オウンドメディア運用は、多くの企業が挑戦しては失敗を繰り返してきた領域です。「とりあえずオウンドメディアを作ろう」といった軽い気持ちで立ち上げ、結果的に成果が出ずに放置されているケースは少なくありません。このインターネット上では、数々のオウンドメディアの屍が乱立している状況です。
しかし、企業のマーケティング活動において、オウンドメディアは依然として重要な役割を担っています。専門的な知識や戦略、適切な体制構築、質の高いコンテンツ制作など、成功には様々な要素が必要となります。
この記事では、オウンドメディアの基礎知識から具体的な運用方法、成功事例までを網羅的に解説します。これからオウンドメディアを始めようとしている方、すでに運用しているが成果が伸び悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にして、効果的なオウンドメディア戦略を構築してください。
オウンドメディアの目的の振り返り
オウンドメディアとは、企業や組織が自ら所有し、運営するメディアのことです。具体的には、自社ウェブサイト、ブログ、SNSアカウント、メールマガジンなどが含まれます。ただ、一般的にはWebサイト形式でSEOなどでアクセスを集めるものが「オウンドメディア」と言われることが多くなりました。
このオウンドメディアを運用する目的は企業によって様々ですが、主な目的は以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
目的①|顧客獲得コストを下げる
オウンドメディアは、広告での集客に依存している場合、顧客獲得コストや広告単価の上昇を抑制する効果が期待できます。
広告は、不特定多数のユーザーに向けて情報を発信するため、費用対効果が低い場合があります。 一方で、オウンドメディアは、自社に興味関心のあるユーザーを集めることができるため、より効率的に顧客を獲得できます。
例えば、広告依存の集客をしている企業であれば、オウンドメディアによる集客割合を増やすように検討すべきでしょう。なぜなら、広告単価は市場原理として常に上がり続ける傾向にあるため、利益率が常に減り続けることになります。
そこで、資産性の高いオウンドメディアによる集客を実施することで、広告単価を下げることができます。
目的②|ブランディングをする
オウンドメディアを通して、企業は自社のブランドイメージを向上させることができます。
企業が発信する情報の内容や質によって、ユーザーは企業に対する印象を形成します。価値ある情報を継続的に発信することで、企業の信頼性や専門性を高め、ひいてはブランドイメージの向上に繋がります。
また、特定のビッグキーワードで自社のオウンドメディアが検索結果の上位に表示されることは、ユーザーにとって安心感を与えるでしょう。これにより、自社の権威性を高めることができ結果としてブランディングに繋げることができます。
目的③|CV数(採用者/購入者)を増やす
オウンドメディアは、CV数(コンバージョン数)を増やすための有効な手段です。多くの企業が、CV(コンバージョン)獲得を主な目的としてオウンドメディアを立ち上げています。
オウンドメディアを通じて、自社商材のターゲット層に対して、購買意欲を高める情報を発信することができます。 さらに、資料請求や問い合わせフォームなどを設置することで、ユーザーのアクションを促し、CV数増加に繋げることが可能です。
CV獲得を目的とする場合、SEOなどの集客施策に加えて、ユーザーをコンバージョンへと導くための導線設計が非常に重要となります。
オウンドメディアにアクセスを集める方法
オウンドメディアへの集客は、多様なチャネルを組み合わせて行うことが重要です。ここでは、代表的な集客チャネルを3つ紹介します。
チャネル①|検索エンジン経由
検索エンジン経由の集客は、ユーザーが検索したキーワードに関連性の高いコンテンツをオウンドメディア上に用意し、検索結果の上位に表示させることで実現します。これは、いわゆるSEOコンテンツと呼ばれるもので、検索エンジンからのアクセス獲得を狙うものです。
検索エンジン経由の集客において、コンテンツの独自性は確かに重要ですが、SEOには一定の法則性があり、適切な知識と戦略があれば再現性高くアクセスを集めることが可能です。そのため、多くの企業が検索エンジンからのアクセスを狙ってオウンドメディアを立ち上げようとするのです。
チャネル②|ニュースサイト経由
ニュースサイト経由の集客は、ニュース系の配信サービスなどを利用して、自社のニュースや情報をニュースサイトに掲載してもらうことで実現します。有名なニュースサイトとしては、以下のようなものがあります。
