オウンドメディアは、資産性の高い集客チャネルとして長期的な効果が期待できる一方、LP(ランディングページ)はその流入をコンバージョンへと導く受け皿として機能します。両者は役割が明確に異なりますが、集客(入口)と受け皿(出口)の双方を設計しなければ、成果に直結するオウンドメディア施策は実現しません。
また、一般的に「LP=受け皿」として認識されがちですが、LP自体をSEO最適化することで、検索上位表示を狙える集客チャネルとしても活用可能です。そのためには、オウンドメディアからの内部リンク設計や、外部サイトからの被リンク獲得といったSEO施策を組み合わせることが重要です。
本記事では、オウンドメディアとLPそれぞれの役割の違いを整理したうえで、SEOによる集客とCV(コンバージョン)獲得を両立させるための導線設計と構築方法を、明確なステップで解説します。
- オウンドメディアとLPの役割の違い
- SEOを活用した導線設計と流入最大化の方法
- LPで成果を出すための具体的なポイントと注意点
- フェーズ別に取り組むべき施策とその順序
オウンドメディアとLPの役割の違い
(図解)
オウンドメディアとLPは、どちらもCV獲得に貢献する重要なWeb資産ですが、その役割と使い方はまったく異なります。
片方だけではCVを最大化できず、それぞれの強みを理解したうえで戦略的に組み合わせる必要があります。
| 比較項目 | オウンドメディア![]() | LP(ランディングページ)![]() |
|---|---|---|
| 主な目的 | 集客(認知・興味喚起) | CV(問い合わせ・購入)獲得 |
| 集客経路 | SEO(自然検索流入)中心 | 広告流入が中心(SEOも可) |
| ターゲット層 | 潜在層〜顕在層 | 顕在層〜確定層(比較・検討〜意思決定) |
| コンテンツ形式 | 記事型 (ノウハウ・事例・コラム) | 1ページ完結型 (セールスライティング中心) |
| 検索キーワードとの親和性 | ◯ 高い(検索意図に基づく) | △ 一部あり(SEO最適化した場合) |
| コンバージョン導線 | △ 間接的(記事内リンクや資料DL) | ◯ 直接的(CTA・フォーム・ボタン) |
| 信頼構築 | ◯ 情報提供による信頼獲得 | △ 実績・証言による信頼訴求 |
オウンドメディア|集客を目的とした媒体
オウンドメディアは検索エンジンからの自然流入を中心に、見込み顧客を継続的に集客するための自社メディアです。中長期的な視点でユーザーとの接点を増やしながら、認知・興味・関心を醸成し、最終的なコンバージョン(CV)拡大を目指すことを目的としています。

ユーザーの検索意図に沿った記事型コンテンツを制作することで、潜在層から顕在層まで幅広くアプローチできます。購買行動の前段階にいるユーザーに対して有益な情報を提供し、信頼関係を構築した上で、商品・サービスへの問い合わせや購入へと導く役割を果たします。
たとえば、特定の課題解決に役立つノウハウ記事や事例紹介記事は、「今すぐ購入するつもりはないが、情報収集中である」ユーザーとの最初の接点になります。
特にBtoB領域では、記事内でホワイトペーパー(お役立ち資料)ダウンロードをCVポイントに設定することで、見込み顧客の情報を獲得し、リード育成(ナーチャリング)へとつなげることも可能です。
LP(ランディングページ)|CVを最大化するページ
LP(ランディングページ)は、顕在的なニーズを持つユーザーに対して、購入・問い合わせ・資料請求などの具体的なアクションを促すためのページです。その目的は「集客」ではなく、ユーザーを説得し、成約へ導くことに特化しています。

LPがこの役割を担えるのは、1ページ内で「課題への共感 → 解決策の提示 → 実績や信頼性の証明 → CTA(行動喚起)」までを一貫して設計できるからです。ユーザーを迷わせることなく、目的の行動に集中させる導線設計が可能になります。
