの原因は、リンク先のページ削除、URL設定ミス、サーバー側の問題などがあります。
リンク切れはSEOにも悪影響があるため、定期的なチェックと修正が重要です。特に、リンク切れが発生したページは検索エンジンから「質の低いページ」と判断され、検索順位が下がる可能性があります。