検索クエリは、ユーザーが検索エンジンに入力する単語やフレーズの組み合わせのことを指します。検索クエリには主に以下のような種類があります。似たような言葉に、キーワードがあります。ただ、クエリはユーザーが打ち込んだものである一方で、キーワードはサイト運営者の意図が入ったものになります。

検索クエリの種類を的確に捉えることで、SEOの戦略の精度や質を向上させることができます。なぜなら、検索クエリは実際にユーザーが調べた単語やフレーズであり、ユーザーの「リアル」なニーズを捉えるヒントになります。
そこでこの記事では検索クエリについての前提知識や重要性への理解を深めつつ、具体的にどのように施策に落とし込むのか、どのように分析を進めれば良いのかについて知ることができます。
- 検索クエリとキーワードの違い
- SEOにおける検索クエリの重要性
- 検索クエリの特徴や種類
- 検索クエリの具体的な活用手順
- Googleサーチコンソールでの検索クエリの調べ方と分析改善方法
検索クエリとは?
検索クエリとは、ユーザーが検索エンジンに入力する単語やフレーズの組み合わせのことです。
例えば、「東京 天気」「美味しいラーメン レシピ」などが検索クエリにあたります。ユーザーが求める情報にたどり着くための「質問」であり、検索エンジンは、このクエリを解釈し、関連性の高いWebページを検索結果として表示します。

検索クエリは、ユーザーの興味関心やニーズを直接的に反映しているため、マーケティングやSEOにおいて非常に重要な情報となります。企業は、自社の商品やサービスに関連する検索クエリを分析することで、ユーザーのニーズを把握し、効果的なWebサイトのコンテンツ制作や広告戦略に活かすことができます。
検索クエリとキーワードの違い
検索クエリとキーワードは、どちらもSEOにおいて重要な要素ですが、その意味合いは異なります。検索クエリは、ユーザーが実際に検索エンジンに入力する言葉です。
一方、キーワードは、Webサイトやコンテンツに含まれる単語やフレーズで、検索エンジンがコンテンツの内容を理解するために使用します。
項目 | 検索クエリ | キーワード |
---|---|---|
定義 | ユーザーが検索エンジンに入力する実際の単語やフレーズ | Webサイトやコンテンツに関連付けて設定する単語やフレーズ |
目的 | ユーザーが求める情報を検索エンジンに伝える | 検索エンジンにWebサイトやコンテンツの内容を伝える |
つまり、検索クエリはユーザー側の視点、キーワードはWebサイト側の視点で捉えることができます。SEO対策を行う際は、ユーザーがどのような検索クエリを使用しているのかを分析し、それに合ったキーワードを選定し、コンテンツに盛り込むことが重要です。

