プロジェクト概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | BtoB営業支援(エンタープライズ特化・成果報酬型の商談獲得サービス) |
| 施策期間 | 2025年4月〜2025年10月(約6ヶ月間) |
| 投入コンテンツ数 | 約50記事 |
| 成果 | オーガニック経由のリード獲得 100件(資料DL・お問い合わせ合計) |
| オーガニックトラフィック | 月間約300 → 月間約2,100(約7倍) |
| 獲得キーワード数(TOP10) | 約33KW → 約214KW(約6.5倍) |
| トラフィック価値(広告換算) | 月間約14万円 → 月間約56万円(約4倍) |
クライアントの課題
同社は、エンタープライズ企業の決裁者との商談設定に特化した営業代行サービスを提供するBtoB企業です。サービスの特長は「成果報酬型」であり、商談が成立した場合にのみ費用が発生するモデルで、スタートアップ〜成長フェーズのIT企業を中心にクライアントを獲得していました。
しかし、これまでの集客はテレアポや紹介経由が中心であり、オンラインでの安定的なリード獲得チャネルが不在という課題を抱えていました。具体的には以下の3点が大きなボトルネックとなっていました。
1. 検索上でのブランド認知がほぼゼロ 「営業代行」「エンタープライズ営業」といった主要キーワードでの検索順位がつかず、ターゲットとなる経営者やセールスマネージャーとの接点がありませんでした。サイト全体のオーガニックトラフィックは月間300セッション程度に留まっていました。
2. コンバージョン導線の未整備 コラムページが少数存在していたものの、CTA(資料DLやお問い合わせへの導線)が設計されておらず、流入があってもリードに転換する仕組みがありませんでした。
3. サービスの差別化が検索結果で伝わらない 「成果報酬型」「エンタープライズ特化」「決裁者アポイント」といった同社の強みが、検索エンジン上で可視化されていない状態でした。
実施した施策
フェーズ1:キーワード戦略の設計(2025年4月)
ターゲットペルソナ(スタートアップの営業責任者、SaaS企業のCxO層)が検索しうるキーワードを徹底的にリサーチし、以下の3層構造でキーワードマップを策定しました。
- 顕在層キーワード(CV直結):「営業代行 成果報酬」「商談設定サービス」「決裁者 アポ」など、サービス検討段階のユーザーを狙うKW群
- 準顕在層キーワード(ニーズ喚起):「エンタープライズ営業 やり方」「新規顧客開拓 方法」「営業活動 効率化」など、課題を認識しているが解決策を探している層
- 潜在層キーワード(認知獲得):「顧問とは」「エンタープライズ企業とは」「拡販とは」など、情報収集段階のユーザーに向けた教育コンテンツ
フェーズ2:コンテンツ制作・投入(2025年4月〜7月)
約50記事を4ヶ月間で集中的に投入しました。記事のカテゴリ構成は以下の通りです。
- サービス関連の比較・解説記事(15記事):「営業代行 おすすめ」「顧問紹介サービス 比較」などの商業意図キーワードを狙い、自社サービスの優位性を自然に訴求
- 課題解決型のハウツー記事(20記事):「新規営業の方法」「トップダウン営業とは」など、ターゲットが抱える営業課題に対して実践的な解決策を提示
- 用語解説・教育コンテンツ(10記事):「エンタープライズ企業とは」「顧問とは」など検索ボリュームの大きい情報系キーワードで流入の間口を広げる
- 導入事例記事(5記事):既存クライアントの成功事例をインタビュー形式で記事化し、CVR向上とEEATの強化を図る
フェーズ3:CV導線の最適化(2025年5月〜)
各記事に対して、以下のCTA設計を実装しました。
- 記事下部に「資料ダウンロード」と「お問い合わせ」の2種類のCTAを配置
- 記事内容に応じてCTAの訴求を出し分け(例:営業代行関連の記事には「営業代行サービスの料金表」、顧問関連の記事には「顧問活用ガイド」など)
- フローティングバナーによる常時導線の確保
フェーズ4:継続的な改善(2025年7月〜10月)
- 上位表示が見え始めた記事に対して、リライトによるCTR・順位の引き上げ
- Search Consoleのデータを分析し、インプレッションが高いがCTRが低い記事のタイトル・ディスクリプション改善
- 内部リンク構造の最適化により、ピラーページへの回遊を促進
成果の推移(Ahrefsデータに基づく)
オーガニックトラフィックの成長
| 月 | オーガニックトラフィック | 前月比 |
|---|---|---|
| 2025年1月(施策前) | 311 | — |
| 2025年4月(施策開始) | 453 | — |
| 2025年5月 | 833 | +84% |
| 2025年6月 | 896 | +8% |
| 2025年7月 | 1,289 | +44% |
