Googleコア(アルゴリズム)アップデートとは、Google検索の根幹を成すアルゴリズム全体に大規模な変更を加えるアップデートです。
Google検索の順位は、ウェブサイトの成功に直結します。特に、コアアップデートは検索アルゴリズム全体に影響を与える大規模な変更であり、対応を誤ればこれまでの努力が水の泡になる可能性もあります。ただ、そのためにはコアアップデートのこれまでの流れをしっかり理解する必要性があります。
しかし、コアアップデートはただ恐れるべきものではありません。その傾向を理解し、適切な対策を講じることで、ウェブサイトの成長をさらに加速させるチャンスにもなり得ます。
この記事では、Googleコアアップデートとは何か、その影響、そして具体的な対策まで、最新情報に基づいて解説します。
Googleコアアップデートの前提知識
Googleコア(アルゴリズム)アップデート
Googleコア(アルゴリズム)アップデートとは、Google検索の根幹を成すアルゴリズム全体に大規模な変更を加えるアップデートです。検索結果のランキングに大きな影響を与える可能性があり、SEO対策において常に注意が必要な要素です。
検索エンジンの根底にある仕組み、つまり検索結果の表示順位を決定するための複雑な計算や評価方法のことを、一般的に「検索アルゴリズム」と呼びます。コアアップデートでは、この検索アルゴリズム自体が変更されるため、検索結果の表示順位に大きな影響を与える可能性があります。
コアアップデートは、Googleが検索結果の品質向上やユーザー体験の改善を追求する上で重要な役割を果たしています。しかし、その影響は広範囲に及ぶため、ウェブサイト運営者にとっては注意が必要なイベントでもあります。
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Googleがコアアップデートを実施する背景・理由
Googleがコアアップデートを行う主な理由は、ユーザーにより良い検索体験を提供するためです。具体的には、以下の3つの目的があります。そもそもGoogleは使命として「世界の情報を整理して誰もが便利に利用できるようにする」を掲げています。
コア アップデートは、全体として、有用で信頼できる結果を検索ユーザーに提供するという Google の使命を果たすことを目的としています。これらの変更は本質的に広範囲にわたるもので、特定のサイトや個々のウェブページを対象とするものではありません。ウェブ上のコンテンツが変化するにつれて、Google は全体としてシステムを評価し、最新の状態に保つために更新を行います。
引用元:Google 検索のコア アップデートとウェブサイト|Google検索セントラル
コアアップデートと他のアップデートの違い
Googleは、コアアップデート以外にも様々なアップデートを実施しています。ここでは、コアアップデートと他のアップデートの違いを明確にしましょう。大前提として、Googleは定期的にアップデートを複数実施していきています。
例えば、スパムアップデートのようにスパム行為を取り締まるアップデートや製品レビューの質を評価するアップデートなど複数の種類があります。その中で、コアアップデートは、検索アルゴリズム全体に影響を与えるため、他のアップデートよりも影響範囲が広く、SEOへの影響も大きくなります。
アップデート名 | 説明 |
---|---|
コアアップデート | Googleの検索アルゴリズム全体に対する大規模な変更。検索結果のランキングに大きな影響を与える可能性があります。 |
スパムアップデート | スパム行為や不正なSEO対策を取り締まるためのアップデート。悪質なサイトやコンテンツのランキングを下げる効果があります。 |
ヘルプフルコンテンツアップデート | ユーザーにとって役立つ、信頼できるコンテンツを上位に表示するためのアップデート。 2024年3月から |
レビューアップデート(旧プロダクトレビューアップデート) | 製品レビューの質を評価し、信頼性の高いレビューを上位に表示するアップデート。 |
ページエクスペリエンスアップデート | ウェブページのユーザー体験(読み込み速度、モバイルフレンドリー性、安全性など)を評価し、検索ランキングに影響を与えるアップデートです。 |
リンクスパムアップデート | 不自然なリンクや低品質なリンクによるランキング操作を防ぐためのアップデート |
モバイルフレンドリーアップデート | モバイルデバイスでの表示に最適化されていないウェブサイトのランキングを下げるアップデートです。 |
コアアップデートが与えるSEOへの影響
Googleのコアアップデートは、検索エンジンのランキングアルゴリズム全体に大規模な変更を加えるため、SEO(検索エンジン最適化)に多大な影響を与える可能性があります。ここでは、コアアップデートがSEOに与える具体的な影響を4つの観点から解説します。