スマートニュースやグノシーに掲載されれば、「スマニュー砲」や「グノシー砲」と言われる大規模なアクセスを獲得することができます。こうした掲載を狙って工夫を凝らして集客する方法もありますが、SEOに比べて再現性が低い傾向にあります。
チャネル③|SNS
SNS経由の集客は、Facebook、X(旧Twitter)、InstagramなどのSNSアカウントで情報発信を行い、フォロワーやユーザーからの流入を増やすことで実現します。
SNSの特徴を活かしたコンテンツを作成し、積極的に発信することで、エンゲージメントを高め、オウンドメディアへの訪問を促すことができます。
ただし、ある程度のフォロワー数が必要であったり、ユーザーに刺さるコンテンツを制作することは再現性が低い傾向にあります(特に、Xは再現性が低い可能性がある)。
オウンドメディア運用のKPI設定
オウンドメディア運用のKPI設定は、以下の3つのフェーズに分けて考えることができます。
フェーズ①|コンテンツ数
オウンドメディア立ち上げ初期は、コンテンツを増やすことに注力しましょう。ただし、品質は高く保つことが重要です。コンテンツは、まずは自社商材の購入を検討している顕在層ユーザー向けに作りましょう。
顕在層向けのコンテンツはコンバージョンに繋がりやすいですが、コンテンツ数が少ないと検索エンジンからの流入も見込めず、十分なユーザーを獲得できません。
したがって、顕在層向けのコンテンツに注力しつつも、徐々に準顕在層や潜在層に向けたコンテンツ制作も進めていきましょう。コンテンツ数をKPIの一つとすることで、やるべきことが明確になり、記事作成のモチベーションを維持し、継続的な情報発信を促すことができます。
フェーズ②|アクセス数
コンテンツ数がある程度増えたら、アクセス数をKPIに設定します。アクセス解析ツールなどを活用して、流入経路やユーザーの行動などを分析し、改善点を洗い出しましょう。もし、検索ボリュームが大きい記事の品質が足りない場合は、リライト等を加えてアクセス向上を目指すことが可能になります。
ただ、この際に実現不可能なアクセス数をKPIに置くことは辞めるようにしましょう。しっかり、対策したキーワードの検索ボリュームから逆算したKPIを立てるようにしましょう。
フェーズ③|CVR
アクセス数が安定してきたら、CVR(コンバージョン率)をKPIに設定しましょう。初期段階では顕在層向けのコンテンツが多いためCVRは高くなりますが、コンテンツ数が増えて潜在層向けのコンテンツも増えるとCVRは減少傾向になります。
オウンドメディアの最終的な目標はコンバージョンを獲得することです。CVR向上のためには、ユーザー行動を分析し、CV導線を改善していく必要があります。具体的には、追従バナーの追加やCTAボタンの文言改善などが有効です。
オウンドメディア運営で必要なコンテンツ制作体制
オウンドメディア運営に必要なコンテンツ制作体制は、主に以下の5つの役割から構成されます。
体制 | 役割 | 主な業務 |
---|---|---|
マーケター(プロジェクトマネージャー) | ・目標達成に向けた戦略策定・実行 ・SEO戦略策定 ・メディア成長施策実行 | ・ターゲット設定 ・KPI設定 ・キーワード選定 ・効果測定とCVR改善 |
コンテンツディレクター | ・制作の管理・進行統括 ・コンテンツの品質担保 | ・記事構成作成 ・スケジュール管理 ・ライターやデザイナーへの指示 ・コンテンツの品質管理 |
ライター | ・記事の執筆・編集 | ・記事の執筆 ・編集 ・リライト(場合によってはディレクター対応) |
エンジニア | システム開発・保守・運用 | ・CMS構築 ・機能開発 ・サーバー管理 ・セキュリティ対策 |
デザイナー | デザイン・画像制作 | ・サイトデザイン ・バナー制作 ・画像加工 ・UI/UXデザイン |
体制①|マーケター(プロジェクトマネージャー)
マーケターは、オウンドメディアの目標達成に向けて戦略から実行までを担います。具体的には、顧客視点に立った集客戦略を策定し、SEO対策やニュースサイトへの掲載など、メディアの成長に必要な施策を実行します。
このような役割は、マーケターと呼ばれることもありますが、実務ではプロジェクトマネージャー(PM)と呼ばれることが多いでしょう。具体的には、マーケターは主に以下の業務を担当します。
- ターゲット設定
- KPI設定
- キーワード選定
- 効果測定と改善