一方、オウンドメディアが広く浅くユーザーを集める「認知・興味」フェーズを担うのに対し、LPは絞り込まれたテーマや明確なペルソナに対して、深く刺さる訴求を行う「比較・検討〜意思決定」フェーズを担当します。たとえば、「特定サービスの比較」や「料金・費用説明」など、商談直前層が求める情報に特化して構成されます。
一般的には、Web広告などで集客を行い、LPに着地させてCVを獲得するケースが多く見られます。しかし、LP自体をSEO最適化し、検索流入を直接獲得する運用も可能です。いずれの場合も、LPは“コンバージョン(CV)を獲得するための最終到達点”として設計されるのが基本です。
オウンドメディアとLPでCVを最大化する方法
オウンドメディアもLPも、いずれもコンバージョン(CV)を獲得することが可能です。ただし、それぞれが持つ役割と強みを適切に組み合わせることで、CV獲得の最大化が実現します。
オウンドメディアはユーザーの認知・興味を喚起し、比較・検討フェーズへ導く役割を担い、LPは意思決定を後押しし、最終的なアクションへとつなげる受け皿として機能します。
(図解)
つまり、オウンドメディアで集客し、LPで成約させるという導線を設計することが理想的です。そのうえで、CVを最大化するための代表的な方法は、以下の2つです。
- オウンドメディアからLPへ流す導線設計
- オウンドメディアの力を使ってLP自体でSEO流入を獲得する方法
オウンドメディアからLPへ流す導線設計

オウンドメディアを通じて集客したユーザーは、情報収集の段階や関心レベルが異なります。そのため、ユーザーの状態に応じてLPへ自然に遷移させるためには、カスタマージャーニーを前提とした導線設計が不可欠です。ここでは、ユーザーのフェーズを以下の3つに分けて導線設計を解説します。

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- 顕在層
- 準顕在層
- 潜在層
顕在層(比較検討)への導線
顕在層(比較検討層)は「課題を自覚し、すでにサービスを探している層」です。この層に対しては、記事の中に明確なCTA(ボタンやバナー)を設置し、LPに直接遷移させることが最も有効です。
たとえば、比較記事・費用解説記事・サービス解説記事などは、この層にとって強い関心を引く内容です。これらの記事内には、「今すぐ〇〇の詳細を見る」や「資料ダウンロードはこちら」といった訴求でLPへリンクさせましょう。
導線は“目立つ・迷わない・即行動できる”が原則です。特にモバイルユーザーでは、CTAが目に入る位置にないだけで離脱されるリスクが高くなります。
顕在層向け記事には、ファーストビュー直下・中段・記事末の3箇所にCTAを配置することがCV獲得の基本です。
準顕在層への導線
準顕在層とは、「課題の存在は認識しているが、まだ具体的なサービス検討には至っていない層」を指します。この層には、課題の深掘りや比較情報を提供しながら、段階的にLP(ランディングページ)へ誘導する設計が求められます。
基本的に「情報収集」を目的としているため、有益な情報を提供しつつ、自然にCV(コンバージョン)へ至る行動変容を促す導線設計が重要です。
LPを活用する際は、記事内容から自然にLPへ流れるようなライティング構成を意識することで、CV獲得を実現できます。たとえば、記事内で課題の解決策を提示した後に、より詳しい情報をLPで案内するといった形でスムーズに誘導できます。
また、「〜が気になる方はこちらの記事もおすすめです」といった関連記事への内部リンクを設置して、段階的にLPへ導く方法も効果的です。さらに、成功事例集などの資料ダウンロードをCVポイントに設定し、浅いリードを獲得したうえでインサイドセールスへ引き継ぐといった運用も有効です。
潜在層への導線
潜在層とは、「そもそも自分の課題に気づいていない層」を指します。この層へのアプローチでは、気づきや共感を喚起する“ハウツー記事”や“コラム記事”を起点とした導線を設計することが重要です。ここでは、あまり顕在層向けのLPへの誘導は適していません。
