SEOにおける外部対策とは、Webサイト外部からの評価を高めることで検索エンジンのランキングで上位表示を目指す施策のことです。外部対策を適切に行うことで、検索エンジンのランキングで上位表示され、Webサイトへのアクセス増加が見込めます。
ただ、誤った方法で外部対策を実施してしまうと、検索エンジンのペナルティを受け、検索順位が下がる可能性もあるため注意が必要です。
そこで、この記事では、SEOの外部対策について、基礎知識から具体的な施策、注意点までを網羅的に解説します。
この記事を読むことで、以下の内容を理解することができます。
SEOの外部対策の概要
SEOの外部対策とは、Webサイト外部からの評価を高めることで検索エンジンのランキングで上位表示を目指す施策のことです。被リンク獲得やSNSでの情報発信など、様々な施策があります。
SEO外部対策とは?
SEOにおける外部対策とは、Webサイト外部からの評価を高めることで検索エンジンのランキングで上位表示を目指す施策のことです。具体的には、サイテーションと被リンクの獲得の二つが外部対策に該当します。
通常のWebサイトであれば、被リンクを通してGoogleから「信頼性」の評価を獲得します。一方で、ローカル店舗やECサイトであれば、サイテーションを通して「人気」や「注目度」の評価を獲得します。
検索エンジンは、こうしたサイト外部の要素を通して、特定のサイトの信頼性や権威性を評価しているのです。こうしたアルゴリズムの動きに対して、積極的に働きかけようとする対策が外部対策になります
SEOにおける外部対策と内部対策の違い
SEO対策で検索順位を向上させるには、外部対策だけでなく内部対策も意識して行う必要があります。内部対策は、Webサイト内部を改善することでSEO効果を高める施策を指します。
外部対策と内部対策の違いは、前者がサイト外部に対する対策であるのに対し、後者はサイト内部のリンクやコンテンツに対する対策である点です。
対策の種類 | 内部対策 | 外部対策 |
---|---|---|
定義 | Webサイト内部の改善を通して、検索エンジンのクローラーがサイトを理解しやすくし、ユーザーにとって価値のあるサイトにするための対策 | Webサイト外部からの評価を高め、検索エンジンからの信頼を得るための対策 |
必要とされるスキルセット | コンテンツ制作能力 エンジニア的な技術 | 事業開発的なスキル |
具体的な施策 | ・コンテンツSEO ・テクニカルSEO ・オンページSEO | オフページSEO L 被リンク獲得 L サイテーション |
補足として、内部対策では、コンテンツSEOとテクニカルSEOの二つに分けることができます。それぞれの施策の内容と目的は、以下の通りです。
テクニカルSEOは、サイト内部のコーディングを最適化する施策です。一方、コンテンツSEOはサイト内部のコンテンツを最適化する施策です。
この記事で解説する外部対策はもちろん、内部対策もサイトの課題に合わせて適切に行う必要があります。
外部対策の実施が検索順位向上に繋がる理由
まず大前提として、検索エンジンが検索結果にサイトを返す仕組みをお伝えいたします。検索エンジンは、主にクローリング→インデックス→ランキングの流れで検索結果に表示されるような仕組みになっています。
その際に、外部対策により、外部からのサイテーションや被リンクを受けているほど、クロールからランキングに至るまでの流れをスムーズに受けやすくなります。キーワード次第では被リンクを受けたページほど上位表示される場合もあります。その理由としては以下の2点が挙げられます。
理由①|信頼性のあるサイトと認識されるから
Googleなどの検索エンジンは、多くの良質なWebサイトから被リンクを受けているサイトを「信頼性が高い」と判断します。
これは、信頼性の高いサイトが、他のサイトから参照される可能性が高いという考えに基づいています。実際に、こうした考え方については「Googleが掲げる10の真実」において言及されています。
特許を取得した PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最も良い情報源として投票されているかを分析します。この手法なら、新しいサイトが増えるたびに情報源と投票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効果も高まります。
引用元:Google が掲げる 10 の事実 – Google