影響①|検索順位の変動
コアアップデートによって、検索アルゴリズムの評価基準が変化するため、検索順位が大きく変動する可能性があります。
これまで上位表示されていたページが順位を落とすこともあれば、逆に下位に埋もれていたページが上位に浮上することもあります。例えば、あるECサイトがコンテンツの質を大幅に改善した結果、コアアップデート後に検索順位が大きく上昇し、アクセス数も増加したという事例があります。
特定のキーワードでの順位変動が、他の関連キーワードの順位にも影響を与えることがあります。例えば、「ダイエット 方法」というキーワードでの順位変動が、「ダイエット 食事」や「ダイエット 運動」といった関連キーワードの順位にも影響を与える可能性があります。
影響②|トラフィックの変化
検索順位の変動に伴い、ウェブサイトへの流入数(トラフィック)も大きく増減する可能性があります。
特定のキーワードで上位表示されていたページが、コアアップデート後に順位が下落した場合、そのキーワードからのトラフィックが大幅に減少する可能性があります。逆に、順位が上昇した場合は、トラフィックが大幅に増加する可能性があります。
検索意図との関連性が高まった結果、より質の高いトラフィックを獲得できる可能性もあります。例えば、検索意図を正確に捉えたコンテンツを提供することで、コンバージョン率の高いユーザーを獲得できるかもしれません。
影響③|コンテンツ評価の見直し
コアアップデートは、ユーザーにとって価値のある、質の高いコンテンツを重視する傾向があります。
コンテンツSEOの重要性がさらに高まっています。ユーザーにとって有益で、独自性があり、信頼できる情報を提供することが求められます。例えば、専門家によって書かれた記事や、独自の調査データに基づいたコンテンツは、高い評価を得る可能性があります。
専門性、経験、権威性、信頼性(E-E-A-T)がコンテンツ評価において重要視されるようになっています。例えば、医療情報に関するコンテンツであれば、医師や医療機関など、専門性と権威性のある情報源からの情報が評価されます。
直近のコアアップデートの動き
Googleは、検索結果の品質向上とユーザー体験の向上を目的として、定期的にコアアップデートを実施しています。ここでは、直近5年間のコアアップデートの動きを振り返り、その傾向と対策について解説します。
2024年のコアアップデートまとめ
2024年には、3月と8月にコアアップデートが実施されました。
2024年のコアアップデートは、ユーザー体験とコンテンツの質をさらに重視する傾向が強まっています。特に、E-E-A-T(専門性、経験、権威性、信頼性)の重要性が高まっており、専門知識に基づいた信頼性の高いコンテンツが評価されるようになっています。
概要 | 日付 | 期間 |
---|---|---|
2024年8月 コアアップデート | 2024年8月15日 | 19日と4時間 |
2024年3月 コアアップデート | 2024年3月5日 | 45日 |
2024年3月
2024年の3月のコアアップデートは、スパムアップデートと同時並行で公開された珍しいタイプのアップデートです。
引用元:2024 年 3 月のコア アップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと
- コア ランキング システムを強化するためにさまざまな革新的なシグナルやアプローチを取り入れ、より有用な結果が表示されるようにしたのが今回のアップデートです。
「人々のために満足のいくコンテンツを作成されている限り、このアップデートに対応するために何か特別な手立てを講じる必要はありません。」と述べており、相変わらず良質なコンテンツを制作することを推奨しています。
2024年8月
2024年8月のコアアップデートは、これまでのアップデートと同じくユーザーにとって役にたつ傾向であることには間違いはありませんでした。ただ1点違うのが「独立系・小規模サイト」も正当に評価するという声明を出している点です。
ユーザーの検索内容に関連性がある場合、有用で独自のコンテンツを作成している小規模サイトや独立系サイトを含む、さまざまな高品質サイトとユーザーを結び付けることを目標としています。
引用元:2024年8月のコアアップデートについて知っておくべきこと
2023年のコアアップデートまとめ
2023年には、3月、8月、10月、11月にコアアップデートが実施されました。
2023年のコアアップデートは、コンテンツの質に加えて、ユーザー体験の向上も重視する傾向が強まっています。特に、Core Web Vitalsなどの指標が重要視されており、ページ速度やモバイルフレンドリーなどの改善が求められます。
概要 | 日付 | 期間 |
---|---|---|
2023年11月 コアアップデート | 2023年11月2日 | 25日と21時間 |