潜在層は回遊行動が前提となるため、記事同士を内部リンクで連携させ、段階的にLPへ導く導線設計が欠かせません。特に、準顕在層向けの記事へ誘導し、段階的に顧客を教育することで、CV(コンバージョン)につながる確率を高められます。また、LINE登録やホワイトペーパーのダウンロードといった軽い行動をCVポイントに設定するのも効果的です。
もし特にホワイトペーパーのダウンロードを主目的にしたい場合は、専用のLPを作成・設置してCVR(コンバージョン率)を最適化する方法もあります。ただし、こうしたLP設置は制作コストとの費用対効果を踏まえて判断することが望ましいでしょう。
オウンドメディアの力を使ってLP自体でSEO流入を獲得

このパターンですと、LP自体を検索エンジン上で上位表示させることで集客をすることができます。この施策が有効になる前提として、オウンドメディアとLPが同じドメイン内にあることが前提です。
ここでは、LP単体でSEO流入を得るために必要な要素を5つ解説します。
- 記事からの内部リンク
- 記事によるテーマ性の強化
- LP自体のSEO最適化
- LPへの被リンク獲得
- 商材・サービスの事例記事・口コミの掲載
記事からの内部リンク
LPを上位表示させるうえで、オウンドメディア内の記事からの内部リンクは最も効果的なSEO施策の1つです。Googleはページ評価において、内部リンク構造を「関連性のシグナル」として強く扱っており、特定のLPに関連性の高い記事からリンクを集めることで、評価の集中(リンクジュースの集約)が可能になります。
例えば、サービスに関連する「〇〇とは」「〇〇のメリット」「〇〇の比較」といったテーマの記事から、該当するLPへ文脈の流れの中で自然にリンクを設置すると、SEO面でもUX面でも効果的です。
重要なのは、「リンク元の記事テーマ」と「リンク先LPの内容」が一貫していることです。アンカーテキストも「詳しくはこちら」といった汎用的な表現ではなく、「〇〇の詳細はこちら」のように、検索意図やLPで上位表示を狙うキーワードを含めた文言にすることで、SEO評価の向上が期待できます。
例えば、「SEO記事制作」でLPを上位表示させたい場合は、「SEO記事制作」というキーワードをできるだけ自然な形で盛り込むようにしましょう。実際に弊社では、内部リンクのアンカーテキストにこのキーワードを含めることで、「SEO記事制作」や「記事制作代行」といった関連キーワードでの上位表示を実現しています。

内部リンクは「LPの評価を引き上げるための装置」であると捉え、オウンドメディア全体の構造設計や導線戦略に組み込むことが重要です。
記事によるテーマ性の強化
LPをSEOで上位表示させるには、単体のページ評価だけでなく、ドメイン内の“トピック一貫性”が必要です。このときに活用すべきなのが、トピッククラスター構造による記事群の構築です。

たとえば「SEO記事制作代行」のLPがある場合、その周囲に「seo記事とは」「seo記事 書き方」「seo記事 種類」などの関連記事を制作・公開することで、Googleに対して「このドメインはこのテーマに強い」と伝えることができます。
この一貫性が、LPの“テーマドメイン力”を裏打ちする評価指標となり、自然検索での上位表示を支えます。
また、各記事はLPに内部リンクすることで、評価の流入と専門性の連動を両立させることが可能です。単体LPでは戦えないビッグキーワードでも、記事群での評価形成+リンク集約という仕組みを使えば、上位化を狙えます。
LP自体のSEO最適化
オウンドメディアの支援を受けながら、LP自体にもSEO設計が不可欠です。単に広告用に作られたLPではなく、検索エンジンが読み取りやすく、かつユーザーが理解しやすい構造に整えることが必要です。
最初に見直すべきは、タイトルタグ・メタディスクリプション・hタグ構造です。検索意図にマッチしたキーワードを含みつつ、情報の階層が正しく伝わるようにHTMLを設計しましょう。
また、構造化データ(FAQ、サービス、パンくずなど)の活用も重要です。Googleが内容をより正確に把握し、検索結果上でリッチスニペットとして表示される可能性が高まります。
もちろんこうした、内部対策的な要素も重要ですが何よりも重要なのが「検索意図」を満たした内容にするということです。そのために、