このポジションでは、キーワード調査や競合分析を通じて、ターゲットとするユーザー像を明確化します。その上で、自社の利益の最大化を目的にKPIを設定し、対策するキーワードを選定します。また、コンテンツ公開後の効果測定を行い、改善策を導き出し、デザイナーやエンジニアに対して回収指示が出せる人材がいることで、施策の幅は大きく広がります。
体制②|コンテンツディレクター
コンテンツディレクターは、コンテンツ制作の全体を管理し、進行を統括します。
体制によっては、マーケターの役割も兼務することがあります。コンテンツディレクターは、ライターが作成した記事の品質を担保し、事実確認やSEO対策など、ライターだけでは見落としがちな第三者的な視点からのチェックを行います。具体的にコンテンツディレクターは、以下の業務を担当します。
- 記事構成作成
- スケジュール管理
- ライターやデザイナーへの指示
- コンテンツの品質管理
コンテンツディレクターは、マーケターが設定した目標やテーマに基づいて、具体的なコンテンツ企画を作成します。また、コンテンツ制作に関わるライターやデザイナーへの指示出しを行い、スケジュール管理やクオリティ管理も行います。
また、体制によって異なりますが、記事の構成作成までをディレクターが行い、執筆をライターに任せるパターンと、ライターに構成作成から執筆まで依頼するパターンがあります。ライターの経験が浅い場合は、コンテンツディレクターが構成作成まで行うことで、品質を担保しやすくなります。
体制③|ライター
ライターは、記事の執筆や編集を担当します。まさに、コンテンツ制作における実行部分を担う非常に重要なポジションです。具体的には、以下の業務を担当します。
- 記事の執筆
- 編集
- リライト
- SEO対策
ライターは、ディレクターからの指示に基づいて、ユーザーにとって価値のある記事を作成します。また、SEO対策を施し、検索エンジンからの流入を増やすことも重要な役割です。結局、ユーザーが触れるのは記事コンテンツであり、ライターの腕次第でオウンドメディアの成否が決まると言えます。そのため、ライターの採用は慎重に行うようにしましょう。
体制④|エンジニア
エンジニアは、オウンドメディアのシステム開発、保守、運用を担当します。オウンドメディア運用においては、WordPressのアップデートなどに伴うトラブルがしばしば発生します。このような状況に柔軟に対応できるエンジニアの存在は、技術的な問題をスムーズに解決するために不可欠です。
具体的には、以下の業務を担当します。
- CMS構築
- 機能開発
- サーバー管理
- セキュリティ対策
オウンドメディア立ち上げでは、SEOに強いエンジニアが重要です。SEOに強いエンジニアがいれば、サイト構築の段階からアクセス数増加を見込めます。SEOに最適化されたサイトは、検索エンジンからの評価が高く、多くのユーザーを集客できます。
体制⑤|デザイナー
デザイナーは、オウンドメディアのデザインや画像制作を担当します。具体的には、以下の業務を担当します。
- サイトデザイン
- バナー制作
- 画像加工
- UI/UXデザイン
デザイナーは、ユーザーにとって見やすく、使いやすいデザインを作成します。また、記事の内容を視覚的に伝えるための画像制作も行います。
SEO記事制作にかかる時間と鉄則のフロー
SEO記事制作は、以下のステップで構成されます。また、SEOに強く、読者の検索意図とニーズに応える高品質な記事を作成するには、平均で7時間かかると言われています。
STEP①|検索ニーズ分析
検索ニーズ分析は、ユーザーがどのようなキーワードで検索し、どのような情報を求めているのかを調査することです。これにより、ユーザーニーズに合致した記事を作成できます。弊社では以下のような項目を、検索ニーズを分析する際に使用しています。例えば、「記事制作 外注」というキーワードの場合、以下のように検索ニーズの言語化を進めていきます。
A.記事を読む前の読者の状態 | 顕在ニーズ | ・記事制作を外注する際の流れを知りたい ・外注によって得られる効果を知りたい ・外注する際に自社がやるべきことを知りたい ・外注の際の注意点やリスクを知りたい | |
潜在ニーズ | ・自社で記事制作を行うリソースがない ・そもそも成果の出るSEO記事の条件が知りたい ・SEO対策に効果的な記事を作成したい ・コンテンツマーケティングを強化したい | ||
B.記事を読んだ後に読者にとってほしい行動 | ・記事制作の業者選定を実施する ・コンテンツマーケティングを実施することを決意する ・記事制作を外注した後のイメージが付く | ||