2023年10月 コアアップデート | 2023年10月5日 | 13日と23時間 |
2023年8月 コアアップデート | 2023年8月22日 | 16日と3時間 |
2023年3月 コアアップデート | 2023年3月15日 | 13日と7時間 |
2023年3月
2023年9月、Googleは半年ぶりにコアアップデートを実施し、検索結果に大きな変革をもたらしました。特に注目すべきは、事業者や公式サイトの躍進と、アフィリエイトサイトの後退という構図です。
このアップデートは、検索ユーザーにとってより信頼性が高く有益な情報源を優先するGoogleの姿勢を反映していると考えられます
2023年8月
Googleは2023年3月15日にコアアップデートをリリースし、3月28日までの展開期間中、検索ランキングに大きな変動をもたらしました。
特に、ディレクトリ貸しサイトはアップデート前に順位を大きく落としていましたが、今回のアップデートではわずかに回復傾向が見られました。しかし、長期的な視点で見ると、依然として下降傾向が続いています。一方、被リンクは引き続き検索ランキングにおける重要性を維持していることが示唆されました。
2023年10月
Googleの2023年10月コアアップデートは、10月5日に開始され、14日間の激動を経て10月19日に完了しました。 3月、8月と立て続けに実施されたアップデートの波に乗り、SEO担当者たちは再び翻弄されることとなりました。
2023年11月
2023年11月のアップデートは前回の10月のアップデートが完了した2週間後に実施されました。このアップデートでも寄生サイトと言われるサブディレサイトが大幅に下落する結果となったそうです。
2022年のコアアップデートまとめ
2022年には、5月と9月にコアアップデートが実施されました。
2022年のコアアップデートは、ユーザー体験の向上を強く意識したアップデートとなりました。Core Web Vitalsの導入により、ページ速度やモバイルフレンドリーなどの改善がSEO対策において必須となりました。
概要 | 日付 | 期間 |
---|---|---|
2022年9月 コアアップデート | 2022年9月13日 | 14日 |
2022年5月 コアアップデート | 2022年5月26日 | 15日 |
2022年5月
2022年5月26日、Googleは2022年初めての広範囲にわたるコアアップデートを展開しました。展開が完了するまでに約1〜2週間かかりました。スパムポリシー更新とスパムアップデートも同時展開された点がこのアップデートの特徴です。
単にクリックさせるために作られたようなコンテンツはなるべく排除され、ユーザーが有用と感じるコンテンツが多く表示されるようになります。
引用元:2024 年 3 月のコア アップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと
2022年9月
Googleは2022年9月13日、コア アルゴリズムのアップデートを開始しました。このアップデートは9月28日まで段階的に展開され、その間、検索結果の順位は様々なキーワードで変動しました。
今回のアップデートでは、ユーザーにとって有益でないコンテンツを提供するサイトが軒並み順位を下げました。具体的には、サブディレクトリ貸しのような質の低いコンテンツを提供するサイトや、ユーザーニーズに応えられていないサイト、独自性の低いサイトなどが大きく影響を受けました。
2021年のコアアップデートまとめ
2021年には、6月、7月、11月にコアアップデートが実施されました。
2021年のコアアップデートは、コンテンツの質とユーザー体験に加えて、ローカル検索の重要性も高まりました。地域密着型のビジネスを行う場合は、ローカルSEO対策を強化する必要があります。
概要 | 日付 | 期間 |
---|---|---|
2021年11月 コアアップデート | 2021年11月18日 | 13日 |
2021年7月 コアアップデート | 2021年7月2日 | 11日 |
2021年6月 コアアップデート | 2021年6月3日 | 10日 |
2021年6月
2022年6月のアップデートの影響を大きく受けたのは、いわゆる「YMYL」と呼ばれるジャンルのWebページです。YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、お金や生活、健康など、人々の生活に密接に関わるテーマを扱うWebページを指します。
Googleは、これらのテーマに関する情報は特に信頼性と専門性が重要であると考えており、今回のアップデートでもその点を重視したアルゴリズム調整が行われたと考えられます。
