BtoBにおけるオウンドメディアは、BtoCのように感情訴求やブランドイメージだけで成立するものではありません。
ターゲットとなる企業担当者は、社内の稟議や複数のステークホルダーとの調整を前提とした意思決定を行うため、極めて合理的な判断材料を求めています。加えて、検討の約8割は営業接触前にWeb上で完了しているというデータもあり、オウンドメディアの設計・運用は営業戦略の一部として機能しなければ意味を持たないことがわかります。
本記事では、BtoB領域において成果を出すためのオウンドメディアの構築・運用方法について、マーケティングの役割定義、SEOによる集客施策、CV最大化に向けた導線設計、さらには社内体制までを包括的に整理しています。
- BtoBオウンドメディアの戦略的役割と営業支援への貢献
- 購買決定プロセスに対応するための設計上の注意点
- SEOを軸とした集客とリード獲得手法
- 成果につながるCV導線の設計と改善方法
- 社内体制構築と役割分担の最適化
- 業界別の具体的な成功事例とそのポイント
BtoB向けのオウンドメディアは「営業支援」の手段
BtoB企業においてオウンドメディアは、単なる情報発信の場ではなく、「営業活動を支援するための手段」として位置づけるべきです。
BtoB領域では、リード獲得から商談化、受注までのプロセスが長期化しやすく、複数人が意思決定に関わるため、営業が1人で案件をクローズさせることは困難です。こうした背景の中で、オウンドメディアは営業の武器として有効に機能します。

以下のような3つの観点から、BtoBにおけるオウンドメディアの営業支援的役割を捉えることが重要です。
- 資料請求やセミナー申込みなどの「リード獲得」を促進する
- 検討フェーズのユーザーに向けて「役に立つ情報」を提供する
- 記事コンテンツを繰り返し顧客が見れる土台を作りナーチャリングする
このように、BtoBのオウンドメディアは、Web上の名刺代わりではなく、営業プロセス全体を支える「戦略資産」として設計する必要があります。では、なぜBtoB企業においてオウンドメディアが重要なのか。その答えを理解するには、まず「THE MODEL」と呼ばれる営業体制のフレームワークを把握することが欠かせません。
オウンドメディアの前に「THE MODEL」をまず理解する

『THE MODEL』とは、営業プロセスを分業型に構造化する考え方であり、BtoBマーケティングの世界で広く浸透しています。
従来、1人の営業担当がすべてのプロセスを担っていたのに対し、『THE MODEL』では以下のようにフェーズごとに担当が分かれます。
フェーズ | 担当部門 | 目的 |
---|---|---|
マーケティング | マーケティング部門 | 潜在層への認知拡大、リード獲得 |
インサイドセールス | インサイドセールス部門 | リードの絞り込み、商談化 |
フィールドセールス | 営業部門 | 商談からクロージングまでの対応 |
カスタマーサクセス | CS部門 | 契約後の満足度向上とLTV最大化 |
オウンドメディアは、主に「マーケティング」および「インサイドセールス」の領域で活躍します。特に、CVポイントの設計やSEOコンテンツによる流入獲得は、営業担当に「温度の高い見込み客」を引き渡すために必要不可欠です。インサイドセールスとは、いわゆるオウンドメディアなどのマーケティングチャネルから獲得した問い合わせや資料請求などの
加えて、オウンドメディアが蓄積した記事群は、商談中の送付資料としても活用できます。すなわち、オウンドメディアが“営業資料のデジタル化”を担っていると言い換えても過言ではありません。
BtoBの購買検討はWeb上で57%が完了している
BtoBの見込み顧客は、営業担当者に会う前に、自分の課題をネットやSNSを通じて調べ、自力で情報収集・判断するようになっています。実際、CEBの調査によると、平均的な顧客は営業と接触する前に購買プロセスの50%以上を終えており、最大で70%に達することもあるとわかりました。

つまり、顧客が情報収集している段階で「信頼される情報を提供できない企業」は、検討すらされずに機会損失につながるということです。そのため、Web上での情報発信をしていない企業は大きな機会損失をしていることになります。
そのため、資産性の高いSEO経由での流入を見込めるオウンドメディアを立ち上げることで、長期に渡り見込み顧客の検討テーブルに乗っかることができる可能性を高め続けることができるようになるのです。
BtoBのターゲットがサービスを購買するまでの傾向をまず理解するべき