逆に、質の低いサイトやスパムサイトからの被リンクが多い場合は、リンクの効果等を無効化する処置をとっています。そのため、被リンクを獲得する際には、質の高いサイトからのリンクを意識することが重要です。
理由②|クローラーがページを発見しやすくなるから
検索エンジンは、「クローラー」と呼ばれるプログラムを使ってWebサイトの情報を収集しています。クローラーは、Webサイトのリンクを辿って様々なページにアクセスし、情報を収集していきます。
外部対策の一つである被リンクは、クローラーが自サイトのページを発見する経路を増やす効果があります。
多くのWebサイトから被リンクを受けていれば、クローラーが自サイトにアクセスする機会が増え、ページがインデックスされる可能性が高まります。また、SNSでの情報発信も、クローラーがページを発見するきっかけとなります。
このように、外部対策はクローラーがページを発見しやすくすることで、検索順位向上に貢献するのです。
外部対策における具体的な施策とは
SEOの外部対策には、被リンク獲得、サイテーション獲得、ソーシャルメディア対策など、様々な施策があります。それぞれの施策を効果的に活用することで、Webサイトの検索順位向上を目指しましょう。
施策①|被リンク獲得【最重要】
被リンクとは、他のWebサイトから自サイトへのリンクのことです。被リンクは、SEOにおける外部対策の中でも最も重要な施策の一つと言えます。被リンクを獲得することで、検索エンジンから「信頼性が高いサイト」と評価され、検索順位が向上する可能性が高まります。
1. 外部サイトにリンク設置を営業する(被リンク営業)
関連性の高いWebサイトに、自サイトへのリンク掲載を依頼してみましょう。これは被リンク営業でよく使われる手法です。その際、相互リンクではなく、一方的にリンクを貼ってもらうように依頼する方が効果的です。
Webサイト管理者に連絡を取り、自サイトのコンテンツを紹介し、リンク掲載を依頼するメールを送ってみましょう。その際、自サイトのコンテンツが相手のWebサイトのユーザーにとって有益な情報であることをアピールすると、承諾してもらえる可能性が高まります。
具体的なリンク獲得の手法は以下の記事でも詳細に解説しています。
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【メール例文付】被リンク営業とは?反応率を高めるコツと戦略立案手順を解説。
2. 役立つ調査リリースを出す
独自性の高い調査データやレポートを作成し、プレスリリースとして配信することで、メディアや他のWebサイトから被リンクを獲得できる可能性が高まります。特に、弊社がこれまで実施してきた施策の中で、プレスリリース施策は非常に有効でした。
これにより、一気に20件ほどのリンク獲得が可能となりました。
カオスマップをプレスリリースで公開することで、PRTIMESのXアカウントで拡散してもらえます。その結果、掲載された企業がコーポレートサイトなどで自発的に被リンクを設置してくれるケースもありました。
さらに、カオスマップに掲載された企業に被リンク営業をすることで、高確率でリンクを獲得できるようになりました。
3. コーポレートサイトへのリンク設置
自社のコーポレートサイトがある場合は、そこから自サイトへのリンクを設置しましょう。一般的に、企業の歴が長いほどコーポレートサイトは多くの被リンクを獲得しており、ドメインパワーも高い傾向があります。
例えば、弊社が支援している企業様の中には、新しい商材のサイトとコーポレートサイトをリンクしていなかったケースがありました。リンクを設置したところ、検索順位が上昇したという事例もあります。
4. 寄稿を依頼する
専門家やインフルエンサーに、自サイトへの寄稿を依頼するのも有効な手段です。専門性の高いコンテンツは、他のWebサイトから参照される可能性が高く、被リンク獲得に繋がりやすいためおすすめです。
寄稿を依頼する際は、報酬の支払いや記事の内容に関する条件などを明確に伝えましょう。
5. インタビュー記事を制作する
業界の専門家や著名人にインタビューを行い、その内容を記事として自サイトに掲載しましょう。インタビュー記事は、独自性の高いコンテンツとして評価されやすく、被リンク獲得にも効果的です。
インタビュー記事を制作する際は、事前にインタビューの内容についてしっかりと打ち合わせを行いましょう。
6. 独自性のある図解作成をする