AからBの状態にするために必要な情報 | ・記事制作を外注する際の流れ ・「質の高い記事」の条件 ・記事制作を外注する際の社内体制 |
さらに、これらのキーワードで検索するユーザーは、記事制作を外注しようと検討していると想定されます。このような検索ニーズを把握することで、ユーザーが求める情報を網羅的に盛り込んだ記事を作成できます。
その際に、参考にすべき情報は以下の通りです。これらの情報を参考にすることで、データに基づく記事制作が可能になります。
情報の種類 | 分析の目的 |
---|---|
検索結果(SERPs) | 検索結果に表示されている競合サイトのタイトルから検索意図の傾向を把握する |
競合記事 | 競合記事の記事内容から検索ニーズについて深堀りしていく |
サジェストキーワード | ユーザーがどんな言葉で検索しているか、どんな情報に関心があるかを把握し、 コンテンツのキーワード選定やテーマ設定に役立てるため |
再検索キーワード | 最初の検索結果がユーザーの意図と合致していなかった原因を分析し、 コンテンツの内容やキーワードの改善に役立てるため |
PAA (People Also Ask) | ユーザーがどんな疑問を持っているか、どんな情報に関心があるかを把握し、 コンテンツの内容を充実させるため |
STEP②|ユーザーに提供する内容の決定
検索ニーズ分析の結果を基に、ユーザーに提供する内容を決定します。具体的には、記事を読む前の読者の状態から記事を読んだ後に読者にとってほしい行動のギャップを埋めるような情報が記事の内容になります。
AからBの状態にするために必要な情報 | ・記事制作を外注する際の流れ ・「質の高い記事」の条件 ・記事制作を外注する際の社内体制 |
もちろん、それと合わせて競合サイトとの差別化を図るため、独自の視点や情報を盛り込むことも重要です。
例えば、競合サイトが商品の基本的な情報のみを提供している場合、自社サイトではより詳細な成分分析や使用感レビューを提供することで、ユーザーにとって有益な情報を提供し、差別化を図れます。
STEP③|タイトル作成
タイトルは、検索結果でユーザーが最初に目にする部分であり、クリック率を大きく左右します。SEOに強く、読者の興味を引くタイトルを作成しましょう。
例えば、「SEO記事制作の上手な外注方法|弊社の記事制作プロセスを大公開。」といったタイトルは、ターゲットキーワードを含み、読者の検索意図とニーズに応えるものです。
STEP④|構成作成・リサーチ
タイトルが決まったら、記事の構成を作成します。構成を作成することで、記事全体の構成を把握し、情報を整理できます。同時に、記事に必要な情報を収集します。
例えば、「記事制作 外注」に関する記事であれば、以下の構成が考えられます。
タグ | 見出し |
---|---|
title | SEO記事制作の上手な外注方法|発注者目線でコンサルタントが解説。 |
導入文 | 【パーマリンク】 article-production-outsourcing 【リード文】 「SEO記事制作を外注すれば、質の高い記事が納品されてSEOの効果が上がるはずだ」そうお考えではないでしょうか? しかし、SEO記事制作を丸投げして成功するケースは、経験上まれです。記事の外注を成功させるには、発注側が外注業者をしっかりと管理することが重要です。 特にSEOでオウンドメディアを立ち上げる際は、熱意と一定の知識を持った担当者をアサインすることが重要です。具体的には、以下のような担当者がいる企業は成功する可能性が非常に高いでしょう。 ・企業①|業者と密にコミュニケーションを取れる担当者がいる ・企業②|担当者が自社と業界に精通している ・企業③|担当者が施策自体に”熱意”がある また、記事制作を外注する際には、基本的に以下のような業務フローを構築するようにしましょう。 (図解挿入) この記事では、SEOコンサルタントの視点から、SEO記事制作を外注する際に成果を出すためのポイントを解説します。具体的には、以下の内容について詳しく解説します。 ▼この記事でわかること ・「質の高いコンテンツ」の条件 ・外注を成功させるための社内体制の4つのポイント ・外注業者との理想的な業務フローの6つのステップ |
h2 | 「質の高いコンテンツ」を満たす条件 |
h2 | 条件①|専門性が高いコンテンツである |
h3 | 条件②|経験に基づいた要素を入れる |
h3 | 条件③|サイトの運営主体が権威性がある |
h3 | 条件④|ユーザーのレベルに合ったビジュアル |