BtoBの商材は意思決定のプロセスが長く、関与者が多いため、オウンドメディアにおける情報設計はBtoCとは根本的に異なります。見込み顧客がどのようにサービスの比較検討を進め、最終的に選定・導入に至るのか、その購買行動の傾向を押さえることが、成功するBtoBオウンドメディア設計の出発点です。
以下の4つがBtoB商材における購買傾向の特徴です。
- 傾向①|購買までの意思決定に時間がかかる
- 傾向②|複数の利害関係者ステークホルダーが意思決定に絡む
- 傾向③|共感よりも論理的根拠を求められる
- 傾向④|営業を呼ぶ前に7割の情報をWebで取得している
BtoBの商材は高単価かつ導入のインパクトが大きいため、意思決定に数週間から数か月かかるのが一般的です。特にSaaSや業務系システムでは、業務フローの変更を伴うことも多く、購買リスクを最小化するために十分な比較検討がなされます。
また、BtoBの購買は、現場担当者だけではなく、上司や経営層、情報システム部門、財務部門など、複数の立場の関係者が関与します。それぞれの立場で重視するポイントが異なるため、オウンドメディアでは多面的なコンテンツが必要です。
BtoCにおいては「共感」や「感情訴求」が購買に大きく影響しますが、BtoBでは「論理的な根拠」が重視されます。購買が失敗した際の業務への影響や責任が大きいため、「安心して導入できる材料」がなければ意思決定には至りません。
そのため、記事では「なぜこの課題が発生するのか」「なぜこの手段が効果的なのか」といった因果関係の説明が重要になります。また、客観的な統計データや市場動向、他社との比較など、裏付けを伴った主張によって、読者の納得感を高めることが求められます。
BtoBマーケティングの中でのオウンドメディアの役割

BtoBでは検討期間が長期化する傾向があるため、継続的に情報を提供しながら顧客の心理状態に応じて態度変容を促していくことが必要です。その中でオウンドメディアは、「出会い」から「商談化」までの間をつなぐ橋渡し役を担います。オウンドメディアの効果は主に以下の4つに分類できます。
それぞれの効果について、詳しく解説していきます。
役割①|自社サービスの存在・価値を認識してもらう
BtoBの多くの業界では、そもそも顧客にサービスの存在が認知されていないケースが多くあります。競合との違いを伝える以前に、「そもそもこういう課題があって、こういうソリューションが存在する」ということを理解してもらう必要があります。
オウンドメディアは、こうした無関心層・潜在層への情報接触を担う役割があります。業界課題、法改正、業務効率化など、読者の課題意識を喚起する記事コンテンツを通じて、ユーザーの「気づき」を誘発します。ただ、記事をただ公開するだけでなく、フローティングバナーや文中にCTAを設置しておくことで顧客から認知を獲得することができます。

この「気づき」こそが、その後の検討フェーズへと進む最初の入り口であり、オウンドメディアが顧客接点の第一線を担っていることの証明です。
役割②|問い合わせや資料請求を通じてリード情報を獲得
オウンドメディアでは、記事を通じて読者をWebサイト内の導線へと誘導し、具体的なアクションに繋げることができます。例えば、以下のような導線設計があります。
- お役立ち資料のダウンロードフォーム
- サービス紹介ページへの内部リンク
- セミナー・イベントへの参加申込み
これらの接点を通じて、企業名・部署名・メールアドレスなどのリード情報を取得することが可能です。たとえば、以下のスクリーンショットは「お役立ち資料」のダウンロードフォームの一例です。このように、顧客に情報を入力してもらう代わりに資料を提供する仕組みを構築し、リードを獲得します。

単にアクセスを集めるだけでなく、明確なコンバージョンポイントを設けることが、オウンドメディアのROIを高める第一歩です。
役割③|短期商談化が難しい見込み顧客の関係を育成
すぐには導入につながらないが、将来的に検討余地があるリードに対して、オウンドメディアは情報提供を通じて関係性を維持・深化させる役割を担います。これがいわゆる「ナーチャリング(リード育成)」のフェーズです。
ナーチャリングでは、メルマガやステップメールを活用しながら、見込み顧客に合わせて適切な情報を届けていきます。記事コンテンツそのものが、これらの情報提供の原資となります。
「記事→資料DL→メール配信→再訪問」といった接触の連鎖を通じて、少しずつ態度変容を促し、温度感を高めていくことで、営業部門への引き渡しの精度も向上します。
役割④|営業に引き渡すための高品質な見込み顧客を育成
最終的にオウンドメディアの果たすべき役割は、営業に「商談化可能な見込み顧客」を引き渡すことです。CVしてきたリードの中には、まだ情報収集段階の層も含まれます。そこで、コンテンツやメール配信によって徐々に見込み度合いを高め、ホットリードへと育成していきます。
育成されたリードは、営業にとって「価値ある接点」となります。何に関心があり、どのコンテンツを読んだかが記録されていれば、初回接触時点でニーズに即した提案が可能となり、商談化率も向上します。
このように、オウンドメディアは営業プロセスを“温度の高い状態”から始めるための装置としても非常に有効です。
BtoBオウンドメディアでSEO経由でアクセスを集めるための施策