複雑な情報やデータを分かりやすく図解化し、自サイトに掲載しましょう。図解は、他のWebサイトから引用される可能性が高く、被リンク獲得に繋がりやすいコンテンツです。
図解を作成する際は、著作権に配慮し、自分で作成した画像を使用しましょう。
7. 共催セミナーを開催する
他の企業や団体と共催でセミナーを開催し、その情報を自サイトで告知することで、被リンクを獲得できる可能性があります。セミナーを開催する際は、参加者にとって有益な情報提供を心がけましょう。
8. 登録型サイトへの登録
様々なWebサイトやディレクトリに自サイトを登録しましょう。登録型サイトには、以下のような様々な種類があります。
- ポータルサイト(Yahoo! JAPAN、gooなど)
- 業界情報サイト
- 政府系機関サイト
- 地域情報サイトなど
自サイトに関連性の高いサイトを選んで登録することで、被リンク獲得やアクセス増加の効果が期待できます。
施策②|サイテーション獲得
サイテーションとは、Webサイト上で自サイトのURLやサイト名が言及されることです。被リンクと同様に、サイテーションもSEOにおける重要な外部対策の一つです。サイテーションを獲得することで、検索エンジンから「注目されているサイト」と評価され、検索順位が向上する可能性が高まります。
1. Googleビジネスプロフィールへの登録
Googleマイビジネスに自社の情報を登録することで、Google検索やGoogleマップで自サイトが表示されるようになり、サイテーション獲得に繋がります。
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上にあなたのビジネス情報を表示できる無料のツールです。ビジネス情報を正確かつ詳細に登録することで、MEO対策だけでなく、サイテーション獲得にも繋がります。
Googleビジネスプロフィールでは、これらの情報を充実させることで、Googleからの評価を高め、サイテーション獲得に繋げることができます。
- 店舗名、住所、電話番号、営業時間などの基本情報を登録する
- 写真や動画を掲載し、視覚的にアピールする
- ユーザーからの口コミを収集し、信頼性を高める
2. プレスリリースの定期的な更新
新商品やサービスのリリース、イベント開催などの情報をプレスリリースとして配信することで、メディアや他のWebサイトで自サイトが言及される機会を増やし、サイテーション獲得を目指しましょう。
結局サイテーションを増やすためには、認知獲得が非常に重要なります。
3. アフィリエイトプログラムの参加
自社の商品やサービスのアフィリエイトプログラムを作成し、他のWebサイトに掲載してもらうことで、サイテーション獲得に繋がります。
アフィリエイトによって、他社のアフィリエイトサイトにおける比較記事等に掲載されることで検索順位の向上を見込むことができるケースもあります。
4. OGPの設定を徹底する
OGP(Open Graph Protocol)とは、Webページの情報をソーシャルメディアで共有する際に、タイトルや説明文、画像などを適切に表示するための設定です。
OGPを設定することで、ソーシャルメディアでの情報拡散を促進し、サイテーション獲得に繋げることができます。
5. 構造化マークアップをする
構造化マークアップとは、Webページの情報を検索エンジンに分かりやすく伝えるための記述方法です。
Google は、Google 検索がページのコンテンツを正確に理解するよう努めています。構造化データを使用してページの意図を伝えると、Google はそのページをより正確に理解できるようになります。構造化データとは、ページに関する情報をさまざまなサイトで活用できるように標準化したデータ形式で、たとえばレシピページでは材料、加熱時間と加熱温度などを詳細に提供できます。
引用元:構造化データ マークアップとは | Google 検索セントラル
構造化マークアップを行うことで、検索結果にリッチリザルトを表示させることができ、サイテーション獲得に繋がる可能性があります。
6. シェアボタンを設置する
Webサイトにソーシャルメディアのシェアボタンを設置することで、ユーザーがコンテンツを簡単にシェアできるようにし、サイテーション獲得を目指しましょう。
実際に、シェアボタンをアイキャッチの下に設置することで、LINEやFacebook、X等でのシェアの割合が大きく上がりました。