検索結果の全体的な関連性が向上し、すべてのユーザーにとって利便性と有用性が高まるようにすることを目的としています。本日、2022 年 5 月のコア アップデートをリリースします。ロールアウトが完了するまでに 1~2 週間ほどかかります。
引用元:2022 年 5 月のコア アップデートのリリース(Google 検索)
2021年7月
2021年7月1日(日本時間の7月2日未明)にコアアルゴリズムアップデートのロールアウト開始を発表しています。このアップデートでは、YMYL対象の領域が厳しくなりました。
2021年11月
Googleは、2021年11月17日に「November 2021 Core Update」と名付けられたコアアップデートを実施しました。このアップデートの傾向として、政府などの権威性が高いサイトの順位が引き上げられたという点があります。さらに、事業者のサイトが上位表示されるようになりました。
2020年のコアアップデートまとめ
2020年には、1月、5月、12月にコアアップデートが実施されました。
2020年のコアアップデートは、コンテンツの質と信頼性を重視する傾向が強まりました。特に、YMYL(金融、健康、法律など)分野では、専門知識に基づいた信頼性の高い情報が求められます。
概要 | 日付 | 期間 |
---|---|---|
2020年12月 コアアップデート | 2020年12月4日 | 13日 |
2020年5月 コアアップデート | 2020年5月5日 | 14日 |
2020年1月 コアアップデート | 2020年1月14日 | 3日 |
2020年1月
このアップデートは、Google史上初の「コアアップデート」でした。このアップデートでは、YMYL(Your Money, Your Life)領域にかかわるトピックスを扱うサイトを中心に大きな影響がでました。Google側は、政府系ドメインなどの権威性のあるページを優先的に検索結果に表示するようになりました。
2020年5月
Googleは2020年5月4日に新型コロナウイルス発生後、初のコアアップデートを実施したことを発表しました。5月のGoogleコアアップデートでは、検索結果に大きな変動が見られ、特に医療や金融関連のウェブサイトの順位が大きく影響を受けました。この変動の背景には、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が大きく影響していると考えられます。
パンデミックの影響で、人々の健康や経済への関心が高まり、マスクや消毒液などの医療関連商品や、不安定な株式市場における投資情報への需要が増加しました。それに伴い、これらの情報を扱うブログやアフィリエイトサイトが急増したことが、検索結果の変動に繋がったと推測されます。
2020年12月
2020年12月に行われたアップデートは、2020年最後の月に行われたコアアップデートです。2020年5月のアップデート以降、コアアップデートは来ないのではないかと思われていた矢先の出来事で、世界各国のSEO担当者を驚かせました。
このアップデートでも、YMYL(Your Money or Your Life)領域において、特に大きな検索順位変動が見られました。
コアアップデート以前の大きなアップデート
Googleは、検索結果の品質向上とユーザー体験の向上を目的として、定期的にコアアップデートを実施しています。コアアップデート以前にも、検索エンジンの進化を促す大きなアップデートがいくつかありました。今回は、その中でも特に重要な3つのアップデートについて解説します。
これらのアップデートは、それぞれ異なる側面から検索結果の質向上に貢献し、今日のSEO対策の基礎を築きました。
2017年|健康アップデート
2016年に発生したDeNA社運営の健康・医療情報サイト「WELQ」における「WELQ騒動」は、医学的根拠に欠ける不正確な情報の拡散という社会問題を引き起こしました。この事件を契機に、医療や健康に関わる情報の信頼性に対する社会の目が厳しくなり、2017年の健康アップデート実施へと繋がったと考えられます。
健康アップデートは、日本国内限定で実施された珍しいアップデートで、健康や医療に関する情報を取り扱うウェブサイトを対象としています。このアップデートにより、公的機関や医療従事者といった信頼できる情報源からのウェブサイトが検索結果の上位に表示されるようになりました。
日本のみを対象としたアップデートは珍しく、健康意識の高い国民性も影響していると考えられています。
2015年|モバイルフレンドリーアップデート
モバイルフレンドリーアップデートは、スマートフォンでの閲覧体験を最適化しているサイトを優遇するアップデートです。このアップデートにより、モバイル対応がSEOにおいて必須の要素となりました。
スマートフォンの普及に伴い、モバイル検索の割合が増加していました。しかし、多くのウェブサイトはPCでの閲覧を前提に設計されており、スマートフォンでの閲覧体験が最適化されていませんでした。