また、BtoBのユーザーは検討段階が明確であることが多く、「課題解決」に対する検索意図もはっきりしています。つまり、SEOに最適化されたコンテンツを用意することで、「今まさに情報を求めている見込み顧客」と接点を持つことが可能になります。SEO施策としては以下の4点が基本です。
- SEOコンテンツ制作
- SEO記事リライト
- 被リンク営業
- 内部リンク構築
それぞれの施策について、順に解説していきます。
施策①|SEO記事制作
SEO記事制作は、検索流入の基盤を作る最も重要な施策です。BtoB領域では「製品名」や「サービス名」のような指名検索ではなく、「業界課題」や「業務改善」に関する情報検索が多く行われています。
単なるサービス紹介ではなく、課題解決系のキーワードに対して記事コンテンツを配信することが効果にも繋がりやすくなります。
業界カテゴリ | キーワード例 | 検索意図・背景 |
---|---|---|
人材業界 | 人材業界 課題 / 採用市場 課題 / 離職率 改善 | 採用難・人材不足・若手の定着に関する構造的な問題を把握したい |
SaaS業界 | SaaS業界 課題 / サブスクモデル 離脱率 / SaaS 人材不足 | 業界としてのスケール課題や人材確保への対応を調査中 |
DX領域 | DX 推進 課題 / 業務改革 成功事例 / DX人材 育成方法 | DX人材不足や導入定着の課題を把握し、自社導入に備えたい |
コンサル業界 | コンサル業界 課題 / コンサル 人材不足 / コンサル採用 難化 | 自社組織拡大に向けての採用や人材確保に関心がある |
さらに、記事の構造も重要です。H2・H3ごとの論理的な展開、網羅性の高い見出し、具体的な手順・要点を押さえた文章構成が求められます。
その上で、決裁者が納得できるような論理的かつ整然とした文章構成を意識しましょう。特にBtoB領域においては、「いかがでしたでしょうか」「どうしたらいいんだろう……」といったカジュアルな口語表現は、記事全体の信頼性を損なう可能性があります。したがって、やや硬めの文体を基調としつつも、専門的な内容を誰にでもわかりやすく伝えることを目指すのが理想的です。
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【テンプレ付】SEO記事の書き方完全マニュアル|品質の高さを担保する手順を解説。
施策②|SEO記事リライト
コンテンツの更新と改善は、SEO成果を維持・向上させるために欠かせません。過去に書かれた記事も、検索ニーズの変化や検索結果の変動によって順位が下がるリスクがあります。こうした記事に対して、定期的にリライトを行うことで、検索順位とCV率を回復・強化できます。
リライトの対象は、以下のような基準で選定します。
- 基準①|上位表示させたい記事
- 基準②|表示回数が多いキーワードの記事
- 基準③|低品質な記事
- 基準④|クリック率(CTR)が低い記事
- 基準⑤|更新日時が古い記事