外部対策において押さえるべきポイント
SEOの外部対策は、正しく行えばWebサイトの検索順位向上に大きく貢献しますが、誤った方法で行うと逆効果になる可能性もあります。ここでは、外部対策を行う上で押さえるべきポイントを解説します。
ポイント①|コンテンツ品質が高い状態を維持する
外部対策の効果を高めるには、Webサイト自体のコンテンツ品質を高めることが重要です。コンテンツの質が低いと、たとえ被リンクを獲得できても、検索エンジンから高い評価を得ることは難しいでしょう。
これは、Googleをはじめとした検索エンジンのアルゴリズムが、ユーザーに有益な情報を提供することを重視しているためです。
Google の自動ランキング システムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを主な目的として作成された、有用で信頼できる情報を検索結果の上位に掲載できるように設計されています。
引用元:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル
基本的に、被リンク施策についてはサイト内のコンテンツが高い品質を維持している状況が前提となります。
ポイント②|スパム的手法は取らないようにする
外部対策を行う際は、スパム的な手法を用いるのは避けましょう。Googleのスパムに関するポリシーでは、以下のような行為に対してペナルティを課しています。
- 質の低いサイトから大量に被リンクを購入する。
- リンクファームと呼ばれる、相互リンクを目的としたサイト群に登録する。
- 隠しテキストやクローキングなどの不正な手法を用いる。
これらの手法は、一時的に検索順位を上げる効果があるかもしれませんが、検索エンジンのアルゴリズムによって検知され、ペナルティを受ける可能性が高く、結果的に検索順位が大幅に下がる可能性があります。
SEOの外部対策は、あくまでも「ユーザーにとって有益な情報を提供すること」を目的として行うべきです。そのため、スパム的な手法に頼らず、地道に良質な被リンクを獲得していくことが重要です。
ポイント③|短期ではなく長期的な観点から施策を継続する
外部対策の効果は、すぐに現れるとは限りません。被リンクを獲得したり、ソーシャルメディアで情報発信したりしても、その効果が検索順位に反映されるまでには時間がかかる場合が多いです。
そのため、短期的な成果を求めるのではなく、長期的な観点から、根気強く施策を継続していくことが重要です。多くの企業は、外部対策を継続的に実施できていません。そのため、外部対策を徹底できるだけでも競合と大きな差別化を図ることができます。
継続的に良質なコンテンツを作成し、外部対策を実施していくことで、徐々に検索エンジンの評価が高まり、検索順位も向上していくでしょう。
ポイント④|自社の評価を下げないようにする
外部対策を行う際は、自社の評価を下げるような行動は避けなければなりません。特にローカル店舗やECサイトでは、炎上などを起こすと、悪い評判がGoogle検索上に残ってしまう可能性があります。
例えば、以下のような事例が想定されます。
- 顧客を不快にさせるような差別的な発言や、攻撃的な態度をソーシャルメディア上で行う。
- 根拠のない誹謗中傷や、虚偽の情報を拡散する。
- 許可なく他者の著作物や画像を無断で使用し、コンテンツを制作する。
- 個人情報保護法に違反する形で、顧客の個人情報を公開する。
これらの行為は、自社の評判を大きく損ない、検索順位にも悪影響を与える可能性があります。外部対策を行う際は、常に自社のブランドイメージを意識し、信頼性を損なうような行動は取らないように注意しましょう。
まとめ
この記事では、SEOの外部対策について解説しました。外部対策は、被リンクやサイテーションを獲得することで、Webサイトの信頼性や権威性を高め、検索順位の向上に繋がる重要な施策です。
しかし、外部対策の効果はすぐに現れるとは限りません。長期的な視点に立ち、根気強く施策を継続していくことが重要です。また、質の低いサイトからの被リンクやスパム行為は、検索エンジンのペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。
外部対策を行う際は、常にユーザーにとって有益な情報を提供することを心がけ、信頼性を損なうような行動は避けましょう。
この記事で紹介した内容を参考に、適切な外部対策を実施し、Webサイトの検索順位向上を目指してください。