SEOにおいて検索クエリが重要な理由
検索クエリを分析することで、ユーザーがどのような情報を求めているのか、どのようなキーワードで検索しているのか、どのような悩みや課題を抱えているのかを把握することができます。
理由①|ユーザーの「生」の情報であるから
検索クエリは、ユーザーが実際に検索エンジンに入力した言葉であり、ユーザーのニーズや興味関心を最も直接的に反映しています。
アンケート調査やインタビューなどの間接的な情報とは異なり、検索クエリはユーザーの生の声を聞くことができる貴重な情報源です。ユーザーがどのような言葉で情報を検索しているのかを知ることで、よりユーザーに寄り添ったコンテンツ制作が可能になります。
理由②|SEOツールでは得られない情報が得られるから
SEOツールは、キーワードの検索ボリュームや競合状況などの情報を提供してくれますが、ユーザーの具体的な検索意図までは把握できません。
例えば、同じキーワードでも、ユーザーの置かれている状況や目的によって、求めている情報が異なる場合があります。検索クエリを分析することで、SEOツールだけでは得られない、より詳細なユーザーのニーズを把握することができます。
理由③|戦略やコンテンツの精度を上げるヒントになるから
検索クエリを分析することで、自社サイトのコンテンツがユーザーのニーズに合っているかどうかを評価することができます。もし、自社サイトが上位表示されていないキーワードで、多くの検索クエリがある場合は、そのキーワードに関連するコンテンツを作成することで、新たなユーザーを獲得できる可能性があります。
また、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかを把握することで、キーワード戦略やコンテンツの改善に役立てることができます。
検索クエリ特有の特徴
検索クエリには、ユーザーの検索意図やニーズを反映したいくつかの特徴があります。
特徴①|具体的な言葉で表現される
検索クエリは、ユーザーが実際に検索エンジンに入力する言葉であるため、口語表現や話し言葉、具体的な製品名やサービス名などが含まれることが多いです。
例えば、「東京 ランチ おすすめ」や「iPhone 15 価格」といった検索クエリは、ユーザーが知りたい情報を具体的に表現しており、キーワードよりも詳細な検索意図を反映しています。
このように、検索クエリは、ユーザーのニーズや興味関心をより深く理解するための貴重な情報源となります。
特徴②|複数のキーワードの組み合わせ
検索クエリは、単一のキーワードだけでなく、複数のキーワードを組み合わせたものが多く存在します。これは、ユーザーがより詳細な情報を求めていることを示しています。
例えば、「東京 旅行 おすすめ」という検索クエリは、「東京」と「旅行」という2つのキーワードを組み合わせたものです。さらに、「東京 旅行 おすすめ カップル」のように、より具体的な情報を求めるために、複数のキーワードを組み合わせるケースもあります。
複数のキーワードの組み合わせを分析することで、ユーザーの検索意図をより正確に把握し、それに合わせたコンテンツを提供することができます。
特徴③|ユーザーの「生」の検索意図を反映
検索クエリは、ユーザーが検索エンジンに入力する際に、どのような情報を求めているのか、つまり検索意図を反映しています。検索クエリは、ユーザーの「生」の検索意図を反映しているため、Webサイトのアクセス解析データやキーワードツールだけでは得られない貴重な情報が含まれていることがあります。
例えば、「美味しいラーメン屋 新宿」という検索クエリからは、ユーザーが新宿で美味しいラーメン屋を探しているという検索意図を読み取ることができます。しかし、この検索クエリには、「ラーメンの種類(醤油、味噌、豚骨など)」や「予算」、「営業時間」といった情報は含まれていません。
検索クエリの種類
ユーザーの検索意図は多種多様であり、検索クエリもその意図に応じて様々な種類に分けられます。ここでは、代表的な4つの検索クエリの種類とその特徴について解説します。
種類①|Knowクエリ (情報収集型)
Knowクエリは、ユーザーが「何かを知りたい」「情報を探している」という意図を持って検索するキーワードです。Knowクエリの特徴は下記の通りです。
- 疑問詞を含む
- テーマに関するキーワード
- 検索ボリュームが比較的大きい
- 直接的なコンバージョンに繋がりにくい
例えば、「インボイス制度とは」「消費税の計算方法」「請求書の書き方」などがKnowクエリに該当します。これらのキーワードで検索するユーザーは、問題解決や知識の習得を目的としており、具体的な行動や購入を検討しているわけではありません。
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種類②|Doクエリ (行動型)
Doクエリは、ユーザーが特定のアクションを実行したいという意図を持って検索するキーワードです。「〇〇 購入」「〇〇 予約」「〇〇 ダウンロード」などのキーワードが含まれます。Doクエリの特徴は下記の通りです。
- 行動を促す言葉を含む
- 具体的な商品名やサービス名を含む
- 比較検討や意思決定に関わるキーワードを含む
Doクエリで検索するユーザーは、具体的な行動を目的としているため、適切な情報やサービスを提供することで、コンバージョンに繋がる可能性が高いです。
種類③|Goクエリ (移動型)
Goクエリは、ユーザーが特定のWebサイトや場所にアクセスしたいという意図を持って検索するキーワードです。「〇〇(企業名)」「〇〇(サービス名) 公式サイト」「〇〇(場所名)」などのキーワードが含まれます。Goクエリの特徴は下記の通りです。
- 固有名詞を含む
- ナビゲーションを目的とする
Goクエリで検索するユーザーは、すでに目的のWebサイトや場所を知っているため、SEO対策としては、自社サイトが正確に認識され、適切なページに誘導されるようにすることが重要です。
種類④|Buyクエリ (購入型)
Buyクエリは、商品やサービスを購入したいという意図を持って検索されるキーワードです。「〇〇(商品名) 価格」「〇〇(商品名) 最安値」「〇〇(商品名) 通販」などのキーワードが含まれます。Buyクエリの特徴は下記の通りです。
- 商品名やサービス名を含む
- 価格や購入に関するキーワードを含む
- 比較検討を目的とする
Buyクエリで検索するユーザーは、購入意欲が高い状態であるため、商品やサービスの魅力を伝えるコンテンツや、購入しやすい導線を用意することで、コンバージョンに繋がりやすくなります。
検索クエリの活用の手順
検索クエリは、ユーザーのニーズや検索意図を把握するための貴重な情報源です。SEO対策に効果的に活用することで、Webサイトへの集客やコンバージョン率の向上に繋がります。ここでは、検索クエリを最大限に活用するための具体的な手順を3つのステップに分けて解説します。
活用法①|選定キーワードのブラッシュアップ
検索クエリを分析することで、SEO対策で選定したキーワードが適切かどうかを判断できます。検索クエリには、ユーザーが実際に検索エンジンに入力した言葉が反映されているため、選定したキーワードと比較することで、キーワードの有効性を検証することができます。
例えば、自社サイトで「SEO対策」というキーワードで上位表示を目指しているとします。しかし、検索クエリの分析結果から、ユーザーは「SEO対策 初心者」や「SEO対策 ツール」といったより具体的なキーワードで検索していることが判明した場合、これらのキーワードに合わせたコンテンツを作成することで、より多くのユーザーを獲得できる可能性があります。
このように、検索クエリを分析することで、選定したキーワードのブラッシュアップを行い、より効果的なSEO対策を実施することができます。
活用法②|コンテンツ制作の精度を上げる
検索クエリは、ユーザーが求めている情報を把握するための重要な手がかりとなります。検索クエリを分析することで、ユーザーがどのような情報を求めているのか、どのようなキーワードで検索しているのか、どのような悩みや課題を抱えているのかを把握することができます。
これらの情報を基にコンテンツを作成することで、ユーザーのニーズに合った情報を提供し、検索エンジンでのランキングを向上させることができます。例えば、「SEO対策 初心者」という検索クエリが多い場合、SEO対策の基本的な知識や初心者向けの手順を解説するコンテンツを作成することで、ユーザーのニーズに応えることができます。
このように、検索クエリを分析することで、コンテンツ制作の精度を上げ、ユーザーにとって価値のある情報を提供することができます。
活用法③|ペルソナの解像度を上げる
検索クエリは、ユーザーの属性や興味関心、検索行動などを把握するための貴重な情報源です。検索クエリを分析することで、ユーザーのペルソナをより具体的に定義することができます。
例えば、特定の商品名やサービス名を含む検索クエリが多い場合、その商品やサービスに興味を持つユーザーが多いことがわかります。また、地域名を含む検索クエリが多い場合は、その地域に住むユーザーが多いことがわかります。
これらの情報を基にペルソナを作成することで、よりターゲットを絞ったマーケティング戦略を立てることができます。例えば、特定の商品に興味を持つユーザーが多い場合は、その商品に関連するコンテンツを作成したり、広告を配信したりすることで、より効果的なマーケティング活動を行うことができます。
Google サーチコンソールでの検索クエリの調べ方
Google サーチコンソールは、Webサイトの検索パフォーマンスに関するデータを無料で確認できるツールです。ここでは、Google サーチコンソールを使って検索クエリを調べる方法について、5つのステップに分けて解説します。
STEP①|Google Search Consoleにログイン