これらの記事に対して、キーワード設計の見直し、構成の再設計、具体性の追加、CTAの再配置などを実施します。リライトは新規記事制作よりも工数が少なく、かつ高い費用対効果が期待できます。
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SEO記事のリライトマニュアル|記事の選定基準と得られる効果を解説。
施策③|被リンク営業
被リンクはGoogleの評価指標の中でも非常に強いシグナルです。そもそも、Googleは「Google が掲げる 10 の事実」の中で、ページ間のリンクを「投票」としています。
PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。特許を取得した PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最も良い情報源として投票されているかを分析します。
引用元:Google が掲げる 10 の事実
そのため、外部サイトからのリンク(=被リンク)を増やすことで、検索エンジンからの評価を増やすことができるようになります。特にBtoB分野ではコンテンツの専門性が高いため、自然発生的な被リンクだけに頼るのではなく、意図的に外部ドメインからのリンク獲得を図る必要があります。
営業の対象としては、以下のような媒体が挙げられます。
媒体の種類 | 内容 |
---|---|
業界メディア | ニュース系ポータル、業界専門のニュースサイトなど |
提携企業のWebサイト | パートナー企業の導入事例ページ、サービス比較記事など |
Q&Aサービス | Yahoo!知恵袋、Quoraなどへのナレッジ提供 |
営業的にアプローチする際は、リンクの見返りとして記事提供や取材協力を申し出るなど、Win-Winの関係性を築くことが重要です。
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施策④|内部リンク構築
オウンドメディア内の情報を整理・接続する内部リンクは、ユーザビリティとSEOの両面において大きな効果があります。検索エンジンにとっても、「どのページが重要か」を判断する材料になり、クローラビリティ(クロールのされやすさ)も向上します。
内部リンクを適切に設計することで、以下のような効果が得られます。
- 理由①|クロールされやすくなるから
- 理由②|遷移先にリンク評価を渡すことができるから
- 理由③|ユーザービリティを高めることができる
特に、「施策カテゴリ」「業種別事例」「導入フロー」など、テーマに基づいた記事のグルーピングおよび内部リンク設計を行うことで、ユーザーの利便性が高まり、コンバージョン精度の向上にもつながります。
さらに、オウンドメディア内の記事同士をトピッククラスターとして相互に関連付けることで、ドメイン内のテーマ性を強化できるほか、ユーザーの回遊性向上にも寄与します。

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BtoBオウンドメディアでCVを獲得するための施策

BtoB領域では特に、問い合わせ・資料請求・セミナー申込み・ホワイトペーパーダウンロードといった“間接的なCV”が中心となるため、適切な接点と導線設計が求められます。
CV最大化のための代表的な施策は、以下の4つです。
- CVR/EFO改善施策
- メールマガジン導線構築
- ホワイトペーパーDL導線構築
- セミナー・ウェビナー申込み
それぞれの施策について、詳しく解説します。
施策①|CVR/EFO改善施策
CVR(コンバージョン率)の向上は、リード数を増やすために最も即効性の高いアプローチです。多くのオウンドメディアでは、記事閲覧後のフォーム離脱が大きな機会損失となっています。このCVR改善において重要なのが、EFO(Entry Form Optimization)=入力フォームの最適化です。以下のようなポイントを改善対象とします。
- フォーム項目数を必要最低限に絞る
- 「必須項目」やエラーメッセージの視認性を高める
- フォームの離脱率をGA等で可視化して改善箇所を特定する
加えて、CTA(Call To Action)の文言や配置、ボタンの色・サイズも定量的にA/Bテストを行い、データに基づいて最適化していくことが重要です。
施策②|メールマガジン導線構築
BtoB領域では、1回の訪問でCVに至るケースは稀であるため、リード情報を取得した後に複数回接触できる体制を整えることが欠かせません。その代表的な手法が、メールマガジン(メルマガ)による情報提供です。

記事閲覧後のポップアップやフッターに「お役立ち情報を配信」などの文言を設け、フォーム入力を促す仕掛けが必要です。特に以下のような工夫が効果的です。
- 週1回程度の配信頻度で信頼関係を構築する
- 記事との親和性が高いテーマで構成された配信内容にする
- 配信登録の際に、興味カテゴリを選択できるようにする
このように、メルマガを通じて見込み顧客とのタッチポイントを維持することで、将来的な商談機会に繋げるリードナーチャリングが可能になります。
参考:【2025年5月最新】メール配信システムおすすめ比較20選!専門家が図解とランキング形式で解説
施策③|ホワイトペーパーDL導線構築
ホワイトペーパーは、BtoBオウンドメディアにおける「CV促進の最重要コンテンツ」の一つです。ホワイトペーパーとは、企業が特定の業界課題や専門的なトピックについて詳細な情報や分析を提供する情報資料です。B2Bマーケティングにおいて非常に効果的なコンテンツ形式として広く活用されています。
具体的で深い情報をPDF化したものを提供することで、ダウンロードフォーム入力をしてもらうことを顧客に対して誘導することができます。

導線設計では、以下のような工夫をするとCV率が高まります。
- 関連する記事内でホワイトペーパーの内容を一部抜粋し紹介する
- 「DLすることで得られる知識・メリット」を明示する
- ダウンロード後に自動でステップメールに登録される仕組みを構築する
ホワイトペーパーは一度作れば、複数の記事で流用できる“汎用的なCVコンテンツ”としても活用可能です。商談前の初期教育コンテンツとしての役割も果たします。
施策④|セミナー・ウェビナー申込み
リアルまたはオンラインでのセミナーやウェビナーは、リードとの信頼関係を構築する上で極めて有効な施策です。特に検討段階が深まったリードに対して、直接的なアプローチのきっかけになります。
記事やホワイトペーパーで課題感を喚起した後に、「さらに詳しく知りたい方へ」という導線でセミナー誘導を行うと、非常に自然なCV導線になります。