| 項目 | 検索意図に見合った課題喚起(〜な悩みはないですか?) | 他社との違い(比較検討ニーズ) | 安心感・信頼性(企業ロゴ・担当者の顔出し) | 検索意図を満たすサービス内容 | FAQ(潜在ニーズを満たす) |
|---|---|---|---|---|---|
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | |
| 目的・役割 | ユーザーの検索意図と一致させ、興味を引きつける | 比較検討層に向けて差別化を訴求 | 信頼性を高め、導入の心理的ハードルを下げる | 検索意図に対して具体的な解決策を提示 | 潜在的な疑問や不安を解消し、離脱を防ぐ |
| 記載ポイント・具体例 | 「〜でお悩みではありませんか?」など課題提示型の導入文 | 実績・料金・サポート内容など他社比較で優位性を示す | 顧客ロゴ・担当者写真・導入事例で信頼性を強化 | 機能・料金・導入効果をユーザーの目的に沿って説明 | 「導入期間は?」「サポート体制は?」など想定質問に回答 |
LPへの被リンク獲得
LP自体を外部から評価させるためには、被リンクの獲得も欠かせません。Googleは被リンクを「第三者からの信頼の証」として扱っており、LPが信頼されているかどうかを判断する強いシグナルとなります。
ただし、LPはコンテンツ量が少なく、他サイトから自然にリンクされにくい傾向があります。そこで重要なのが、外部ドメインサイトからリンク獲得をすることです。
弊社が「SEO記事制作」で1位を獲得した際には、相互リンク営業を実施しました。その際、リンクを掲載していただく際のアンカーテキストに「記事制作代行」や「SEO記事制作代行」などの関連キーワードを含めてもらうよう交渉を行い、良質かつ関連性の高い記事からのリンクを獲得しました。
商材・サービスの事例記事・口コミの掲載
検索ユーザーは、購入前に「他の人の体験」や「実績」を重視します。そのため、LPに実際の事例記事や口コミを盛り込むことで、SEOにもCVにも効果的なページになります。
事例や口コミには、以下の2つのメリットがあります。
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| SEO | 継続的にキーワードが含まれるコンテンツが増え、ページの情報量と網羅性が高まる |
| CVR | 社会的証明や信頼性を示すコンテンツとして、離脱防止・転換率向上につながる |
ポイントは、単なる「導入企業ロゴの掲載」ではなく、文章ベースの事例やお客様の声を、構造的に掲載することです。FAQやレビュー形式で構造化しておくと、検索エンジンにも伝わりやすくなります。
また、これらの事例は別記事として独立させたうえで、LPへリンクする形式でも構いません。オウンドメディアとLPの融合設計が、より強固な成果導線を形成します。
オウンドメディアとLPでCVを最大化させるためのポイント
オウンドメディアとLPを正しく連携させればCVは増えますが、構造の設計を間違えると、集客しても成果に結びつかないという課題に直面します。
そこで本章では、両者の効果を最大限に発揮させるために押さえておきたい4つの実践ポイントを紹介します。
- 同一ドメインでオウンドメディアもLPも構築する
- カスタマージャーニーに合わせてLPを使い分ける
- 運営元を明確にするコーポレートサイトもしっかり構築する
- 記事コンテンツをしっかり作りこむ
ポイント①|同一ドメインでオウンドメディアもLPも構築する
結論、オウンドメディアとLPは同一ドメイン内で構築・運用すべきです。これはSEO・CVRの両面で成果を最大化するうえで基本となる設計思想です。
理由は、ドメイン評価が分散せず一元化されることで、オウンドメディアのSEO効果がLPにも波及するためです。サブディレクトリでメディアを運営していれば、被リンクや内部リンクの効果が全体に及び、検索順位が安定しやすくなります。