〜中略〜 | 〜中略〜 |
h2 | まとめ |
Meta discription | SEO記事制作を丸投げして成功するケースは、経験上まれです。 記事の外注を成功させるには、発注側が外注業者をしっかりと管理することが重要です。 この記事では、SEOコンサルタントの視点から、 SEO記事制作を外注する際に成果を出すためのポイントを解説します。 |
構成に基づき、各化粧品の成分や効果、価格などを調査し、情報を整理します。
STEP⑤|メタディスクリプション決定
メタディスクリプションは、検索結果に表示される記事の説明文です。クリック率に影響を与えるため、SEOに強く、読者の興味を引くメタディスクリプションを作成しましょう。
例えば、以下のようなメタディスクリプションは、読者の検索意図とニーズに応え、クリックを促すものです。
Meta discription | SEO記事制作を丸投げして成功するケースは、経験上まれです。記事の外注を成功させるには、発注側が外注業者をしっかりと管理することが重要です。この記事では、SEOコンサルタントの視点から、SEO記事制作を外注する際に成果を出すためのポイントを解説します。 |
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【例文付き】Meta discription(メタディスクリプション)とは?SEOへの効果や文字数や書き方を解説。
STEP⑥|執筆
構成とリサーチに基づき、記事を執筆します。SEOに強く、読者の検索意図に応える記事を作成しましょう。
例えば、化粧品に関する記事であれば、各商品の成分や効果、価格などを比較検討し、読者のニーズに合った情報を提供します。また、専門家の意見や使用者の口コミなどを引用することで、記事の信頼性を高めることができます。
STEP⑦|写真や図解の挿入
写真や図解を挿入することで、記事の内容を視覚的にわかりやすく表現し、ユーザーの理解度と満足度を向上させることができます。
例えば、化粧品に関する記事では、商品の画像、成分表、使用前後の比較写真などを挿入することで、読者の理解を深め、購買意欲を高める効果が期待できます。特に、以下のようなケースでは、写真や図解を積極的に活用することで、読者にとってさらに分かりやすい記事になります。
- 複雑な情報や概念を説明する文章
- 手順やプロセスを説明する文章
- データや統計情報を提示する文章
- 空間的な関係性を説明する文章
- 抽象的な概念を説明する文章
写真や図解は、文章だけでは伝わりにくい情報を補完し、読者の理解を深めるための強力なツールです。効果的に活用することで、より魅力的で分かりやすい記事を作成し、ユーザーの満足度を高めることができます。
STEP⑧|校正・校閲
執筆した記事を校正・校閲します。誤字脱字や表現の誤りなどを修正し、文章の質を高めます。校正で実施すべきなのは以下の3点です。
校正のポイント | 内容 |
---|---|
誤字脱字のチェック | 単語のスペルミス、送り仮名の誤り、句読点の抜け漏れなどを確認する |
表記ゆれの統一 | 漢字の使い分け、数字の表記、記号の表記などを統一する |
体裁の確認 | 段落のインデント、フォントの種類とサイズ、行間、文字揃えなどを確認する |
また、校閲においては以下の点に気をつけて文章を修正していきましょう。
校閲のポイント | 内容 |
---|---|
事実関係の確認 | 内容に誤りがないか、出典や参考文献を確認する |
論理の整合性 | 文章全体の構成が論理的で、矛盾がないかを確認する |
表現の適切性 | 読者にとって分かりやすい表現になっているか、文体が適切かを確認する |
表現の重複 | 同じ表現が繰り返されていないかを確認し、より適切な言葉に置き換える |
言葉遣いの確認 | 敬語の使い方、差別的な表現がないかなどを確認する |
STEP⑨|CMS入稿・装飾
校正・校閲が完了したら、CMSに入稿します。CMSに入稿する際には、装飾を行いユーザーが読みやすいビジュアルにしていきます。例えば、以下のようなブロックを使用して、パラパラページをめくっても要点を理解できるようにしましょう。
- リスト
- 太字
- アンダーライン
- ボックス
- 表
入稿の際に、ただ、ドキュメント
オウンドメディア運用を成功させるポイント
オウンドメディア運用を成功させるポイントは、以下の5つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント①|すぐに成果を求めない