開催告知ページには、以下の情報を網羅しておくと申込み率が上がります。
- 開催日時、対象者、参加費
- 登壇者の肩書とプロフィール
- セミナーで得られる具体的な学び
セミナー終了後には、参加者へのアンケートやお礼メールから商談化への流れを設計することで、CVだけでなく受注までのリードタイムを短縮できます。
BtoB企業のオウンドメディアを活用した成功事例
BtoB企業がオウンドメディアを活用して成果を上げている事例は、業種・業界を問わず多数存在します。成功事例に共通するポイントは、「単なる記事更新に留まらず、戦略と連動した情報設計がなされていること」です。
加えて、自社の営業プロセスや顧客層に適したメディアの役割を定義した上で、明確なKPIを設定し、継続的に改善が施されているという点でも共通しています。以下では、業界・目的が異なる代表的なBtoBオウンドメディアの事例を5つ紹介します。
成功事例①|才流メソッド(才流:コンサル)

『才流(サイル)』はBtoB専門の営業・マーケティング支援を行うコンサルティング企業です。自社オウンドメディア『才流メソッド』では、戦略設計や営業支援の実践ノウハウを体系的に公開しており、マーケ・営業担当者の間で信頼を得ています。
このメディアは、「資料請求・問い合わせに繋げるだけ」でなく、「才流のコンサルに頼らずとも成果を出せる知見を提供する」というスタンスが特徴です。結果として、質の高いリードの自然流入が継続的に得られ、問い合わせ時点で商談化率も非常に高くなるという構造が出来上がっています。
成功事例②|Hubspotブログ(Hubspot:SaaS)

インバウンドマーケティングツールを提供する『Hubspot』は、自社ブログを通じて全世界的に成功を収めた典型的な事例です。日本語版でも、SEO設計された大量のコンテンツを戦略的に蓄積し、マーケティング担当者が抱える課題を段階別に解決する構成を実現しています。
特に強いのは、以下のような導線設計です。
- 課題解決記事→資料DL→無料ツール登録
- フリーミアムモデルを活用したリード獲得→ナーチャリング
このように、ブログが単なる記事メディアにとどまらず、プロダクトへの自然接触を促す“CVマシン”として機能しています。
成功事例③|人事ZINE(OfferBox:人材)

新卒採用プラットフォーム『OfferBox』が運営する『人事ZINE』は、人事担当者の“情報収集ニーズ”を徹底的に掘り下げたメディアです。「法改正対応」「採用広報」などの実務課題に対して、網羅的かつ実務的な解決記事を展開しています。
特筆すべきは、各記事に設定されたホワイトペーパー導線の自然さです。記事の読了後に「この課題に対する解決手順を詳しく知りたい方はこちら」といったCTAが設けられ、CV率を高める仕掛けが随所に見られます。
アクセス数についても、「Ahref」というアクセスツールを見ても2万近くのトラフィックを集めています(推定5万)。

成功事例④|ナレッジ(SalesMarker:SaaS)

『SalesMarker』が展開する『ナレッジ』は、営業DXやSaaS導入をテーマにしたオウンドメディアです。特徴は、「ターゲット企業に刺さるペルソナを起点としたコンテンツ戦略」です。検索流入を主軸としつつも、営業資料としても活用できるよう、記事の構造が整理されている点が特徴です。
また、初回訪問時からホワイトペーパー、セミナー情報、導入事例といった複数のCVポイントが設けられており、リード育成フェーズごとに接点を取りやすい導線が設計されています。
アクセス数についても、「Ahref」というアクセスツールを見ても2万近くのトラフィックを集めています(推定5万)。

まとめ
BtoB企業にとってオウンドメディアは、単なる情報発信ではなく「営業支援の中核」を担う存在です。特に、見込み顧客の約7割が営業接触前にWeb上で情報収集を完了している今、検索で見つかり、信頼されるコンテンツがなければ、検討対象にすら入れないのが現実です。
そのためには、SEOによる戦略的な集客設計、CVポイントを意識した導線設計、意思決定者を納得させる論理的な記事設計が欠かせません。
「検索順位の海賊」では、アフィリエイターとして成果を出し続けてきたプロ人材が、実戦で培ったノウハウをもとに、リード獲得から商談化に直結するオウンドメディアを構築します。BtoBマーケティングに本気で取り組みたい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。