逆に、LPを別ドメインや外部ツールで作ってしまうと、評価は分断され、内部リンクによるシグナルも失われてしまいます。また、ユーザー側から見ても、ドメインが統一されていることで「安心感」「一貫性」「ブランドの信頼性」が生まれます。
LPとオウンドメディアは“独立した存在”ではなく、“連携することで強くなる資産”です。構造段階から同一ドメインで設計しておくことが、後々の集客・CV獲得の土台になります。
ポイント②|カスタマージャーニーに合わせてLPを使い分ける
LPは1種類で十分と思われがちですが、結論としてカスタマージャーニーに応じた複数LPの設計が必要です。ユーザーの検討フェーズごとに適切な情報設計が変わるため、“1ページで全て解決する”という思想ではCVは伸びません。
理由は、同じサービスでも「何を求めているか」がユーザーによって異なるからです。例えば、「料金で比較したい」「導入事例を見たい」「初めてで概要を知りたい」など、ニーズは多様です。
このような状態に対して1枚のLPですべてを訴求すると、情報過多になり、ユーザーは迷って離脱します。そこで以下のようにLPを使い分けることが有効です。
| フェーズ | 最適なLPの構成 |
|---|---|
| 顕在層(今すぐ) | 成果・実績・申し込みCTA重視 |
| 準顕在層(検討中) | 比較情報・FAQ・導入ハードル解消 |
| 潜在層(課題未認識) | ベネフィット訴求・共感ストーリー中心 |
CVを増やすには、「誰に・いつ・どの情報を届けるか」の精度を高める必要があります。そのためには、フェーズに応じたLPの設計と振り分けが必須です。
ポイント③|運営元を明確にするコーポレートサイトもしっかり構築する
オウンドメディアとLPを整備しても、コーポレートサイト(会社情報)との接続が弱いとCV率は伸びません。特にBtoB商材では、「この会社は信頼できるか?」という視点がCV判断に大きく影響します。
そのため、LPやメディアからコーポレートサイト(運営会社ページや代表挨拶、沿革、所在地、チーム紹介など)へスムーズにアクセスできるようにしておくことが重要です。
また、Googleの品質評価ガイドラインでも「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」の重要性が明記されています。その中でも「運営者情報」や「コンタクト手段の明示」は、検索評価・ユーザー信頼性の両方に影響を及ぼします。
よくある悪い例として、LPはしっかり作っているのに、会社情報ページが簡素・更新されていないケースがあります。これは、せっかくLPで興味を持ったユーザーが、信頼できないと判断して離脱する原因になります。
Webで信頼を勝ち取るには、“会社の顔”も同時に磨いておく必要があります。CVを本気で増やしたいなら、LPだけでなくコーポレートページにも手を入れるべきです。
ポイント④|記事コンテンツをしっかり作りこむ
最後に重要なのは、オウンドメディア側の記事コンテンツの品質です。LPだけでなく、記事が薄い・乱雑・キーワード狙いだけの構成になっていると、導線全体の信頼が崩れます。
SEOで流入を獲得し、LPへユーザーをつなげるには、記事自体が「有益な情報源」として機能していることが前提です。記事制作では以下の点が重要です。
- 読者の検索意図に沿った明確なテーマ設計
- 見出し構成の論理性(PREPやPASONAなど)
- 情報の正確性・更新性・独自性の担保
- CTAや内部リンク設計まで含めた全体設計
また、E-E-A-Tの観点では、著者情報の明記や一次情報の引用も評価対象です。
CV獲得はLP単体では成立しません。オウンドメディア側のコンテンツ設計・運用レベルが全体成果に直結するため、“LPへつなぐための資産”として記事を作りこむことが欠かせません。
オウンドメディアとLPを活用した施策の進め方

戦略だけでなく「具体的にどう進めるか」が明確になっていなければ、成果にはつながりません。
本章では、オウンドメディアとLPを連携させてCVを獲得していくための進行ステップを、以下の3フェーズに分けて解説します。
- フェーズ①|比較検討層の受け皿構築:LPの構築+顕在層記事の構築