まずは、Google Search Consoleにログインします。Googleアカウントを持っていれば、誰でも無料で利用できます。まだGoogle Search Consoleに登録していない場合は、以下の手順で登録しましょう。
- Google Search Consoleの公式サイトにアクセスする。
- 「プロパティを追加」ボタンをクリックする。
- 所有権の確認方法を選択し、手順に従って所有権を確認する。
STEP②|検索パフォーマンスレポートを開く

Google Search Consoleにログインしたら、左側のメニューから「検索パフォーマンス」をクリックします。すると、「検索パフォーマンス」レポートが表示されます。このレポートでは、サイト全体の検索パフォーマンスに関するデータを確認できます。
STEP③|クエリタブを選択

「検索パフォーマンス」レポートの上部にあるタブの中から、「クエリ」タブを選択します。「クエリ」タブでは、サイトが検索結果に表示された検索クエリと、そのクエリに関するデータを確認できます。
STEP④|検索クエリとデータを確認
「クエリ」タブでは、以下のデータを確認できます。
項目 | 説明 |
---|---|
クエリ | サイトが検索結果に表示された検索クエリ |
クリック数 | 検索結果からサイトに訪問したユーザー数 |
表示回数 | 検索結果にサイトが表示された回数 |
CTR(クリック率) | 表示回数に対するクリック数の割合(クリック数 ÷ 表示回数 × 100) |
平均掲載順位 | 検索結果におけるサイトの平均掲載順位 |
これらのデータを確認することで、自社サイトがどのような検索クエリで表示されているのか、どのクエリからの流入が多いのか、どのクエリで上位表示されているのかなどを把握することができます。
STEP⑤|フィルタリングと並び替えをする