オウンドメディアは、広告とは異なり、すぐに成果が出るものではありません。SEO効果やコンテンツの蓄積によるアクセス向上には時間がかかります。焦らず、長期的な視点で運用することが重要です。
特に、営業出身の方がオウンドメディアのPMについた際、すぐに成果が出ないとディレクターを責めるケースが見られます。ひどいケースでは、3ヶ月ほどで成果が出ないことから撤退判断を下してしまうこともあります。しかし、オウンドメディアは早くても3ヶ月目からやっと伸び始めるケースがほとんどです。
したがって、「すぐに成果を求める」という姿勢を改める必要があります。そのためにも、KPIを最初は記事数などに設定し、長期的な視点を持つことをメンバーや上長にしっかりと共有しましょう。
ポイント②|顕在層から攻める
オウンドメディア立ち上げ初期は、顕在層(すでにニーズが明確になっている層)のユーザーをターゲットにしたコンテンツを作成することが効果的です。顕在層は購買意欲が高く、コンバージョンにつながりやすい傾向があります。
例えば、自社製品の購入を検討しているユーザーに向けて、「〇〇(自社製品名)のおすすめXX選!選び方や費用相場を徹底解説」といった比較コンテンツを発信しておくことで、アクセス数が少なくてもCVにつながることがあります。実際に、弊社では300アクセスしかなかった記事から、比較記事経由で数十万円規模の受注に成功したこともあります。
オウンドメディア立ち上げ初期は、顕在層をターゲットにしたコンテンツで早期の成果を目指し、徐々に潜在層へのアプローチも強化していくことが重要です。
ポイント③|運用改善を必ず実施する
オウンドメディアの運用は、一度コンテンツを公開すれば終わりではありません。アクセス解析やユーザーの反応を分析し、アクセスはもちろんCVRの改善を繰り返すことが重要です。
例えば、アクセス数が伸び悩んでいる記事があれば、タイトルや内容を見直したり、SEO対策を強化したりすることで改善を図ることができます。また、アクセスはあるにも関わらず、CV数が伸び悩んでいるケースは非常に多いです。こうした際は、CVまでの導線を少なくとも月1回は見直すようにしましょう。
このように改善を継続することで、確実に利益につながるオウンドメディアへと成長させることができるでしょう。
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SEO記事のリライトマニュアル|記事の選定基準と得られる効果を解説。
ポイント④|効果測定を定期的に実施する
オウンドメディアの運用効果を測定し、目標達成に向けた進捗を確認することも重要です。KPIを設定し、定期的に効果測定を行うことで、改善すべき点を明確にできます。
例えば、KPIとしてCVR(コンバージョン率)を設定した場合、定期的にCVRを測定し、目標達成に向けた施策を検討することができます。目標との乖離が発生した場合には、GA4やMicrosoft Clarity、検索順位チェックツールなどを活用してボトルネックを特定し、迅速に次の改善策を実行できるようにしましょう。
そのためにも、週次で数値を確認する癖を身につけるようにしましょう。特にマーケターやディレクターは、毎日も
ポイント⑤|情熱のある担当者をアサインする
オウンドメディアの運用には、継続的な努力と情熱が必要です。担当者のモチベーションが、オウンドメディアの成功に大きく影響します。特にコンテンツディレクターには、勤勉で学習意欲の高い人材を配置することで、良質なコンテンツを生み出すことができます。
精神論ではないですが、熱意のこもったコンテンツはユーザーに伝わり、検索順位にも良い影響を与えることは、弊社の経験からも明らかです。
したがって、オウンドメディアの運用に情熱を持ち、積極的に改善に取り組める担当者をアサインすることが重要です。また、メンバー全員が一体となってオウンドメディアの運用に熱意を注ぐことができれば、さらなる成功の可能性を高めることができるでしょう。そのためにも、定期的な懇親会なども有効な手段と言えるでしょう。
まとめ
オウンドメディアの成功には、長期的な視点、継続的な改善、そして情熱が不可欠です。短期的な成果に囚われず、腰を据えてコンテンツの質を高め、SEO対策やCVR改善など、データに基づいた施策を粘り強く続けましょう。そして何よりも、担当者一人ひとりの情熱が、ユーザーの心を動かすコンテンツを生み出し、オウンドメディアの成長を加速させる原動力となります。オウンドメディア運営はマラソンです。焦らず、諦めず、チーム一丸となってゴールを目指しましょう。