このアップデートにより、モバイル対応していないサイトは検索順位が大きく下落しました。特に、レスポンシブデザインを採用していないサイトや、モバイルページの読み込み速度が遅いサイトは、大きな影響を受けました。
2013年|ハミングアップデート
2013年に行われたハミングバードアップデートは、Google検索エンジンにおける画期的な出来事でした。このアップデートは、従来のキーワード一致型の検索から、ユーザーの検索意図を理解するセマンティック検索への大きな転換をもたらしました。
ハミングバード以前は、検索エンジンは主にキーワードの出現頻度に基づいて検索結果を表示していました。しかし、ハミングバード導入後は、自然言語処理技術を活用し、検索クエリの文脈や意味を理解することで、よりユーザーの意図に合致した検索結果を提供できるようになりました。
このアップデートは、SEO対策にも大きな影響を与えました。キーワードの詰め込みや不自然な文章構造といった従来のSEO手法は効果を失い、代わりに、ユーザーにとって価値のある質の高いコンテンツを作成することが重要になりました。
2012年|ペンギンアップデート
ペンギンアップデートは、不自然なリンクやスパム行為を取り締まるためのアップデートです。このアップデートにより、リンクの質がSEOにおいて非常に重要視されるようになりました。
当時、多くのウェブサイトが、検索順位を上げるために質の低いリンクを大量に購入したり、相互リンクを過剰に行ったりしていました。このような行為は、検索結果の質を低下させるため、Googleは対策に乗り出しました。
ペンギンアップデートにより、不自然なリンクやスパム行為を行っているサイトは、検索順位が大幅に下落しました。特に、リンクファームからのリンクや、関連性の低いサイトからのリンクは、悪影響を与える可能性が高まりました。
2012年|パイレーツ・アップデート
パイレーツアップデートとは、Googleが2012年8月に導入し、2014年10月に更新した検索アルゴリズムのアップデートです。主な目的は、著作権侵害の報告が多いウェブサイトの検索順位を下げることです。
著作権侵害が横行するウェブサイトが増加する中で、Googleはこのアップデートを通じて、質の高いコンテンツを提供するウェブサイトを保護し、ユーザー体験を向上させることを目指しました。具体的には、著作権侵害の報告が多いウェブサイトを検出し、検索結果での表示順位を下げることで、著作権を尊重するウェブサイトが上位に表示されるようにしました。
2011年|パンダアップデート
パンダアップデートは、低品質なコンテンツやコンテンツファームを排除するためのアップデートです。このアップデートにより、コンテンツの質がSEOにおいて非常に重要視されるようになりました。
当時、多くのウェブサイトが、検索エンジンのトラフィック獲得のみを目的とした、質の低いコンテンツを大量に生成していました。このようなコンテンツは、ユーザーにとって価値がなく、検索結果の質を低下させるため、Googleは対策に乗り出しました。
パンダアップデートにより、低品質なコンテンツやコンテンツファームは、検索順位が大幅に下落しました。特に、ユーザーにとって役に立たない情報や、他のサイトからのコピーコンテンツは、悪影響を与える可能性が高まりました。
2010年以前のアップデート
2010年以前にも様々なアップデートをGoogleは実施しています。
アップデート名 | 実施時期 | 主な内容 |
---|---|---|
フロリダ | 2003年11月 | 隠しテキストやキーワードスタッフィングなどの不正なSEO対策の取り締まり |
ボストン | 2003年2月 | ・外部リンクの重要性を高める ・質の高いコンテンツを持つウェブサイトを上位に表示 |
カサンドラ | 2003年4月 | リンクファームや相互リンクなどの不正なリンク構築手法の取り締まり |
ドミニク | 2003年5月 | ウェブサイトのタイトルタグとコンテンツの関連性を重視 |
エスメラルダ | 2003年6月 | 隠しテキストやキーワードスタッフィングなどの不正なSEO対策の更なる強化 |
フリッツ | 2003年7月 | ・外部リンクの質を重視し ・リンクファームからのリンクの評価を低下 |
ブランディ | 2004年2月 | ・ウェブサイトのブランド力を評価 ・有名なブランドを持つウェブサイトを上位に表示 |
ビッグダディ | 2005年12月 | Googleのインデックスを大幅に改善し、検索結果の精度を向上 |
ユニバーサルサーチ | 2007年5月 | 画像、動画、ニュースなどの様々な種類の検索結果を統合して表示 |
ヴィンス | 2009年2月 | ・ブランド力のある大手企業のウェブサイトを優遇する傾向を強化 ・中小企業や個人サイトには厳しい影響 |
コアアップデートで順位が下がった時の対処法