- フェーズ②|テーマ性の強化:準顕在層記事+被リンク営業
- フェーズ③|CVR改善:導線改善
フェーズ①|比較検討層の受け皿構築:LPの構築+顕在層記事の構築
施策のスタート地点は、比較検討フェーズにある顕在層を“逃さない仕組み”の構築です。まずやるべきは、LP(ランディングページ)を最優先で作成することです。顕在層はすでにニーズを持っているため、受け皿となるLPさえ整っていれば、少ない流入でもCVが発生します。
LP制作と同時に着手すべきは、「顕在層向けの記事」です。たとえば「〇〇 サービス 比較」「〇〇 導入 メリット」「〇〇 導入事例」といったキーワードに対応する記事を制作し、そこからLPへ内部リンクを通して導線を形成することで、早期にSEO成果が出やすい構造をつくれます。
この段階では、とにかく「LP+CVにつながる導線が最低限ある状態」を早急に実装することがポイントです。初期の指標はCV数ではなく、「記事からLPへの到達率」と「LPからのCVR」に設定しましょう。
フェーズ②|テーマ性の強化:準顕在層記事+被リンク営業
CV導線の“骨組み”を作ったら、次に必要なのは、ドメインとしてのテーマ性と外部評価の強化です。ここでは準顕在層向けの記事を量産し、「この領域に詳しいサイトである」と検索エンジンに伝えるための土台を整備します。
準顕在層向けコンテンツとは、「〇〇とは」「〇〇の選び方」「〇〇の注意点」といった知識・情報提供型のコンテンツです。これらは単体でCVは発生しにくいですが、SEO評価の形成とLPへの評価転送に大きく貢献します。
またこの段階で合わせて取り組むべきなのが、被リンク営業です。LPは自然リンクが得にくいため、関連メディア・提携先などに寄稿や相互紹介を依頼して、外部評価(リンクジュース)を人工的に高める施策が有効です。
フェーズ②は、「ドメインパワー」「トピックオーソリティ」「信頼性」の3要素を一気に高めるタイミングです。この段階を飛ばすと、SEOでのLP上位化は困難になります。
フェーズ③|CVR改善:導線改善
SEO流入やLP構造がある程度整ったら、最終フェーズはCVR(コンバージョン率)を改善する導線設計の最適化です。多くのケースでこのフェーズが後回しになりますが、運用後こそ最もパフォーマンスが改善しやすいポイントです。
具体的には以下の施策を検討しましょう。
- 記事CTAのABテスト(テキスト・位置・デザイン)
- 回遊率・スクロール率の分析と改善
- LP内のFAQ・口コミ・事例の追加
- フォーム導線やボタン位置のUI調整
初期フェーズでは気づかなかった離脱ポイントが、アクセス解析やヒートマップで見えてきます。それに応じて導線を“微調整”していくことで、同じ流入数でもCV数が2〜3倍に伸びることもあります。このフェーズは「全体の最適化」であり、施策の総仕上げともいえます。
まとめ
本記事では、オウンドメディアとLP(ランディングページ)の役割の違いから始まり、CV(コンバージョン)を最大化するための導線設計、SEOの考え方、施策の進め方までを一貫して解説しました。
オウンドメディアとLPは、別々に運用していても成果は出ます。
しかし、本質的には「集客」と「成約」という別の強みを持つ資産を連携させることで、成果を何倍にもスケールさせる構造をつくることができます。
特に以下の要素は、CVを安定的に生み出す仕組みを構築するうえで欠かせません。
- LPを“成約の出口”として最初に整備すること
- オウンドメディアを通じてテーマ性と評価を集約すること
- 同一ドメイン・一貫した内部リンク設計を構築すること
- フェーズごとの施策(構築→強化→改善)を順番に進めること
LP単体、あるいは記事単体で成果が出ない場合でも、構造としての接続や役割分担が明確になることで、一気にパフォーマンスが変わります。
「今どのフェーズにいるのか」「どこにボトルネックがあるのか」を正しく分析し、
オウンドメディアとLPを“戦略的に組み合わせる”という視点を持つことが、CVを安定化・拡大させる最大の鍵です。