| 2025年8月 | 1,730 | +34% |
| 2025年9月 | 2,047 | +18% |
| 2025年10月(6ヶ月後) | 2,178 | +6% |
施策開始前(2025年1月)の月間311セッションから、6ヶ月後の2025年10月には月間2,178セッションまで成長。約7倍のオーガニックトラフィック増加を実現しました。
検索順位の獲得状況
| 月 | TOP3 | TOP4〜10 | TOP10合計 |
|---|---|---|---|
| 2025年1月 | 5 | 28 | 33 |
| 2025年4月 | 7 | 40 | 47 |
| 2025年5月 | 18 | 60 | 78 |
| 2025年7月 | 39 | 89 | 128 |
| 2025年9月 | 68 | 144 | 212 |
| 2025年10月 | 75 | 139 | 214 |
TOP3キーワード数が施策前の5件から75件へと15倍に成長。特に「営業代行 成果報酬」(月間検索ボリューム1,400)で1位を獲得したことが、リード獲得の大きなドライバーとなりました。
主要キーワードの獲得順位
| キーワード | 検索Vol | 獲得順位 | 推定月間流入 |
|---|---|---|---|
| 営業代行 成果報酬 | 1,400 | 1位 | 749 |
| 営業代行 | 8,400 | 9位 | 516 |
| エンタープライズ企業とは | 700 | 1位 | 251 |
| 顧問とは | 4,600 | 1位 | 116 |
| 営業顧問 | 250 | 1位 | 88 |
| 拡販とは | 900 | 1位 | 81 |
| 技術顧問 | 200 | 1位 | 79 |
| 新規顧客開拓 | 1,100 | 10位 | 59 |
| 新規営業 | 600 | 7位 | 52 |
| 決裁者 アポ | 100 | 1位 | 38 |
リード獲得の内訳
6ヶ月間で合計 100件 のリードを獲得しました。
| リード種別 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 資料ダウンロード | 65件 | 65% |
| お問い合わせ(サービス詳細照会) | 25件 | 25% |
| セミナー申込(コラム経由) | 10件 | 10% |
| 合計 | 100件 | 100% |
リードの属性としては、スタートアップ・SaaS企業の営業責任者やCxOが約6割を占め、まさに同社のターゲット層からの問い合わせが増加しました。
成功要因の分析
1. 「成果報酬×エンタープライズ」という明確なポジショニング
コンテンツ全体を通じて「成果報酬型」「エンタープライズ特化」「決裁者アポイント」というサービスの独自性を一貫して訴求しました。特に「営業代行 成果報酬」というキーワードで1位を獲得できたことは、ポジショニングとSEO戦略が合致した結果です。
2. 検索意図に沿った3層構造のコンテンツ設計
顕在層・準顕在層・潜在層の3つのファネルに対応するコンテンツを網羅的に用意したことで、カスタマージャーニーの各段階でユーザーとの接点を持つことができました。
3. CV導線の徹底設計
いくらトラフィックが増えても、CVポイントがなければリードは生まれません。記事ごとに最適化されたCTA設計を行い、コンテンツの文脈に沿った自然なCV導線を敷設したことが、CVR向上の鍵となりました。
4. 事例コンテンツによるEEATの強化
IT企業の成功事例を複数掲載することで、サービスの信頼性と専門性を示すことができました。これはGoogleのEEAT評価においても、また実際の見込み客の意思決定においても、大きなプラス要因となりました。
今後の展望
2025年10月以降も安定的にトラフィックが維持されており、2026年3月時点では月間3,100セッション超、キーワード数300件以上にまで成長を続けています。今後は以下の施策により、さらなるリード獲得の拡大を目指しています。
- 業界特化型のコンテンツ拡充(製造業向け、SaaS企業向けなど)
- ホワイトペーパー・ウェビナーとの連携によるリードナーチャリング強化
- AIオーバービュー対策を見据えた構造化データ・FAQコンテンツの充実
まとめ
本事例では、エンタープライズ特化の成果報酬型営業代行サービスにおいて、SEOコンテンツマーケティングを軸にした集客基盤の構築に成功しました。
わずか半年間で50記事を投入し、月間トラフィック7倍・TOP3キーワード15倍・リード100件獲得という成果を達成。広告費に頼らず、自社メディアからの安定的なリード獲得チャネルを確立した好例と言えます。
BtoBサービス、特に高単価かつ検討期間の長いエンタープライズ向けサービスにおいて、SEOコンテンツマーケティングは中長期的に高いROIを発揮する施策であることを改めて示す結果となりました。