Googleのコアアップデートは、検索エンジンのランキングアルゴリズム全体に大規模な変更を加えるため、検索順位が大きく変動することがあります。順位が下がった場合は、慌てずに適切な対処をすることで、順位回復の可能性があります。具体的な対処法を4つのステップに分けて解説します。
焦って間違った対応をしてしまうと、さらに状況が悪化する可能性もあります。落ち着いて状況を分析し、長期的な視点でSEO対策に取り組みましょう。
STEP①|まず待つ
コアアップデートの影響は、すぐに完全に反映されるとは限りません。数日から数週間かけて徐々に変化することもあります。
したがって、順位が下がったからといって、すぐに大幅な変更を加えるのは避けましょう。まずはロールアウトが完了してから数週間ほど様子を見て、順位変動が一時的なものなのか、それとも長期的なものなのかを見極めることが重要です。私の経験でコアアップデートが完了したのちも大きく動くことがあるので
STEP②|状況の把握と分析
順位下落が長期的なものであると判断した場合、次のステップは状況の把握と分析です。
分析観点 | 着眼点 |
---|---|
順位下落の確認 | ・主要キーワードの順位変動 ・アクセスの変動 |
コアアップデートの影響確認 | ・順位変動のタイミング ・変動したキーワードの特徴 |
自社サイトの変化点確認 | ・コンテンツの品質 ・ユーザー体験 ・E-E-A-T |
競合サイトの分析 | ・順位上昇した競合サイトの特徴 ・コンテンツの改善点 ・E-E-A-Tの強化 |
具体的にどのキーワードで、どのページの順位が下がったのかを確認します。Google Search Consoleやアクセス解析ツールなどを活用して、詳細なデータを確認しましょう。
Googleの公式発表やSEO関連ニュースをチェックし、最近コアアップデートが行われたかどうかを確認します。コアアップデートが原因であれば、他のウェブサイトでも同様の順位変動が起きている可能性があります。
コアアップデートの前後に、自社サイトで何か変更を行った場合(例えば、サイトデザインの変更、コンテンツの大幅な削除など)、それが原因である可能性も考えられます。
競合サイトが大きく順位を上げていないか、コンテンツやSEO対策に変化がないかなどを確認します。競合サイトの分析から、自社サイトの改善点を見つけることができるかもしれません。
STEP③|対策の実施
状況を分析した上で、以下の対策を実施しましょう。
対策ポイント | 具体的な対策 |
---|---|
コンテンツの品質向上 | ・ユーザーニーズを満たす質の高いコンテンツを提供する ・専門性・権威性・信頼性 (E-E-A-T) を高める ・オリジナリティのあるコンテンツを作成する ・情報を網羅的にカバーし、最新の状態に保つ |
ユーザーエクスペリエンスの改善 | ・モバイルフレンドリーなサイト設計を行う ・ページ表示速度を改善する ・ナビゲーションを分かりやすくする ・コンテンツを読みやすくする |
検索エンジンのガイドライン遵守 | ・スパム行為を排除する ・構造化データを活用する ・robots.txtとメタタグを最適化する |
被リンク対策の見直し | ・自然なリンク獲得を目指す ・質の低いリンクを否認する ・被リンクプロファイルを監視する |
ユーザーにとって価値のある、オリジナルで有益なコンテンツを作成することに注力しましょう。E-E-A-T(専門性、経験、権威性、信頼性)を意識し、網羅的で詳細な情報を提供することが重要です。例えば、専門家へのインタビュー記事や、独自の調査データに基づいたコンテンツは、高い評価を得る可能性があります。
モバイルフレンドリー対応、ページ速度の改善、Core Web Vitalsの最適化など、ユーザー体験の向上に取り組みましょう。快適なサイト体験は、ユーザーの満足度を高め、検索順位にも良い影響を与える可能性があります。
STEP④|再評価を待つ
対策を実施したら、Googleの再評価を待ちましょう。コアアップデートの影響は、一度改善しても、その後再び順位が変動する可能性があります。
そのため、継続的にコンテンツの品質向上やユーザー体験の改善に取り組み、検索エンジンの変化に対応していくことが重要です。
まとめ|コアアップデートは成長のチャンス
Googleコアアップデートは、検索順位に大きな影響を与える可能性がありますが、それは同時に、ウェブサイトの改善点を洗い出し、成長するためのチャンスでもあります。ユーザーファーストの理念に基づいたコンテンツ作成とSEO対策を継続することで、安定した検索順位とトラフィックの獲得を目指しましょう。
もしコアアップデートによる影響やSEO対策についてお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。専門的な知識と経験を持つ私たちが、お客様の状況に合わせて最適なサポートを提供いたします。