「クエリ」タブでは、フィルタリングや並び替え機能を使って、より詳細な分析を行うことができます。
機能 | 説明 |
---|---|
フィルタリング | 特定のキーワードを含むクエリや、特定の期間のクエリなどを絞り込む |
並び替え | クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位などで並び替える |
これらの機能を活用することで、特定のキーワードの検索パフォーマンスや、特定の期間における検索クエリの変化などを分析することができます。
Googleサーチコンソールでの検索クエリの分析改善方法
Google サーチコンソールで検索クエリを分析することで、WebサイトのSEO対策に役立つ情報を得られます。ここでは、検索クエリデータから読み取れる課題と、具体的な改善方法について解説します。
クリック数 | 表示回数 | CTR | 平均掲載順位 | 改善ポイント |
---|---|---|---|---|
低 | 低 | 高 | 低 | ・コンテンツの改善 ・内部リンクの最適化などにより ・表示回数を増やす |
低 | 高 | 低 | 中〜高 | ・タイトルやディスクリプションの見直し ・検索意図とのミスマッチ解消などにより ・CTRを改善する |
高 | 高 | 低 | 中〜高 | ・コンテンツの品質向上 ・キーワードの最適化などにより ・クリック数を増やす |
低 | 低 | 中 | 低 | ・コンテンツの拡充 ・被リンクの獲得などにより ・表示回数を増やす |
分析法①|クリック数が多いが、表示回数が少ない場合
クリック数が多いということは、ユーザーにとって魅力的なタイトルやディスクリプションが表示されていると考えられます。しかし、表示回数が少ないということは、検索結果に表示される機会が少ない、つまり検索順位が低い可能性があります。
改善策としては、以下の3つが考えられます。
SEO対策 | 説明 |
---|---|
コンテンツの質の向上 | ユーザーの検索意図とニーズに応える、より詳細で有益な情報を追加する。これにより、ユーザーの満足度を高め、滞在時間を長くすることができます。 |
内部リンクの最適化 | 関連性の高いページからの内部リンクを増やす。これにより、クローラーがサイト内を巡回しやすくなり、ページの権威性を高めることができます。 |
被リンクの獲得 | 他のWebサイトから質の高い被リンクを獲得する。被リンクは、他のWebサイトからの推薦状のようなもので、検索エンジンの評価を高めるために重要です。 |
分析法②|クリック数が多いが、CTRが低い場合
クリック数が多いにも関わらず、CTR(クリック率)が低い場合は、タイトルやディスクリプションがユーザーの検索意図と合致していない可能性があります。
改善策としては、以下の3つが考えられます。
SEO対策 | 説明 |
---|---|
タイトルとディスクリプションの改善 | 検索意図とニーズを満たすように、キーワードを含めつつ、より魅力的なタイトルとディスクリプションを作成する。これにより、クリック率を向上させることができます。 |
構造化データの活用 | 構造化データを追加する。これにより、検索結果にリッチスニペットを表示させ、クリック率を向上させることができます。 |
競合調査 | 競合サイトのタイトルやディスクリプションを参考に、改善点を見つける。 |
分析法③|表示回数が多いが、クリック数が少ない場合
表示回数が多いということは、検索結果に表示される機会が多い、つまり検索順位が高いと考えられます。しかし、クリック数が少ないということは、タイトルやディスクリプションがユーザーの興味を引いていない可能性があります。改善策としては、以下の3つが考えられます。
SEO対策 | 説明 |
---|---|
タイトルとディスクリプションの改善 | ユーザーの興味を引くような、より魅力的なタイトルとディスクリプションを作成する。これにより、クリック率を向上させることができます。 |
キーワードの見直し | 検索意図とニーズを満たすキーワードが適切に含まれているか確認し、必要であれば修正する。 |
競合調査 | 競合サイトのタイトルやディスクリプションを参考に、改善点を見つける。 |
分析法④|クリック数と表示回数がどちらも少ない場合
クリック数と表示回数がどちらも少ない場合は、検索順位が低く、タイトルやディスクリプションも魅力的でない可能性があります。
改善策としては、以下の3つが考えられます。
SEO対策 | 説明 |
---|---|
キーワードの見直し | 検索ボリュームや競合状況を考慮し、より適切なキーワードを選定する。これにより、検索結果の上位表示を狙いやすくなります。 |
コンテンツの質の向上 | ユーザーの検索意図とニーズに応える、より詳細で有益な情報を追加する。これにより、ユーザーの満足度を高め、滞在時間を長くすることができます。 |
内部リンクと外部リンクの強化 | 関連性の高いページからの内部リンクを増やし、他のWebサイトから質の高い被リンクを獲得する。これにより、クローラーがサイト内を巡回しやすくなり、ページの権威性を高めることができます。 |